「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

時間との戦い …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (30)

2010年09月30日 23時53分10秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(前の記事からの続き)

○東央大病院・ 外景 (未明)

  空に 明かりが差してくる。

  雀の鳴き声が聞こえる。
  

○同・ 消化器外科・ 控室

  美和子が 緒方に書類を渡す。

美和子 「木下さんからの 臓器提供承諾書で

 す」

緒方 「うん、 平島さんの手術承諾書と 麻酔依

 頼書も揃えたね?」

美和子 「はい」

  小池が慌てて駆け込んでくる。

小池 「緒方先生、 木下さんの血圧が 急に下が

 りはじめたそうです!」

美和子 「え!?」

小池 「昼前にも 心臓が止まってしまうかもし

 れないと ……」

緒方 「そんなに早く 心臓がだめになるなん

 て!  ICUの連中は 何をやってるんだ

 !?」

小池「木下さんは もともと心臓が強くなかっ

 たそうです」

緒方 「(美和子に) 平島さんの準備は?」

美和子 「透析が終わって 免疫抑制剤の点滴に

 はいりました。 でも ヘパリンの作用が消え

 るまで 4時間はかかります」

世良 「ヘパリンというのは?」

美和子 「透析中に使う薬で、 血液の凝固を防

 ぐの。 だから ヘパリンが残ったままで オペ

 することはできないのよ」

世良 「じゃあ木下さんには、 あと4時間持ち

 こたえてもらわないと いけない訳か」

緒方 「とにかく 早くオペの準備を!  ドナー

 の冷却灌流も 始めるように伝えてくれ」

美和子 「はい !」

緒方 「(苛立ち) ここまでこぎつけたんだ。

 間に合わないなんてことに なってたまる

 か!」

美和子 「…… (緒方の気迫に驚く)」

 
○同・ 多佳子の病室

  免疫抑制剤を点滴中の多佳子。

  美和子たちが 周りを慌ただしく動いてい

  る。

  不安そうな多佳子。

(次の記事に続く)
  

肝移植、 断念 …… 「生死命(いのち)の処方箋」 (29)

2010年09月29日 20時37分24秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
(http://blog.goo.ne.jp/geg07531/e/b4eccc2d5026634d7a19111e0cff4e4c からの続き
 http://blog.goo.ne.jp/geg07531/e/7ac25ee3dc5c59a245ec8d9438bcef30 参照)

○夜空

  上弦の月に 雲がかかっていく。
 

○東央大病院・ 外景 (夜)
 

○同・ 消化器外科・ カンファレンスルーム

  緒方、 犬飼(59才)、 川添(37才)、

  山岡(44才)、 小池(39才)、 ナース

  らが合議している。

  美和子は うなだれて座っている。

  世良も取材で同席している。

緒方 「では、 木下幸子さんの膵臓と腎臓を、

 平島多佳子さんに 同時移植することに決定

 します」

緒方 「了解しました」

美和子 「………」

緒方 「佐伯くん、 気持ちは分かるが、 落胆し

 ている時ではないよ。 木下さんの肝臓の状態が

 悪くなった以上、 淳一くんへの移植は

 断念せざるを得ない」

美和子 「…… 諦めきれません ……」

緒方 「諦めきれないのは 君だけだと思うか?

 しかし患者さんは 淳一くん一人ではないんだ。

 早急に 平島さんのオペの準備に かから

 なければ」

美和子 「………」

犬飼 「それに 淳一くんが自身が 乗り気ではな

 いのだから」

緒方 「今は 平島さんのオペに集中しよう」

犬飼 「このオペを成功させることが、 淳一くんの

 次の機会に 繋がっていくんじゃない

 か?」

美和子 「……… (ぐっと唇を噛みしめる)」

緒方 「佐伯くん、 君は医者だろう?」

世良 「(美和子の肩に しっかり手をかける)

