ジェンダーからみるカンボジア

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コンドームは顧客とのみ使用?

2008年12月05日 | 女性の自立


セックスワーカーとして働く女性の多くは、恋人や決まったパートナーがいます。彼女たちは、顧客を相手にセックスする際にはコンドームを使うよう主張しますが、恋人やパートナーとのセックスではコンドームを使用していないという実態が明らかになっています。

カンボジアの非政府組織が今年の世界エイズデー(12月1日)に開催したイベントに集まってきた30名程度のセックスワーカーへのインタビューによると、恋人とのセックスでコンドームを使用する率は5割、決まったパートナーとでは2割程度まで下がるそうです。

2005年に実施されたプノンペンのセックスワーカーの実態調査によると、彼女たちの7割が客からギャングレイプ(集団レイプ)された経験を持ちます。加害者は高校生などのとても若い男性。コンドームを使用せずに暴力を振るっている場合も少なくありません。多くの場合、加害者が麻薬などを使いながらレイプするので、セックスワーカーはとても危険な性行為を強いられるのです。コンドームを使用しないだけでなく、ナイロンの買い物袋などをコンドーム代わりに使用している学生もいて、STIやエイズの感染の危険があります。

カンボジアでの恋愛関係には、女性から男性に対してコンドーム使用を言い出しにくいジェンダー規範があります。女性たちが、自分の身の安全を主張できるよう、エンパワーメントをさらに進めていく必要があります。


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