「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

液晶ディスプレイの不具合 (8)

2013年02月25日 23時04分21秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 消費者センターに相談すると、

 法的には メーカーは交換, 修理という対応になるが、

 モニターを購入した店 (ビックカメラ) にも 協力してもらい、

 返品を要求してもらってはどうか と言われました。

 ビックカメラには以前、 すげない対応されたことがあったので 心配はありましたが、

 電話してみると 真摯に話を聞いてくれました。

 すぐASUSに連絡してくれ、

 こんなことでは うちも安心して販売することができないと 訴えてくれたそうです。

 そして、 とうとう 返品されることになったのです。  (^○^)/

 今度は ASUSの営業の人から電話があり、

 モニターを引き取ってから 僕の口座へ返金するということに。

 でも 今までASUSは 約束を守った試しがない (!) ので、

 先に返金して欲しいと 伝えました。

 すると、 宅配業者がモニターを引き取る時に、

 金額分の商品券を渡すのでどうか という提案。

 (現金の手渡しは 会社の会計処理の関係で 難しいとのこと。)

 でも商品券は 使えない店があったり、 カードのポイントが付かなかったり、

 色々不便があります。

 やり取りした結果、

 モニターの金額に 1割ほど上乗せした商品券で という話にまとまりました。

 最後にやっと 話が通じた次第です。

 (でも今まで さんざっぱら被害を受けながら、

 その代償が1割の増額だけか とも言えますが。)

 そして、 今度は 期日通りに宅配業者が来ました。

 ところが、 20~30センチ四方の 段ボールを持ってきています。

 その場で 段ボールを空けて見ると、 緩衝材が一杯入っていて、

 中からは 確かに商品券が出てきました。

 全く最後の最後まで、 この会社のすることは理解できません。 (- -;;)

 先立って 新しいモニターも購入しました。

 店の人に聞くと、 ASUSのような海外のメーカーは、 在庫が国内になかったり、

 アフターケアが不十分だったりする ということで、

 今度は海外メーカーだけはやめ、 日本のものにした次第です。

 これでようやっと、 騒動が落着しました。

 3ヶ月もかかってしまった 犯罪的不始末の顛末でした。
 

液晶ディスプレイの不具合 (7)

2013年02月24日 21時31分11秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 その後も Fから電話がかかってきて、 2台目のモニターを 返してくれと言います。

 しかし 3台目も使えなくなるかもしれないのだから、

 2台目はまだ置いておく と言うと、 

 「お客様、 それは約束が違います」

 「どっちが約束を破ってるんだ ??!!」

 また受話器を叩きつけました! σ (`ε´)

 3台目も交換してくれと 僕が言うと、 

 「いえ、 もう3回目ですから (交換はできません)」

 「(3回も不良品を繰り返してるから)

 だからあんたとこは信用できないんだ !!!!」

 我慢ならず電話を切りました。

 先日のブログに、

 「(ボーダーの人の) 怒りや批判を取り除く」  という記事を書きました。

 「怒りを沈める一番の方法は、 相手の感情を認めることです。

 それで こちらの過失を認めたことにはなりません。

 気遣いを示すことになるのです。」

 これは要約して書いたものですが、

 実は原文は 企業の顧客サービスを例に取って 書かれたものでした。

 顧客の怒りを認めるのが 会社の気遣いだというわけです。

 ところが  “最高責任者” だという輩が、

 この基本中の基本を わきまえていないというのは、

 全くもって 何たる体たらくなのでしょうか。

 Fは性懲りもなく 再三電話をよこし、

 その度に僕は 憤りで電話を切ることになりました。

 そしてやっと 別の人間から電話がきて、 話ができましたが、 僕は返品を要求。

 4台目に交換しても、 それが良品だと 信用しろと言う方が もはや無理だし、

 この先もトラブルが起きて、 また電話で 不愉快きわまりない対応をされるのは

 堪ったものではありません。

 でも先方は やはり返品はできないという返答です。

(次の記事に続く)
 

液晶ディスプレイの不具合 (6)

2013年02月23日 21時06分44秒 | Weblog
 
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/63157257.html  からの続き)

 (以前に下書きしたまま アップし遅れていました。)