 美和子、 顔を上げて 前を向いていこう」

美和子 「…… (意を決するように) この手術、

 必ず成功させてみせる …… 世良さん、しっ

 かり書いて」

世良 「ああ」

美和子 「ジュンにも、 社会にも、 移植の成果

 を伝えるのよ。 平島さんにも、 きっと頑張

 ってもらう」

  美和子の目に 意欲が戻る。

(次の記事に続く)
  

「生死命(いのち)の処方箋」  これまでのあらすじ

2010年09月27日 23時48分53秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」
 
 佐伯美和子 (28才) は、 消化器内科の医師。

 弟の佐伯淳一 (18才) は、

 「クリグラー=ナジャール症候群」 という肝臓病で、 黄疸症状がある。

 光線療法や血液交換の 治療を受けているが、

 いつ 脳障害を起こして亡くなるか 分からない状況である。

 助かるには 肝臓移植が必要だ。

 美和子は 淳一を救うために 医師になった。

 しかし淳一は 移植をあまり望んでいない。

 折から、 日本で生体肝移植が始まり、

 美和子は自分の肝臓を 淳一に移植して 淳一を助けようとする。

 ところが、 美和子と淳一の白血球型は 無情にも一致しなかった。

 残る道は 脳死肝移植しかない。

 木下幸子 (40才) が 事故で脳死に陥る。

 淳一は 臓器提供を受け入れないが、 美和子は望みを捨てない。

 ところが、 木下の肝機能が落ちてくる。

 一方、 糖尿病性腎症の患者・ 平島多佳子 (17才) は、

 脳死からの膵腎同時移植を希望し、 手術を行なうことが決定される。
 

【これからの登場人物】

佐伯 美和子 (28才・ 東央医科大学病院消化器内科)

佐伯 淳一 (18才・ 美和子の弟・ クリグラー=ナジャール症候群患者)

世良 康彦 (33才・ 美和子の恋人・ 報道カメラマン)

平島 多佳子 (17才・ 糖尿病性腎症患者・ 臓器受容者<レシピエント>)

緒方助教授 (48才・ 東央大病院消化器外科・ 移植医)

川添医師 (37才・ 同救命救急センター)

犬飼教授 (59才・ 同脳神経外科)

木下 幸枝 (40才・ 脳出血患者・ 臓器提供者<ドナー>)

木下 直哉 (45才・ 幸枝の夫)

安達 三郎 (45才・ 脳死患者)

安達 杏子 (41才・ 安達の妻)

山岡医師 (44才・ 移植医)

小池医師 (39才・ 移植医)

喜多川 (25才・ 検査研究員)

高野 晃 (38才・ 腎臓の臓器受容者)

高野の妻 (35才)
 

「BPD家族の会」 に NHKが取材

2010年09月26日 20時54分47秒 | 「BPD家族会」
 
 今日開かれた 「BPD家族の会」 に、

 NHKが 番組放送のための 取材に来ました。

 BPDのことを 広く知ってもらい、 誤解や偏見をなくし、

 BPDの人が 社会生活を営みやすくするため、 という趣旨です。

 朝のニュース 「おはよう日本」 の中の 5~6分の放送で、

 10月中には放送する 予定だということです。

 番組の内容は、 BPDの説明, ドクターへのインタビュー,

 BPDから回復した人の話 (「BPD家族の会」 副代表の姉),

 そして 今日の 「BPD家族の会」 の 参加者の発言などです。

 今日の家族会は 二部屋に分かれて行なわれましたが、

 カメラが入る部屋には、 撮影されてもいいという 人だけが行きました。

 参加者の顔は映さず 肩から下の映像のみにする, 服にモザイクをかける,

 声は変える, 個人が特定される話は放送しない などを申し合わせ、

 実際の映像が どんな感じで映るのかも モニターでの確認もさせてもらいました。

 NHKの 充分な配慮でしたが、 逆に言えば、

 今はそれだけ ボーダーへの誤解や偏見が 強いという証拠です。

 ボーダーが正しく理解されていれば、 こんな配慮は必要ないわけです。

 誰もが顔や声を 出せるような日が、 少しでも早く来ることを 希望しています。

 そのためには マスコミ、 特にテレビの力は 大きいでしょう。

 今後も取材を 進めていってほしいものです。

 初めにTVに出る 当事者の人たちは 勇気もいり、

 リスクもあるのかもしれませんが、 一歩一歩の積み重ねが 大切だと思います。

 NHKの放送日が決まったら、 またお知らせします。

( どうせ僕は出ないでしょうが。  (^^;))

