私の住む元庄和町の役場が図書館になるのか、ならないのかの関心が、知人たちにあります。
町民が待ち望んできた図書館への思い、使い方は、人それぞれです。
私の場合、調べ物をするために図書館に行くことはありませんから、市の中央にある春日部市立図書館の蔵書数が少ないという不満はありません。ましてや図書館でゆったりとした気持ちになれる読書の時間を持ちたいと要望もありません。あるいは、同年代の男性さんに目立つ、居眠りに行く目的もありません。
ふらりと、本屋、古本屋に立ち寄って、なんとなく“本を探す”のと同じなのです。春日部市立図書館は、家からクルマで20分かかります。たいてい他の用事のついでに寄るのです。
書棚の、どこに何があるかが、ほぼわかっているので、そこに新しい発見はありません。だから窓際の新着図書棚の“距離5m”ほどを歩くだけです。
本屋と違って図書館ですから、その中から手当たり次第に引き抜いて、レジ(?)に持っていきます。無料ですので結果として、読もうが読むまいが、どうでもいいのです。本屋でならゼッタイに手を出さない本も、開いてみることができるのです。
むろん、それが新しい関心と知識に繋がることができるのです。
昨日(11月13日)に、図書館の、新着書の棚に“ローザ・パークス”があったのです。突然の出会いです。今でも“ローザ・パークス”の新刊が出るのかと思いました。
しかも岩波書店の発行(2007年9月1日)なのです。
ローザ・パークスは、アメリカの公民権運動(黒人解放運動)のきっかけになったと言ってもいい、象徴的な“白人社会に対して抗議行動”をした女性です。1955年12月1日のことです。白人優先のバスの座席に座った混血女性は、その時 42歳です。そして黒人の市バス・ボイコット運動(381日間)につながり、抗議運動は全米に広がったのです。
日本の私らにも、アメリカの公民権運動の熱気は伝わってきました。正確には、かなりの時間差があったのですが、思いは同期していたと思うのです。
私は、この6月に、アメリカ南部の公民権運動の“史跡”を訪ねる旅をしてきました。
ローザ・パークスの町は、アラバマ州モントゴメリーです。南部を歩いて10日目ぐらいのことでした。熱暑のアメリカ南部だったので、歩き回ることに疲れ気味でした。
キング牧師のいた教会(King Memorial Baptist Church) 、公民権運動記念館(Civil Rights Memorial Center)を歩いて、ローザ・パークス記念館(Rosa Parks Library and Museum)に寄ったのです。
かなりの見学者がいました。身体がだるかったこともあって、また米国では珍しく写真撮影禁止の注意を受けたこともあって、丁寧に見て読んでまわったのですが、売店も素通り、本も記念品も買わなかったのです。
42歳の、普通の主婦の勇気ある行動は、<感銘をうける>といったこと以上に、考えさせられる展示でした。
ローザは、確か2年ぐらい前に亡くなったと思います。日本の新聞もかなり大きく伝えました。
借りてきた本は、いつものように、まえがき、あとがき、それから本文と読み進みます。
原著、ROSA PARKSは、2000年に出版されました。1997年になってローザ・パークスの軌跡を訪ねる意味が、あとがきに熱っぽく書かれています。
現在、買っておくのがいいなと思いながら、読み進めているところです。
*記念館の前が現場と思っていたのです。緑の標識に覚えがないのです。
本書の冒頭にこう書かれています。
<アラバマ州には、巡礼にあたいする公民権ゆかりの地が数多くある。しかしその中でも、モントゴメリー市の一見何の変哲もない路上にある、簡素な緑の標識だけを目印にしたもの以上に、見る者の歴史的想像力を貫くものはない>
ローザ・パークスをモントゴメリーに訪ねた私ですが、その“事件”の起こった場所を示す<簡素な緑の標識>を見落としたのに、今日、気づいたのです。
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