 劣悪会社ASUS (エイスース) の パソコンモニターが初期不良で、

 1ヶ月半かかって やっと交換。

 ところがその2台目も 再び全く同じ不良品で、 再交換することになっていました。

 ただし今までの経緯から、 3台目が正常だとは信用できないため、

 3台目の動作確認をしてから、 2台目を返却するということにしました。

 (3台目が使えず、 手許にモニターがなくなると困るので。)

 けれども 約束した配送日時の2日前に モニターが届き、

 配送業者には 上記の取り交わしが全く伝わっていません。

 とにかく 2台目は置いていってもらいました。

 当初の問題点だった メニュー項目の不具合は、 まだ問題がありましたが、

 取説が付いておらず、 修正方法がさっぱり分かりません。

 パンフレットにある サポートセンターに電話すると、

 「現在この番号は使われておりません」 と。

 いやしくも ひとつの会社の問い合わせ先が 間違っていたのです。

 何とか連絡を取ることができましたが、

 一悶着も二悶着もあった末、 問題点はやっとどうにか解消。

 ところがその後、 モニターが突然真っ黒に。

 2台目に取り替えたら モニターは点き、

 もう一度3台目に戻すと、 何故か点きました。

 従って素人考えでも、

 原因はパソコン本体ではなく、 3台目のモニターの可能性が 高いと考えられます。

 (念のため パソコンのメーカーにも問い合わせましたが、

 やはり モニターの原因の可能性が高いと。)

 にも拘らず 電話に出たASUSの担当者Fは、

 モニターに問題はないと 言い切るのです。

 こちらの言うことは 端から耳に入れず、 頭に来て 受話器を叩きつけました!!

 こんなことをしたのは初めてです。 σ (`ε´)

 「お客様、 お客様。 お客様は感情的になっておられます。」

 誰が感情的にさせてるんだ !!?

 あんたでは話にならないから 他の人に代わってくれと言うと、 

 「それはできません。 何故なら 私が最高責任者だからです」

 こんな不とどきな人間が 最高責任者になってる会社は、

 ますます信用なりません。

(次の記事に続く)
 

心療科受診 (2)

2013年02月21日 22時12分43秒 | 介護帳
 
(前の記事からの続き)

 ドクターが言うには、当面は職場の異動が 即効性のある方法で、

 異動までは勤務日数を減らすなど 無理をしないのがいい。

 そして今後のことを 長い目で見れば、

 ストレスがあっても それを発散する方法 (運動や散歩など) を

 身に付けるようにとのことです。

 職場で 不愉快なことを言われたときの 対応法を尋ねたら、

 受け流すようにと。 (・_・;)

 相手を変えることはできないから、

 そういう人なのだと思って 拘らないことだといいます。

 でも受け流すだけでは 人間関係の改善は 望めないと思います。

 それでストレスを溜めないことが すぐできるわけでもありません。

 僕は今 エンカウンターやマインドフルネス

 (自分を見つめ、 コミュニケーションにも繋げる) を受けていますが、

 それはそれで 学んでいくのがいいでしょう。
 

 職場復帰についてですが、 僕としては、

 同じ施設内のデイサービスへ 異動を希望していました。

 ところが、 会社の話を聞くと、 デイサービスに 欠員の見通しはないのだそうです。

 しばらく 今のグループホームで辛抱すれば 異動可能かと思っていましたが、

 心づもりが外れてしまいました ……。

 また グループホームでは、

 9人のスタッフのうち2人が 2月一杯で退職するのだそうで、

 3月からは厳しい状況にあります。

 結局 2月末から、 前より勤務日を減らして 復帰することになりました。

 当面の心配ごとには 対応してくれるといいます。

 展望は開けませんが、 様子を見てやっていくしかありません。
 

心療科受診 (1)

2013年02月20日 21時53分24秒 | 介護帳
 
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/63174080.html  からの続き)

 職場のストレスで 記憶力が低下するなどの 症状が出て、

 心療科を受診することになっていました  (12月下旬の話です)。

 心療科などは 予約がずっと先まで入っているので、

 初診は1ヶ月後の 1月末になってしまいました。

 会社からは、 診断が出るまで 仕事を休むように言われていました。

 必要以上に休んでいるので、 今は何も支障はありません。

 初診の時は 問診だけで診断はなく、 心理検査の用紙を2種類渡され、

 自宅で記入してくることに。

 ひとつは、 簡単な設問に対して

 「そう思う」 か 「そう思わない」 に ○を付けるもの。

 もうひとつは、  「私の知りたいことは」 ,「争い」 などの言葉の後に、

 自分で文章を続けて書くものです。

 記述式の検査に 時間がかかってしまいましたが、

 それを提出して、 次の診察 (診断) は2週間後に。

 (それまで仕事は 引き続き休みです。)