〔 番組内容 : http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61222988.html 〕
 

「生死命(いのち)の処方箋」  後編掲載に当たって

2010年09月24日 21時24分23秒 | 「生死命(いのち)の処方箋」

 記事に連載中の 「生死命(いのち)の処方箋」 は 約20年前の作品ですが、

 書き上げた後に、 日本初の生体肝移植が行なわれました。

 「生死命の処方箋」 を コミック化する話があり、

 元のシナリオでは 生体肝移植は前提になかったため、

 書き直さなければなりませんでした。

 つまり、 拙作は脳死移植の話なのですが、 生体肝移植ができるという時代設定なら、

 まず生体肝移植を試みて、 それがだめだったから 脳死移植に移る、

 という話に しなければならなかったわけです。

 改定したシナリオでは、 生体肝移植が不可能になるところまで 書きましたが、

 その後 コミック化の話はお蔵入りになり、

 それ以降の書き直しは されないままになりました。

 記事9月7日までの 掲載分が、 書き直したところの話です。

 以後、 元のシナリオを 記事に連載しますが、

 改定したシナリオとの矛盾点が いくつかあるのに気付いてしまいました。

(シナリオを書いたのは 約20年前なので、 忘れていました。)

 まず、 元のシナリオと改定したシナリオとでは、 登場人物が一部異なっています。

 例えば、 改訂部分の移植医 (消化器外科)・ 緒方が、

 元のシナリオでは 淳一の主治医でした。

 改訂部分では 淳一の主治医は若林で、 消化器内科です。

 これから掲載するシナリオでは、若林は出てこなくなります。

 それから、 今後掲載するシナリオに、

 生体肝移植が これから日本で行なわれるかもしれないという

 設定のシーンがありました。

 改定シナリオは すでに生体肝移植が行なわれている という設定なので、

 このシーンは本来なら 修正しなければなりません。

 けれども、 このシーンが結構 ドラマとしてよく出来ていて、

 割愛するには 勿体なく思えてしまいました。

 そこで、 辻褄が合わないのですが、 これから掲載するシナリオは、

 生体肝移植が まだ行なわれていないという設定に 戻させていだたきたいと思います。
m(_ _;)m

 イレギュラーですが、 以上のようなことで、

 「生死命の処方箋」 の 後編を連載していきます。
 

自転車のバックミラー

2010年09月21日 18時44分25秒 | Weblog
 
 自転車つながりです。  (^^;)

