「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

新風舎・財産状況報告集会 (1) (管財人の報告.1)

2008年07月31日 21時50分02秒 | 新風舎から星和書店へ、新たな歩み
 
 きのう 日比谷公会堂で、東京地裁主催の 新風舎破産 報告集会がありました。

 こういう会に出るのは 初めてですが、どんなものなのだろうと 参加してきました。

 参加者は 100人くらいだったでしょうか。

 裁判所の職員が大勢、会場の整備に当たっていました。

 壇上の幕が開くと、中央のテーブルに 裁判官3人と書記官、左に管財人の川島弁護士、

 そして右に  「破産者」 と書かれた松崎義行氏と 代理人が座っていました。

 神妙な面持ちで 居心地が悪そうな 松崎氏でしたが、

 「破産者」 というのは正に さもありなんということですね。

 全体で1時間半の 集会でしたが、

 前半は 川島弁護士による 財産状況と破産の経緯の説明、

 後半は 会場の参加者と管財人との 質疑応答でした。

(会場の参加者は ほとんど著者だったようです。)

 以下に その内容を記しますが、あくまでも 管財人が述べた内容です。

 また、僕には畑違いのことなので 充分に理解できていないことや、

 不正確な記述もあるかもしれませんし、納得のいっていない部分もあります。
 

 まず管財人から、新風舎,新風舎パブリッシャーズ,新風舎ホールディングス,

 および松崎氏個人の 財産目録と、破産賃借対照表の 説明がされました。

 一般債権者より優先される 財団債権に弁済されるために、

 一般債権者には 配当はないということです。

 次に、破産の責任は いずこにあるのかという説明が、管財人によってされました。

 以下のようなことでした。

 松崎氏は 自らが表現,出版に情熱を抱き、自費出版を事業化させた。

 新風舎は 共同出版という 新規の事業モデルを展開し、一時は業績も向上した。

 朝日新聞で大きく取り上げられた 反響が大きく、

 松崎氏は 宣伝や社会的信用を得ることが 重大だと認識した。

 大々的な広告や、出版賞などのイベントを拡大し、支社も増やした。

 しかし 経営技術は未熟であり、財務体質が弱く、実際の収益力は 乏しかった。

 にもかかわらず、多数の社員を抱え、一等地に 高家賃の社屋を構え、

 経営は立ち遅れていた。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55357691.html
 

「ゲゲゲの鬼太郎  千年呪い歌」

2008年07月30日 23時28分24秒 | 映画
 
 前作の 「ゲゲゲの鬼太郎」 が 大したことなかったので、

 期待していなかったのですが、今回は かなりよくできていました。

 鬼太郎が人間を助けても 何も報われないことに 嫌気が差していたり、

 単なる勧善懲悪でもなく、きれいごとでもありません。

 妖怪ぬらりひょん (緒方拳) が 人間を破滅させようとするとき、

 自然を破壊して 争いを繰り返す人間の 愚かさを述べます。

 これに対する鬼太郎の言葉、普通なら 「それでも人間には、優しさや希望もある」

 とか言うようなところでしょうが、ちょっとひねりが利いていました。

 CGも効果的で、鬼太郎の髪の毛針や 砂かけ婆のしょぼい武器も、

 スケールアップされています。

 終盤の 巨大な骸骨の化け物も 見応えはありました。

 妖怪・ぬれ女 (寺島しのぶ) と 人間 (荻原聖人) との愛情も、

 ぐっと涙を誘います。

 憎しみを抱き続けるのは 虚しいということも思わされましたね。

 それにしても、ウエンツ瑛士は どうしてもミスキャストだと思われてなりません。

                  *

 ところで、「妖怪」 というのは元来は、「起こる」 ものなのだということです。

 僕が所属している 「ユング心理学研究会」 の、

 「妖怪学」 のセミナーで聞きました。

(参考:http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29076643&comm_id=1454900)