 そして一昨日、 その診断を聞きに行ってきました。

 結果は、 人間関係が苦手で、

 職場でのストレスを抑圧して 記憶力,集中力などの症状に出てきたということ。

 病的なものではなく、

 ストレスを発散するため 運動などをするようにと言われました。

 当たり前と言えば 当たり前の結果で、 薬も治療も必要ないということです。

 ただ僕は、 職場での人間関係や仕事を 実際とても苦痛に感じていたわけで、

 ストレスを抑圧 (無意識化) していたのではないと 思いますが、

 「(当初) まだ大丈夫と思っていたのも 抑圧か」 と聞いたら、 そうですねと。

 また仕事以外に、  「BPD家族会」 やカウンセラー養成講座、

 ブログやミクシィ、 映画など、 集中できる好きなこともしているのですが、

 しかし どれも座っていることなので、 体を動かすのがいいそうです。

 (きつい運動で鍛えるのではなく)

(次の記事に続く)
 

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2013年02月19日 20時13分33秒 | 「BPD家族会」
 
 「自死遺族のスティグマ」 という シンポジウムも聴きました。

 自死は死の中でも 特別なもので、 否定的に見られてしまいます。

 弱い人間の逃避, 大切な命を無駄にした, 止められなかった遺族の責任など、

 様々なスティグマがあります。

 遺族自身の中にも スティグマは存在し、

 罪悪感や恥のため人に話せず、 ますます孤立し 苦悩は深刻化してしまいます。

 発表者の遺族も、 息子の自死から半年間の 記憶がないと言いました。

 自死は  「封印された死」 「抑圧された死」、

 さらに 「劣位の死」 ともされています。

 僕は、 かつて自分自身が 自殺の一歩手前まで行った 大挫折の体験があり、

 死に向かわざるをえない人の 懊悩を否認することはできません。

 心子の旅立ちも、 これでやっと彼女は 苦しみから開放されたのだという

 “救い” さえ感じました。

 そして僕も心子の最期を、  「自殺」 ではなく  「自死」 と表現してきました。

 自死遺族の会でも、 公的文書での 「自殺」 という言葉を、

 「自死」 に変えようという 活動をしています。

 それによって、 自死について 語りやすい社会になり、

 遺族の苦しみが軽減され、 対策も立てられるといいます。

 ところが、 これに疑義を唱える 意見がありました。

 「自死」 という言葉にすると、 自殺のネガティブなイメージは 和らげられますが、

 そのことによって、 死ぬことへのハードルが低くなり、

 連鎖自殺や幇助自殺を 呼び込む可能性があるというのです。

 僕も今まで 気付きませんでした。

 確かに  「自殺」 という言葉の 抑止効果はあるのだろうと思います。

 しかし シンポジストの一人は、 それらを充分に考えた末、

 「自死」 という言葉に込められた想いを 選んでいるという意見でした。

 失われた命を尊び 遺族の再生を願うことと、

 これから失われるかもしれない 命を救うこと。

 そのふたつの調和を、 考えていきたいと思います。
 

アンチスティグマ学会 (3)

2013年02月18日 20時21分34秒 | 「BPD家族会」
 
 現在、 精神医療で 「家族会」 というと、

 ほとんど統合失調症 (またはうつ病) の 家族会のことを指します。

 全国で 精神障害者の家族会の数は  (メモし損ねてしまいましたが) 千数百、

 会員は10万人以上です。

 それに比べると、  「BPD家族会」 は

 専門家の間でも 存在すらまだ知られておらず、 規模も実に微々たるものです。

 他の家族会の活動の話などは 参考になりましたが、

 これから始まる 道のりなのだと感じました。

 また、 精神障害者自身の中にある スティグマも言及されていました。

 自分が統合失調症である 一人の発表者も、 当事者同士の間で、

 病名や症状で差別し合う  「相互スティグマ」 があるということを戒めていました。

 一方その発表者は 別のシンポジウムで、

 当事者がカミングアウトすれば 差別は少なくなってきた、

 ということも述べていました。

 それも事実だと思いますが、 ところがその人は、 友人から

 「あなたは恐くない。 恐いのは 突然キレたり暴力を振るう人だ」

 と言われたというのを、 差別されなかったことの 引き合いに出していました。

 BPDの人は突然キレたり 暴力を振るったりすることがあるわけですが、

 この発表者は そのことが頭にありません。

 相互スティグマを訴えている 当の本人が、

 BPDの人は恐いと 言っていることに気付かない

 スティグマを持っているということを、 目の当たりにさせられました。

 精神障害者に対する 根深いスティグマ、 いわんやBPDをや、 です。

 BPDの理解の普及、 スティグマの解消は まさしくこれからです。
 

アンチスティグマ学会 (2)