 読売新聞に  「自転車のバックミラー」 の記事が載っていました。

 自転車には バックミラーの装着が義務づけられていませんが、

 近年 自転車の事故が増加しているそうです。

 昨年の 自転車と歩行者の事故は 約3000件で、 10年前の3.7倍。

 自転車同士の事故は 4000件近くあり、 4.4倍になっています。

 そのため、 バックミラー装着を 勧める動きが出てきました。

 装着を推進する 自治体もあります。

 しかし一方で、 ミラーを付けると

 歩道では歩行者と 接触しやすくなるという声もあります。

 自転車の幅は 55センチ程度ですが、 道交法では 60センチ以下とされています。

 ミラーを付けるには 注意が必要です。

 警視庁は、 自転車は あまりスピードが出ないので、

 安全確認は黙視で済む という見解です。

 でも 高齢者は振り返ると バランスを崩すこともあります。

〔 以上、 読売新聞より 〕

 今の自転車は 決してスピードが出ないものでは ないと思います。

 僕自身、 走りながら後方確認するのは 簡単ではありません。

 昔はバックミラーを付けていたし、

 先日100円ショップで バックミラーを見つけたので、 購入しました。

 その場でハンドルに付けて、 走りながら 位置や向きを調節しましたが、

 自分の腕ばかり映ったり、 なかなか後ろが うまく見えません。

 動かしていると、 装着部のプラスチックが 簡単に割れてしまいました。

 まるで使い物にならないので、 店に戻って 返品してもらいました。

 今度は自転車屋で ミラーを探してみようと思います。
 

「境界に生きた心子」  映像化の相談

2010年09月20日 22時43分14秒 | 「境界に生きた心子」
 
 「境界に生きた心子」 を原作として 映像化することが、

 僕の悲願になってきています。

 僕は ネットを介した シナリオライターのグループに 属していますが、

 このグループは 長らく休会状態でした。

 先日 数年ぶりにミーティングが開かれ、

 僕は  「境界に生きた心子」 の企画案を提出しました。

 特に 主宰者の人が 関心を持ってくれ、

 何人かのプロデューサーや制作会社に 拙著を紹介してもらえることになりました。

 まだ作品化の企画というより、

 料理の仕方があるかどうかなどの  “相談” の段階です。

 関心を持ってもらえなければ、 相談にも乗ってくれないでしょうが。

 ただ 今までは、 このグループのサイトに 企画の募集がかかったときに、

 応募していたくらいで、 この頃は その機会も少なくなっていました。

 その他のコネクションもなく、

 作品化へ向けて どう動けば良いのか 分かりませんでしたが、

 グループの人に 色々アドバイスをもらいました。

 作品の実現には、 人の繋がりが とても大事なのですね。

 もちろん 作品が良くなければ 企画は通りませんが、

 企画を見てもらうには、 信頼のある人間関係が 非常に力になります。

 今回は まだどうなるか 全く分からないにしろ、

 何か得るものがあればと 思っています。

 もしも何か 実現に繋がっていくようなものがあったら、

 とてもラッキーなことですね。
 

自転車運転の問題 (2)

2010年09月18日 21時26分01秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 クイズ形式のものもあったので、 それも書きましょう。

Q1. 自転車と歩行者が ぶつかった場合、 損害賠償はどうなる? 

Q2. 中学生が運転する自転車が おばあさんにぶつかり、 後遺症が残ってしまった。

 中学生には財産はなく 支払えないので、 親に損害賠償請求しようとしたが、

 これは認められるか? 
 

答.

A1. 自動車の場合は 自賠責保険があり、

 加害者が 責任がないことを証明しないかぎり、

 自動車側が 責任を負わなければなりません。

 しかし 自転車事故の場合は、

 被害者が加害者の 過失を証明しなければならないそうです。

 被害者は 警察に通報して 実況検分をしてもらうか、

 目撃者を探すなどしなければなりません。

 ただし、 歩道上の事故だった場合は、

 原則として 歩行者に過失はないということになります。

 歩道は歩行者のものであり、 自転車のものではないからです。

A2.親に請求することは 認められません。

 中学生に責任を認めるかどうかは 難しいところで、

 判例も分かれているということです。

 最近はようやく、 親への賠償請求は 認められないという傾向になってきたそうです。

 中学生は大人と見て、 本人が稼げるようになってから 賠償します。

 しかしそれまでは 取り立てができないので、

 「TSマーク付帯保険」 のような 保険の法整備が急がれます。
 

自転車運転の問題 (1)