 例えば、寝ているときに足音が聞こえる という 「現象が起きる」 とします。

 これは 「ざしきわらし」 がいるからだ、という 「名前」 が付けられます。

 足音という 「起こった現象 (=事) 」 に 名前を付けることによって、

 不思議な 「事」 を記述してきたのです。

 昔からの妖怪の話は 言葉によるものだけで、目に見えないものでした。

 水木しげるが描くキャラクターは、コミックの中だけのものです。

 在る  「コト」が、居る 「モノ」 に 成っていったということです。

 妖怪は、この世的なものと あの世的なものとが 交わる領域に現れるものです。

 「物」 と 「心」 の間にある 「事」 として現れるのが、妖怪なのだそうです。

 人間は それに名前を付けることによって 人格化し、

 相手が何者か 特定して語り合います。

 妖怪と人間の付き合いは、「事」 と 「名」 の間に あるというお話でした。
 

「帰らない日々」

2008年07月29日 20時24分50秒 | 映画
 
 「ホテル・ルワンダ」 の 監督テリー・ジョージが、

 またひとつ 心に残る映画を 作ってくれました。

( 「ホテル・ルワンダ」 :http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/28004338.html )

 突然の交通事故で、かわいい息子ジョシュを 奪われたイーサン。

 警察の捜査は進まず、しびれを切らせて 弁護士に調査を依頼します。

 ところが その弁護士ドワイトは、ジョシュをひき逃げした その張本人だったのです。

 イーサンは その事実を知りません。

 ドワイトは現在 妻と別れ、息子ルーカスと面会することを 最大の喜びにしています。

 ルーカスと 会えなくなることが恐くて、逃げてしまったのです。

 イーサンの妻グレースと 娘のエマは、それぞれに悲しみと 罪悪感を抱えています。

 しかし 父親と母親では 悲しみ方や、犯人への怒り方が異なり、

 きしみが生じていきます。

 ひとつの不幸が、また新たな不幸を 生み出していってしまう。

 何とやりきれないことでしょう。

 ドワイトも 罪責感に駆られ、自首を決意しますが、

 いざとなると 僅かなタイミングのずれで 言い出せません。

 今一歩の強さが 持てないのです。

 ふたつの家族、二人の父親が、それぞれに苦しみながら、

 崩壊の危機にさらされ、懸命に踏み出していきます。

 卑怯なひき逃げ犯が 今ものうのうと生きていることに、憎悪をかきたてるイーサン。

 真実を言い出せない 罪意識に押しつぶされそうになる ドワイト。

 やがてイーサンは、ドワイトが真犯人ではないか ということに気付きます。

 そのとき、彼が取った行動は……。

 予想できない 旋律の展開に息を呑みます。

 緊迫で胸が高鳴り、「サスペンス」 とは、

 こういうシーンのことだと 思わされました。

 そして ラストシーン。

 あともう一押しがあれば と残念でしたが、

 終わったあとも ズーンと胸に迫るものがあり、

 重いテーマを 投げかけられた作品でした。
 

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (8) (電話相談,治療者のためのコンサルテーション)

2008年07月28日 20時21分46秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55299142.html からの続き)

