一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「プラネテス」

2006-01-04 | 乱読日記
年末年始関係に読んだ本・観た映画ネタのつづきです。

まず幸村誠の「プラネテス」というコミック(全4冊)を読んで、面白かったのでグっグてみたらコミックを原作にしたアニメも評判がよかったのでDVDを借りたところこれも面白く、全9巻をレンタルして一気観(?)してしまいました。

舞台は2075年、石油資源に限界を感じた人類は宇宙開発により月にあるヘリウムの核融合によるエネルギーをメインにしている時代、主人公は地球軌道上に浮遊している廃宇宙船などのゴミ(デブリ)回収に従事しながら、人類初の木星探査船の乗組員を目指す、という話です。

最初、絵的には好きでない(三白眼のキャラが多く、表情がうまく描けてない)ので途中で飽きるかと思ったのですが、予想以上に面白く、最後まで読んでしまいました。。
作者は相当な遅筆のようで、週刊誌の連載にもかかわらず1巻5話分で1年以上かかっており、3巻目の最後からは月刊誌に配置換えにされたみたいです。
その分一話一話の中身が濃く、また、1巻目の途中から画ががらっと変わって登場人物の表情が豊かになり、メカや動作の描写も上手くなっています。

ストーリー的には「冒険モノ」でなく「宇宙と向き合ったときの人間」「人類の宇宙開発の光と影」というようなかなり重量感のあるテーマを正面から取り上げています。
それも、確かに遅筆も仕方ないと思わせる密度の濃い一話一話で、一気に読了してしまいました。
人によっては重すぎて敬遠するかもしれないくらいです。


一方、アニメも基本的な問題意識は持ちながら、脇役を増やし、サイドストーリーを充実させて見やすいものになっています。

アニメの「お約束」風なところがちょっとあるのは仕方ないとして、原作のエピソードを順序や登場人物をうまくアレンジしながら生かして、全体のストーリーとしての統一性、わかりやすさを出しています。
最初から全26話を見通してきちんと作った脚本じゃないかと思います。

当然世界に誇る日本のアニメだけあって、画はきれいだし、メカや登場人物やそれらの動きも上手く描けていることは当然の前提なので、脚本とテーマのまっとうさとあいまって、大人も楽しめる作品だと思います。

アニメに抵抗感のない方はお奨めです。


こちらが原作のコミック







こちらがアニメ
(カワイ子ちゃんキャラが前面に出ていて一瞬ひるみますが、めげずに借りてみてください)







(ちなみに2巻は主人公が表紙です)





コメント
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