2013年02月17日 20時52分33秒 | 「BPD家族会」
 
 「スティグマ」 の語源は、 ギリシャ語で、

 奴隷や犯罪者の体に 刻印された徴 (しるし), 烙印のことです。

 現在は 社会的に貼られた ネガティブなレッテルで、 偏見, 差別を意味します。

 偏見は  「知らない」 ということから生じ、

 人間は 知らないことに対して 不安や恐れを感じますが、

 それ自体は 生物的な自然な感情です。

 でも 情報を見聞きしたり、 実際に そういう人に接することで、

 スティグマは改善されていきます。

 最近 うつ病や精神障害に関する 書籍も増え、

 新聞やNHKでも精神障害が 随分取り上げられるようになり、

 重大事件の犯人が 精神病の通院歴があるなどの報道は 減ってきたと思っていました。

 しかし アンチスティグマ学会の発表を聞いて、

 精神障害に対する偏見は まだまだ根強いのだということを、

 改めて認識させられました。

 例えば、 精神障害者の雇用が 企業に義務化され、 雇用率を満たすようになっても、

 実際には 職場で仕事を与えなかったりし、

 逆に 障害者は何もできないという 偏見が助長されているともいいます。

 あるデータによれば、 統合失調症のことを知らないという人は 65%に上り、

 一般の人の 精神障害に対する ネガティブなイメージ (怖い, 暗いなど) は、

 この10年間で 変わっていないということです。

 また、 精神の障害のために 重大な犯罪を犯してしまった人の

 社会復帰を目的とする  「医療監察制度」 も、

 そもそもは 池田小学校殺傷事件をきっかけに制定され、

 見切り発車されたものだそうです。

 精神障害者は危険だという 発想に他なりません。

 けれども、 学生が精神障害の授業を受けると、

 それらの無知や偏見は 目に見えて減じます。

 知るということが 非常に重大で、

 教育やメディアの力が大きく、 今後の改善が 強く期待されます。
 

アンチスティグマ学会 (1)

2013年02月16日 22時46分10秒 | 「BPD家族会」
 
 2月12~14日、

 「第6回 世界精神医学会アンチスティグマ学会」 というものが

 永田町で開催され、 聴いてきました。

 精神障害に対するスティグマ (偏見, 差別) を 是正していこうという学会で、

 医療者, 福祉関係者, 精神障害当事者, 家族, メディアなど、

 色々な立場の人たちが 講演, シンポジウムを行ないました。

 当 「BPD家族会」 からも 会の代表が シンポジストとして参加し、

 家族の苦労について発表しました。

 精神医療の専門家でも まだ理解が乏しいBPD、

 さらにその家族の苦しみを 訴えた内容で、 とても心に沁みる発表でした。

 周囲の無知や偏見は元より、 BPDは 医療者にもスティグマがあり、

 ただでさえ 辛くて孤立している家族が、

 医療者の心ない言葉に ますます傷つけられる労苦を 訴えていました。

 でも5年前に比べれば、 BPDを扱う 本やドクターも増え、

 家族会の参加者も増えてきたと、 展望も述べていました。

 また、 「BPD家族会」 の参加者たちの 協力のもとに行なわれた、

 アンケートの結果を集計した 発表も行なわれました。

 BPD家族に対する調査は 初めてだそうで、 貴重なデータだと思います。

 家族の多くが 不安障害を抱えているなど、 隠れた事実も明らかになりました。

 BPDの人に向き合うには まず、

 家族が自分自身を 大切にしなければならないということです。

 アンケートの結果は、 今後も公開していくそうです。

 BPDや家族に対して、

 医療, 福祉などの援助が もっと得られるようになることが望まれます。

 様々なスティグマを抱える 精神医療にあっても、

 とりわけスティグマが強い BPDですが、 そんな中で今回の学会において、

 「BPD家族会」 の 発表の場が得られたのは 貴重なことでもあるでしょう。

 これをひとつの契機として、 BPDの実情が伝わり、

 誤解や偏見が少なくなっていくことを 願ってやみません。

(次の記事に続く)
 