(3) 電話相談

 弁証法的行動療法 (DBT) の 3つ目の要素である 「電話相談」 です。

 セッションとセッションの間の 電話相談には、3つの重要な働きがあります。

 第一に、集団療法で学習したスキルを

 日常生活に活かすための 「コーチング」 です。

 危機的状況にあったとき 治療者と電話で話し合い、

 具体的なスキルを使って 問題解決のための行動が 取れるようにします。

 患者は自分で 葛藤場面に対処できたという 「成功体験」 を 積むことができます。

 第二は、危機的状況でないときに 支援を求める練習です。

 BPD患者は 命の危機以外では 助けを求めるのが苦手なことが多く、

 治療者は 危機のみに対応するため、

 かえって患者の自殺行動などを 強化してしまうこともあります。

 自殺行動や未遂のあとでは 電話を受け付けず、自殺衝動に駆られているときか、

 危機以外のときに サポートを求める練習をします。

 第三に、次のセッションまでに 未解決の問題を軽減しておくことです。

 治療者と患者の間の 葛藤や誤解を解きほぐすためです。

 
(4)治療者のための コンサルテーション・ミーティング

 治療者に対するスーパーバイズや コンサルテーションも、治療の重要な一部です。

 週1回 2時間のミーティングに、スタッフ全員が参加します。

 DBTでは 治療者の間で 意見が分かれることも多く、

 治療者が治療枠を 逸脱してしまう場合もあります。

 治療経過の分析や確認をし、治療者が 患者に否定的な態度を 取ることを避け、

 バーンアウトの予防を目指します。

 
●おわりに

 創始者のリネハンは、DBTを ジャズの集団即興演奏に例えます。

 DBTは マインドフルネスや問題解決療法など、

 多くの治療技法が 体系的にまとめられています。

 治療者は患者の 病態や状況に合わせて、適切な技法を選択し、

 柔軟に対応していくことが 要求されます。

 患者が発した 音に対して、治療者は 協和音が取れるよう、

 技法を駆使して 曲を奏でていくことが 大切なのです。

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕
 

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (7) (集団療法 5)

2008年07月27日 20時36分29秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55287176.html からの続き)

4.苦痛耐性スキル

 人生において、苦痛を完全に除去することは 不可能ですから、

 事実を受け入れ、自分を変えていく 努力が必要です。

 苦痛を受容することができれば、環境を変えようとするのではなく、

 感情を抑えずに受け止め、辛い思考や行動に 気付くことができます。

 危機的な状況を 乗り越えるために、次のことが指導されます。

・ストレスへの接触を減らしたり、注意をそらすようにする

・自分を元気づけ、優しくすることによって 自分を慰める

・ネガティブな体験を ポジティブな体験に置き換えるようにし、

 その時の状態を改善する

・ストレスを許容し、不適切な行動をしないことの メリット・デメリットを考える
 

 苦痛耐性スキルには、短期的な苦痛に耐えるための 「危機に対処するスキル」 と、

 長期的な苦痛に耐えるための 「現実を受け止めるためのスキル」 があります。

 短期的な 「危機に対処するスキル」 としては、次の2つが挙げられます。

○辛いことから離れるようにする

・お茶を飲んだり、スポーツやガーデニングなど、何らかの活動をする

・ボランティアなど社会に貢献する

・自分と他人を比較してみる

・感動的な本を読んだり、映画や音楽で 感情を変える

・苦痛をしばらく棚上げしておく

・心を落ち着けながら、テレビを見たり 何かに没頭する

・氷を握りしめたり、熱いシャワーを浴びたりして 感覚に集中する

○「今」 の価値を高める

・リラックスできるシーンを イメージする

・苦痛の中から、目的,意味,価値を見つけたり、作り出していく

・神仏に心をゆだねてみる

・体をリラックスさせたり、マッサージをしてみる

 微笑んで表情を変えてみる

・「今」 していることに 注意を集中させる

・「自分は頑張れる」 と繰り返し言ってみる

 長期的な 「現実を受け止めるためのスキル」 は、

 マインドフルネス・スキルが適用されます。

 「呼吸を観察するマインドフルネス」 「自己覚知のためのマインドフルネス」

 「微笑」 のスキルを通して、現実の苦痛を 受け入れるようにしていきます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55311814.html

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕
 

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (6) (集団療法 4)

2008年07月26日 20時51分21秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55275093.html からの続き)

3.情動調節スキル

 BPD患者にとって、感情のコントロールは 基本的な問題です。

 情動調節スキルでは、否定的な感情を 抑制するのではなく、

 自分の情動を理解して 名前をつけ、今ある感情を受け止め、

 いかに変化させていくかを 学びます。

・情動の本質や メカニズムを理解する

・「今ここで」 の感情を観察し、描写する

・ネガティブな感情を軽減させる

・ポジティブな感情を増加させていく

 できるだけポジティブな 体験をするように努め、

 それに気持ちを向けることによって、ポジティブな感情を 増やしていきます。

・ポジティブな感情を積み重ねる

・統制力を養う

・感情的になる前に対処する

・身体疾患の治療をする

・バランスの良い食事

・感情を変動させる薬物を避ける

・バランスの良い睡眠
 

 また、ネガティブな感情に同化せず、それと向かい合う 態度や行動を取ることにより、

 ポジティブな感情に 変化させていくスキルとして、

 「OPPOSITE ACTION」 があります。

 感情とは反対の 行動を取るということで、

 例えば、怒りを感じているが 微笑んでみる、ということです。

 これは、わき起きた感情が適切でなく、

 過剰な反応である場合のみに 実施することが必要です。

 手順としては、まず マインドフルネスを通して 今の感情に気付き、

 自覚することが重要です。

 そして その感情を受容したのちに、

 「OPPOSITE ACTION」 が できるよう訓練を重ねます。

 例えば 過剰な怒りを感じたときには、微笑みながら その場を立ち去ることによって、

 怒りが治まり、衝動的な行動が 抑えられるといいます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55299142.html

