玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

文化協会に異議あり

2008年02月15日 | 日記
 「柏崎文化協会」というものが、今年度末を目標に設立されようとしている。現在会員を募集中であるが、どう展開されていくのだろう。設立趣意書には、『風のいろ』発行を通し、「多くの文化団体と情報を共有し、意思の疎通を図り、文化の町づくりに貢献できることを確信した」とあり、「行政との連携の重要性」を強調しているが、そこのところがよく理解できない。
 “文化”というものを団体単位で考える発想自体が分からないし、「行政との連携」がなぜ必要なのかも分からない。“文化”というものは、個人の営為そのものであって、集団的に発揚させていくようなものではないと考えるからだ。
 現在進行形の“文化”と、“伝統文化継承”や“文化財保存”などという時の“文化”とは分けて考えなければいけない。文化創造は行政ではなく、あくまでも自立した主体によって担われるものでなければならない。また“文化”は行政と対峙する部分をもっているから、行政の支援を受けたり、行政によって育成されるようなものではもともとないとも考える。
 お互いに「お前のやっていることは文化活動なんかじゃない」と言ってしまえばそれまでだ。“文化”という目標を不特定多数で共有することは至難の業であり、共通の目標とすることが本当に正しいのかどうかについて疑問がある。どう考えても共通認識としての“文化”という概念が成立するとは思えない。
 元県議の西川勉さんが柏崎民謡保存会の新年会で、四十九年前に「文化団体連絡協議会」というものを組織したが、あっという間に空中分解してしまった経緯について話していた。“文化”というものの範疇が広すぎて、押さえがきかなかったからということだ。西川さんは文化協会の今後について「果たしてどうなるのか?」と言われたが、本当に「果たしてどうなるのか?」と、思っている。

越後タイムス2月8日「週末点描」より)



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