2010年09月17日 20時28分58秒 | Weblog
 
 ちょうど先日、 テレ朝の 「スーパーモーニング」 で、

 自転車運転の盲点や 注意点などについてやっていました。

 車には免許証があって ドライバーは勉強をしますが、

 自転車に乗る人は 誰も勉強はせず、 交通法規など知りません。

 自分は歩行者だと 思っている人もいますが、

 自転車は 「車両」 であり、 車道を走るということも知りません。

 自転車に乗る人を 社会として教育する制度が 必要だと訴えていました。

 また、 車両と規定している以上、 自転車道路の整備の必要があると、

 大沢弁護士は言っています。
 

 例えば、 自転車が事故を起こして、 多額の賠償をしなければならず

 自己破産してしまったら、 被害者も救われなくなってしまいます。

 それに備えて、 車の自賠責保険に代わるものとして、

 自転車には  「TSマーク付帯保険」 というものがあるということです。

 自転車の点検整備をすると (1000円~2000円)、

 「第2種TSマーク (赤マーク)」というものを 貼ってくれるそうです。

 (1年間有効)

 これで 自転車に保険が付き、

 最高限度額2000万円までの 保険金が出るのだそうです。

(次の記事に続く)
 

危ない自転車運転 (2)

2010年09月16日 21時10分06秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

○ ベルを鳴らしてるのに 無視する女。

 僕の前を 斜め横断していく 女がいたので、 ベルを鳴らしました。

 女はちらっと こちらを見かけましたが、 そのまま歩いていきます。

 当然これも あわやぶつかりそうになり、 ぎりぎりのところで 急ブレーキ。

 女は少しも悪びれず、 尻上がりの口調で 「ごめんなさい」 と。

 さすがの僕も、  「よく聞いてろ!」 と言ってやりました。
 

○ 青信号の横断歩道に、 さらに進んでくる車。

 大きな交差点の 信号が青になり、 左側の横断歩道の端を 僕は渡っていきました。

 1台の車が 横断歩道に割り込んで 止まっていて、

 僕が 車のボンネットの鼻先 すれすれを進んでいくると、

 車はいきなり 20センチほど前に出てきたのです。

 反射的に急ブレーキをかけ、 自転車の後輪は浮き上がりました。

 運転席の親父は、 不貞腐れたような顔で こちらを一瞥。

 σ (`ε´) 思わず ボンネットを拳固で叩いてやりました。
 

○ 脇道から 飛び出してきた野郎。

 小さい交差点で 僕が広い方の道を 走っていくと、

 脇道から 自転車が飛び出してきました。

 ぶつかるのは避けられましたが、

 男は 「ばーか」 と 吐き捨てて走っていきました。

 こういう輩は そのうち必ず、 交差点で 衝突事故を起こすでしょう。

 本人が怪我をするのは 良い薬になるというか、

 痛い目に合わなければ 分からないでしょうが、

 他の人が被害を受けるのは いたたまれません。
 

危ない自転車運転 (1)

2010年09月15日 22時16分32秒 | Weblog
 
 自転車に乗っていると、 他の自転車や歩行者などで、

 かなり危ない行為をする人が 目立ちます。

 まず 自転車で右側通行をする人が 非常に多い。

 自転車は左を走るということを 知らないのか、 そういうことを考えていないのか。

 僕は通勤のとき 幅5~6メートル位の道路を ずっと走っていくのですが、

 こちらが左を走っていると 正面衝突しそうになったり、

 非常に 通行の邪魔になります。

 この前は、 自転車で左を走っていたおじさんが、 右を走っている自転車に、

 左を走れと 大きな手振りで示していたのに、 全く意にも介さず 走っていきました。

 飛び出しをする おばさんの歩行者も結構いますね。

 確かに僕だって、 決して 模範的な運転者ではありません。

 細い道ならば、 赤信号でも渡ったりもします。

 ただし、 スピードをゆるめて、 自動車や人がいないことを しっかり確認します。

 けれども最近、 随分非常識な人たちが 頻繁にいたので、 いくつか書いてみます。
 

○ 目の前を 左折していった奴。

 僕が自転車で走っていると、 後ろから自転車が 僕の右側を追い抜いていき、

 その直後 僕の目の前で左折しました。

 衝突寸前、 「危ない!!」 と叫んで急ブレーキ。

 僕はバランスを崩しましたが、 そいつはちょっと 後ろを振り向きかけて、

 そのまま走り去っていきました。

 これは本当に信じられません。

 右側を追い抜いて 左に曲がれば、 ぶつかるのは 余りにも理の当然。

 何を考えているのか、 全く分かりません。

 見ていたおじさんが、 心配そうに 僕に 「大丈夫?」 と声をかけました。

(次の記事に続く)
 