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕
 

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (5) (集団療法 3)

2008年07月25日 21時24分27秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55263849.html からの続き)

2.効果的な対人関係スキル

 患者自身の自尊感情を 維持しながら、相手の立場も 理解して上で、

 自分の意見や希望を 主張できるように学習します。

 「DEARMAN」 「GIVE」 「FAST」 という

 3つのロールプレイを行ないます。

 「DEARMAN」 は、以下のものの頭文字です。

 状況の説明 (Describe)

 感情や意見の表現 (Express)

 相手の立場を理解しながら 自分を主張する (Assert)

 相手への強化 (Reinforce)

 目的に集中し、マインドフルな状態を保持 (Mindful)

 自信を持って 有能に振る舞う (Appear Confidence)

 ギブアンドテイクで代替策を提示 (Negotiate)
 

 「GIVE」 の頭文字。

 攻撃や批判をせず 穏やかに接する (Gentle)

 相手に耳を傾けて 興味を持つ (Interested)

 人の要求や意見を 受け入れる (Validate)

 ユーモアを持って 気楽な態度でいる (Easymanner)
 

 「FAST」 の頭文字。

 自分と他人に 公平でいる (Fair)

 へりくだりすぎない (Apologies)

 自分の価値観を貫く (Value)

 正直になる (Truthful)
 

 これらも詰まるところ、我々が日常で必要な 対人関係ですね。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55287176.html

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕
 

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (4) (集団療法 2)

2008年07月24日 22時26分31秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55249062.html からの続き)

1.マインドフルネス・スキル

 マインドフルネス・スキルは 東洋の禅の瞑想を 基礎にしていますが、

 西洋の黙想とも 通底しています。

 内面に起こる 感情や思考、また それによって起こる 行動に対して

 自覚をするスキルです。

 ストレスに対して、観察,言語化,参加の 段階を通して、

 リラックスしていけるようにします。

 マインドフルネスは、集団精神療法の中核的なものです。

 BPDの機能不全行動 〔*注〕 に 有効なスキルです。

〔*注:

・自己の調節不全 (不充分な自己感覚,空虚感)

・行動の調節不全 (衝動性,自己破壊的行動,自殺行動)

・対人関係の調節不全 (混乱した人間関係,見捨てられ不安)

・認知の調節不全 (離人症,解離) 〕
 

 弁証法的行動療法では こころの状態を、

 「理性的なこころ」 「感情的なこころ」 「賢明なこころ」 の 3つに分けます。

 「理性的なこころ」 は、葛藤に直面したとき

 理性的・論理的に考え、柔軟性に欠けた状態です。

 「感情的なこころ」 は、思考や行動が 感情に支配され、

 事実を拡大・歪曲し、論理的思考が できなくなっている状態です。

 「賢明なこころ」 は、「理性的なこころ」 と 「感情的なこころ」 が

 偏りなく 統合された状態を言います。

 習熟した禅僧の、「直感的に獲得される知」 の 豊かなこころの状態です。

 マインドフルネス・スキルは、「賢明なこころ」 を 得るための技法です。

 呼吸などを通して、まず 身体感覚に気付き、次に 自分の感情に気付くようにし、

 ありのままの自分を 受け入れる訓練をしていきます。

〔*: 僕は以前、「感情モニタリング」 というワークショップを受け、

 これと同じことを やった経験があります。〕

 マインドフルネスでは、患者側の 「是認」 が不可欠といいます。

 また、宗教を基礎にした訓練は 患者にとって 不安な場合があるので、

 治療者は思いやりを持って 傾聴し、観察していきます。

 患者の感情や思考を フィードバックし、

 言語化されていないことを 明確に表現していくことが有用です。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55275093.html