相手の怒りや批判を 取り除くためのテクニック

2013年02月12日 20時51分08秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 相手への批判を取り除き、 あなたの力を高める 言葉を使うときには、

 誠実な態度で, 自然に, 中立的な立場で話してください。

 軽薄な感じになったり、 相手をやり込めたりしないように。

 相手がどう反応するか 分からないのですから。

・ 話の一部に同意する

・ 相手の批判が 正しいかもしれないと認める

・ 批判にも それなりの意見が含まれていると認める

・ 適切なユーモアを使う

 まず危険でない状況で 練習してください。

 何が起ころうと、 自分の努力を称えてください。

                   *

 これまで述べてきたことを 確認するため、 以下のことを 理解しておいてください。

・ 何が ボーダーの人の行動の 引き金になるのか

・ ボーダーの人がどのように あなたに、 恐怖, 義務, 罪悪感をもたらすのか

・ 自分の境界を持つことが、 いかに二人の関係に役立つか

・ あなた自身の境界

・ 境界を設ける際の問題は、 「権利」ではなく、

 あなたがどう扱われたいかという  「気持ち」 である

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

怒りや批判を取り除く (4)

2013年02月11日 21時09分32秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

《 攻撃や操作への対応 》

 これまでの対応で うまくいかない場合もあります。

 ボーダーの人が 話をそらそうとするからです。

 あなたは攻撃されている, 操作されていると感じるかもしれません。

 人は 子供の頃に 身に付けたやり方で、 批判に反応します。

 それには  「4つの禁止事項」 があります。

 弁護, 否定, 反撃, 引きこもりで、 これらの反応は避けましょう。

・ 弁護しない

 自分が間違っていなくても、 それを証明しようとすると、

 自分をばからしく、 子供っぽく感じるものです。

・ 否定しない

 「そんなことしてない!」  「お前もしただろ!」 と繰り返すと、

 やはり子供っぽく感じるでしょう。

・反撃しない

 議論に勝とうとしたり、 感情を吐き出すために、

 ボーダーの人に 仕返ししようとするかもしれません。

 そうすると、 投影や投影性同一視の罠に はまり込みます。

・ 引きこもらない

 弁護も否定も反撃も うまくいかないと、

 引きこもったり、 だんまりを決め込む人がいます。

 攻撃されたとき、 その場を立ち去るのは 悪いことではありません。

 でも 相手の批判を受け入れて、

 受け身になり、 沈黙するのは、 あなたを傷つけることになります。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

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2013年02月10日 20時43分10秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

《 境界性パーソナリティ障害に特異な コミュニケーション方法 》

 マーシャ・リネハンは 以下のように言っています。

・ 言いたいことの焦点をそらさない

 あなたが 相手の微妙な領域に 触れたために、 相手は話題を変えるかもしれません。

 落ち着いて自分の論点を守り、 あとで 別の問題に移ってください。

・ 話は簡素に

 センテンスは短く、 簡潔に、 明確に、 直接的にしてください。

 誤解の余地のないように。

・ 二人の関係に適切な、 ポジティブなフィードバックを

 あるボーダーの人は、

 「幸せになれる可能性を 探そうと頑張っているのに、

 私の個性や成長を 認めようとしてくれない」  と言っています。

・ 質問する

 解決方法を訪ねてみてください。

 「私たちはここで 何をすべきだと思う?」

・ 自分の 非言語的コミュニケーションを意識する

 落ち着いて、 はっきりと、 自信を持って話してください。

 要求を述べるときは、 言葉尻を上げないでください。

 「尻上げ口調」 は 言おうとすることを不明確にします。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

怒りや批判を取り除く (2)

2013年02月09日 21時12分04秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

《 パラフレーズと再帰的傾聴 》

 「私」 を主語にして話しましょう。 ( 「I」 メッセージ)