「親と子が会えない」 (5)

2010年09月12日 20時35分36秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 小田切教授は語っています。

 離婚が 子供から安心感を奪う。

 精神的, 経済的に苦しみを与える。

 親に会えないと、 親から愛されていない、 いらない子だったんじゃないかと、

 自己肯定感が低くなる。

 親から愛されない自分なんか、 誰からも愛されないと。

 親は、 子供に悪影響があると思い、 よかれと思って 相手親に会わせない。

 しかし子供は、 両方の親から愛されているという 体験が必要。

 面会交流は 子供の権利、 親は保証する義務がある。

 暴力がある場合は 考えなければならないが。

 子供は 同居している親に 全面的に頼っているから、

 親の機嫌を損ねてまで、 離れた親と会いたいと 言えない。

 子供の言葉は 本音とは限らない, 額面通り取らないこと。
 

 夫婦の問題と 親子の問題を 切り離して考えるべき。

 夫や妻としては 問題があったが、 親としては問題がない 場合もある。

 離婚しても、 親として何ができるかを 考える必要がある。

 親と会える環境を 作ることが大事。

 今は単独親権制度だが、 離婚しても、

 元夫婦が 親として責任を持って 子育てに関わる制度に 変えていく必要。

 欧米では離婚する前に 養育計画を提出しないと、 離婚が受理されない。

 養育計画を、 夫婦としてではなく 親として作っていくプロセスが 意義がある。

 共同親権まで行くのは 難しい家庭もあるが、 まずは共同養育。

 共同して 子育てをしていく仕組みに 変える必要がある。

 離婚 = 家庭崩壊ではない。

 子供にとって 一番よくない離婚は、

 夫婦の対立関係に 子供が巻き込まれたり、 面会交流ができないこと。

 これが解消できれば、 子供への悪影響は避けられる。

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕
 

「親と子が会えない」 (4)

2010年09月11日 20時06分07秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 両親の離婚によって 片方の親に会えなくなった 子供たちが、

 ネット上にサイトを 立ち上げているそうです。

 親に会えないことで、 自分は愛されていないと思って 傷ついている、

 次のような実態が 書き込まれています。

 何で愛情がもらえないのか、 悲しくて口惜しい。

 誰からも 愛されている実感が持てない。

 いつ捨てられるのか 恐怖が離れない。 生きているのが辛い。

 
 片方の親との関係が 途切れたことで、

 同居している親とも うまくいかなくなったという ケースもあります。

 母親が再婚し、 実の父親を お父さんと呼んではいけない と言われた。

 お父さんじゃないと 言われ続けて、 洗脳された。

 母親に養われているので、 お父さんじゃないと思わなきゃ ダメなんだと思った。

 他人として接しているうちに、 実の父親とは 疎遠になる。

 父親との関係が壊れたのは 母親のせいだと感じ、

 母親とも うまくいかなくなっていった。

 どちらの親とも 良い関係が築けなかった。

 将来、 自分が家庭を持つことを 想像できない。

 家庭というものが分からない, 深い家族関係が想像できない。
 

 また、 一方の親との関わりがなくなって 自分を見失い、 苦しむ子供もいます。

 同居している母親とは 性格が合わず、 喧嘩ばかり。

 自分の考えや悩みが 母親に理解されず、 否定され続け、 自分を追い込んでいった。

 自分はダメな人間だと 思い込む。

 自分は価値がないと 自暴自棄になり、 行き当たりばったりに生きてきた。

 父親と 10年ぶりに会って、 夜を徹して話した。

 考え方が何からそっくりで、 自分にプラスになることが 一杯あった。

 自分は お父さんに似てるから こうなんだと、 分かっていれば苦しまなかったのに。

 この性格は 自分の個性なんだ、

 父親と似ていたから 母親から否定されたんだと 気付いた。

 父親と親子関係を続けていたら、 こんなに苦しまなかった。

(次の記事に続く)

