自宅の1階が被災し、 2階に避難している人たちに、
支援の手が届かない 事態が続出しています。
最初は 避難所へ行ったものの、 避難所生活のストレスに 耐えられなかったり、
体調を崩したりして、 自宅に戻った人たちです。
避難所では 支援物資を受け取るために、
3階の教室と校庭を 往復しなければならず、 足が悪い被災者には 堪えます。
床に座ったり、 和式トイレを使うのも 無理でした。
止むなく 自宅に戻りましたが、
ライフラインも復旧しておらず、 夜は 懐中電灯とろうそくが頼りです。
炊き出しも来ず、 自衛隊にもらった水や、
1時間以上歩いて スーパーで買った食べ物で しのいでいます。
2階のトイレで用を足し、 津波で風呂にたまっている 水をくんで流す毎日です。
台所のある1階が 津波に襲われ、 食事が満足にできない人も 多くいます。
余震で家がつぶれるのではないかと、 怯えながら暮らしているのです。
物資の配給など、 避難所で得られた 情報は入りません。
同じような住宅が あちこちにありますが、
1階部分を含む一帯が がれきに覆われていたため、
救助の手が届かず、 存在が見逃されがちでした。
行政は 避難所の救援だけで目一杯で、 自宅の被災者まで 手が回らず、
全体の状況を 把握できていないのが実情です。
目に見えない被災者の人たちが、 まだまだ大勢いるのです。
〔 朝日新聞より 〕