 あなた自身の 感情や動機について話し、

 相手にも自身の 感情や動機を話してもらいましょう。

 ボーダーの人にとって、 自分が認められないと感じることは、

 感情反応や行動の引き金になります。

 「私」 を用いて話せば、 引き金を引かずに済みます。

 自信を持って、 気後れしないように言ってください。

 「私」 を主語にして話すと、 人は防衛的でなくなり、

 解決策を見いだすことに 積極的になります。

 しかし ボーダーの人の場合、

 「私は」 と言っても  「あなたは」 と受け取ることが あるかもしれません。

 時間をかけて 理解してもらいましょう。

・ 要点を言い換える (パラフレーズ)

 相手の感情や論点を、 別の言葉で 分かりやすく言い換えることで、

 理解したい気持ちを示せます。

 彼らに同意する必要はありません。

 相手の怒りを沈める 一番の方法は、 相手の感情を認めることです。

 それで こちらの過失を 認めたことにはなりません。

 気遣いを示すことになるのです。

・ 解釈は控える

 相手の言うことを 解釈しないようにしてください。

 解釈は相手を怒らせ、 防衛的にします。

・ 中立的な立場で観察する

 相手がどのように感じていると あなたが思っているか、

 相手に伝えるのが  「再帰的傾聴」 です。

 人の感情に異議を唱えても 意味がありません。

 相手の感情を 中立的に観察するのは、

 相手の心を開かせ、 余裕を持たせる良い方法です。

 「すごく怒っているのね」  「とても悲しそうだね」 と 表現してもいいでしょう。

 相手の感情が はっきりしないときは、 質問してみたほうがよいかもしれません。

 必要以上に 探るようなことはしないでください。

 感情を分析するのではなく、 相手が感情を表現できるように 手助けするのです。

 相手があなたを 批判しているときには、 再帰的傾聴は難しいかもしれません。

 でも あなたが落ち着いていれば、

 相手は蒸気を放出させて、 気分もよくなるでしょう。

 感情を自由に表現させることで、 寛容さを伝えたことになります。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

怒りや批判を取り除く (1)

2013年02月08日 22時03分04秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 これから述べる 怒りや批判を取り除く方法を、 生活の中で 実践してみてください。

 最初は BPDでない人と練習しましょう。

 実際の場で それを忘れたとしても、 気にしないでください。

 訓練された専門家でも 難しいのです。

 わずかでも前進したら、 自分を褒めてあげましょう。

○ 争わないコミュニケーション技術を用いる

 第一歩は 聞き上手になることです。

 身に覚えのないことで責められても、 防衛したり無視しないでください。

 あとで 主張する機会があります。

 相手の仕種などに 注意を払い、 感情を確認しましょう。

 傾聴は学びのチャンスです。

 傾聴の妨げになるものは、 自分の論点に夢中になること,

 相手のメッセージを 勝手にねじ曲げることなどがあります。

 傾聴していることを 示す方法としては、

 相手を恐がらせない程度に 視線を合わせる,

 体を相手に向ける, 腕を組まないなどが挙げられます。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

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2013年02月07日 21時53分23秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 愛情をもって 境界を設けるために、 5つの計らいがあります。

1) 境界を明確にする

・ 感情的なサポート, 親切を受ける権利

・ 敬意を払われ、 話を聞いてもらい 答えてもらう権利

・ 相手が違った見方をしても、 あなた自身の見方を持つ権利

・ あなたの感情や経験が 真実だと認められる権利

・ 過度の非難, 批判を受けない権利

・ 感情的, 身体的虐待を受けない権利

 自問してみましょう。

・ 何に傷つくか

・ 何に気分がよくなるか

・ 二人のために何を諦められるか

・ 腹が立つ人の行動は何か

・ 罪悪感なしにノーと言えるか

・ 身体的に、 どこまで人に近づかれても大丈夫か

・ ボーダーの人は あなたの境界を尊重してくれるか

 境界を設けることは、 一生かけて行なわれるものなのです。

2) 代償を見積もる

 境界がないことが、 どれだけの影響を与えているでしょう? 

 我々は解決できない問題を 見て見ぬふりをしがちです。

3) 結末を提示する

 ボーダーの人が 境界に踏み込んできたら、 どうしたらいいか、

 境界にふさわしい結末を 用意しておいてください。

4) 同意を計る

 できれば、 家族全員の足並みが そろっているべきです。

5) 起こりうる結果を考慮する

 ボーダーの人は境界に対して、 あなたを試し、

 事態は前より 一旦悪くなるでしょう。

 これに備えてください。

 危険な事態になったら、 専門家の助けが必要かもしれません。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