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕
 

「親と子が会えない」 (3)

2010年09月10日 20時34分51秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 子供と離れて暮らす親たちが グループを作って、 子供に会う権利を 訴えています。

 子供も会いたがっているのに 会えないのはおかしい、 という訴えです。

 グループの ある父親は こう言っています。

 妻が会わせてやってもいいと 言ってくれるのを、

 ひたすらお願いして 待つしかない。

 一度連れ去られてしまうと、 それだけ立場が弱い。

 妻の両親 立ち合いの下で、 子供との面会が許された。

 その日の別れ際、 子供は パパと別れたくないと泣きじゃくった。

 その娘の気持ちに 応えてあげられないのが悲しい。
 

 離婚した親や子供たちの 支援活動をしている、

 小田切教授は 次のように述べています。

 子供に会えない親は 生きがいを失って、 うつ状態になる。

 親権を持てない 母親の場合、

 相当酷いことをしたんじゃないかと 周囲から思われて、 精神的に追い詰められる。

 15年前は、 離婚した母親を、 経済的, 精神的に支えるのが 仕事だった。

 最近は 育児に積極的な父親が、

 離婚しても子供に関わっていきたい, 子供の成長を見守りたいと 望んでいる。

 共働きの夫婦が増え、

 子育ても家事も 協力してやっていきたいという 家庭が増えたが、

 制度は明治以来の 単独親権制度で、 現状に合っていない。

 面会交流は 法律で規定されていないのが問題だ。

(次の記事に続く)

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕
 

「親と子が会えない」 (2)

2010年09月09日 20時39分42秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 別れて 親権を持たない親が、 如何に弱いかを示す 例があります。

 ある父親は、 離婚後も 子供と自由に会えるという 条件に念を押し、

 離婚届にサインをした。

 ところが、 母親は離婚した途端に 約束を反故に。

 父親は、 息子に会わせることを 何度も申し入れる。

 親権を持つ母親は、 子供の面倒は 自分が見ると拒否。

 父親は裁判で1年争い、 1ヶ月に1回 6時間会うことが認められる。

 母親は この決定に従わず、 父親は再度 訴えを起こす。

 裁判所は、 子供と会わせるよう 母親に命令。

 母親は、 子供のためにならないと言って 従わない。

 父親は、 約束を守らなければ罰金を払うよう 裁判所から命令してもらうが、

 それでも会えない。

 最後の手段として、 損害賠償請求の裁判を起こす。

 更に高い金額を 求めることで、 考えを改めてもらいたかった。

 お金が目的ではない。 そこまではやりたくなかったが、 他に方法がなかった。

 ということです。
 

 子供を引き取った親は、 何故 会わせようとしないのでしょう? 

 別れた親に会わせると、 自分と子供との関係が うまくいかなくなるという、

 次のような 答が多いのです。

 別れた父親が、 母親である私のことを、 子供に悪く言う。

 面会交流のあと、 子供のわがままが目立つ。

 最近 パパのほうへ 行くと言って、 母親の顔色を うかがうようになった。

 暴力や虐待の恐れがある。

 一方、 子供との面会を 認めることを条件に 離婚したが、

 会わせるのが不安だと言う 母親もいます。

 父親による 子供の連れ去りの心配がある。

 会った子供を ちゃんと返してくれるのか。

 すぐに怒鳴る父親と 会うと、 悪い影響が出るのではないか。

 などです。

(次の記事に続く)

〔 NHK 「クローズアップ現代」 より 〕