玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

ペコちゃん、ペコる

2007年01月25日 | 日記
 今週は北原保雄先生の御登場が二本もあった。三月末発刊を目指す市民文化誌「風のいろ」座談会出席の記事と、新潟産大経営改革推進室顧問としての第一声の記事である。最近北原先生の発言が面白い。経営改革推進室の会議で、軽井川出身の先生、「私の生家が新潟産大の近くにあるのではなく、新潟産大が私の生家の近くにあるんだ」と発言。
 もちろん新潟産大の方があとから出来たわけで、北原先生の言葉は正しい。生家に近いということで、とりわけ新潟産大のことを心配する気持ちが強くおありのようだ。会議では、タイムス新春号「夢の森公園特集」の記事のことも取り上げてくださった。「公園は産大のためにできるようなもの」という発言は、ひょっとして“マジあり”かも知れない。
 ということで、北原先生監修の新刊『みんなで国語辞典』(大修館書店)へと話は移る。一般からの応募でつくった“裏国語辞典”ともいうべき本で、とんでもない日本語がいっぱい掲載されている。特に若者ことばで聞いたことのないものが多い。たとえば“ペコる”。謝ることを意味するのだそうで、そういえば、今頃日本中のペコちゃんが一所懸命“ペコって”いることだろう。
 “ゴギる”なんてのもある。〇五年五月に中国の呉儀副首相が小泉前首相との会談を直前キャンセルしたことから、“ドタキャン”(土壇場キャンセル)の意。語源的に極めてシャレが効いていて面白い。ちなみに“ペコる”の語源は、不二家の不祥事での謝罪ではない。
 しかし、圧倒的に多いのは省略語。“だきょる”(妥協する)だとか、“きょどる”(挙動不審な行動をする)とか、“なつい”(懐かしい)など、エネルギー節約型の言葉が大半を占めている。何の面白みもなく、だらしないだけだ。でも、北原先生によれば、これらの言葉は「多分、来年には通じない」とのことで、じきに耳にしなくてもよくなることを期待しよう。

越後タイムス1月19日「週末点描」より)


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