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕
 

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (3) (集団療法 1)

2008年07月23日 20時30分29秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55160230.html からの続き)

(2) 集団精神療法 -- スキルトレーニング

 個人療法に続いて、弁証法的行動療法の 二つ目の要素である、

 集団精神療法について 述べていきます。

 BPD患者に 欠けているといわれる、

 対人関係や自己コントロールなどの 力を付けるために、

 次の4つのスキルが 教えられます。

1.マインドフルネス・スキル

  心と体の 感覚を豊かにし、「今ここで」 の 自分の状態に気付く

2.効果的な対人関係スキル

  相手の意見を尊重し、自分の意見も 適切に主張する

3.情動調節スキル

  過剰な怒り,恐れ,不安などの 感情をコントロールする

4.苦痛耐性スキル

  日常生活の中で ストレスに遭ったとき、自傷行為などをせずに対処する
 

 標準的には 1年を1クールとしています。

 個人療法と並行して 受講しなくてはなりません。

 4回以上 欠席した場合は、ドロップアウトとされます。

 週に1回 2時間のグループで、参加人数は 6~8人が理想です。

 主セラピストと副セラピストの 2名のリーダーで運営されます。

 ここでは、個人的な 問題行動や精神問題については 取り扱わず、

 各スキルについてのみ 学びます。

 講義形式で行なわれ、必要に応じて 患者とのロールプレイを行ないます。

 毎回課題が出されて、

 日常生活の中で マニュアルと講義資料を使いながら 実践をします。

 上の4つのスキルについて、ひとつずつ説明していきます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55263849.html

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕
 

「おくりびと」 (4) (新宿ピカデリー)

2008年07月21日 21時23分11秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55208477.html からの続き)

 「おくりびと」 の試写会は、7月19日にオープンした 新宿ピカデリーの、

 オープニング記念として 行なわれました。

 元は 松竹のピカデリーだった所で、

 以前僕が 松竹シナリオ研究所に通っていた頃は、無料で入場できていました。

 以前はスクリーンが4つで、一番小さいスクリーンは

 ホームシアターよりも 小さいくらいのものでした。

 それが 真っ白で明るい シネコンに生まれ変わりました。

 大勢のスタッフに出迎えられ、丁寧に応対してもらいました。

 他のシネコンとは 一味違うデザインの、しゃれた空間です。

 オープニングキャンペーンでは、土曜日は 映画1本千円とか、

 平日千円鑑賞券などが配られ、各種の抽選会もあります。

 新宿ピカデリーの スクリーンは10個ですが、

 「プラチナシート」 という VIP席もあります。

 二人で個室感覚が味わえるという 3万円のプラチナルームと、

 一人5千円の プラチナシートがあります。

(σ (^^;)はそんな所で 観るつもりはありませんが。)

 一方、最前列は平日千円という リーゾナブルなサービスもあります。

 でもこの席は やっぱりちょっときついですね。

 メンバーズカードは、映画を6本観ると 1本無料で観られます。

 千円の日に観れば、6千円で7本ですね。

 同じサービスのカードは、TOHOのシネコンと シネカノン系列にもあり、

 僕はどちらも持ってます。 (^^)

 TOHOは 毎月14日(とおフォー)が千円、シネカノン系列は 水曜日が千円です。

 エコノミーなサービスが 本当に増えました。

 誕生日月に千円 というのもありますし。 (^^;)

 というわけで、身近な新宿に また新たなスポットができて、楽しみが増えました。
 

「おくりびと」 (3) (うちの場合)

2008年07月20日 20時22分30秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55197261.html からの続き)

 僕も数年前、立て続けに 別れを体験しました。

 母、心子、祖母、父……。

 それを思い出しながら、映画を観ていました。

 母は病院で納棺され、実家に運ばれてきたので、

 僕は納棺の場に 立ち会うことはありませんでした。

 父のときは、病院から実家まで ストレッチャーに乗せて 車で運ばれてきて、

 二日後くらいに 家で納棺を行ないました。

 葬儀社から係りの人が 3人やってきましたが、リーダーの人は 温水洋一似で、

 しんみりした場に いかにも似つかわしい 風貌でした。

 この人は 顔でこの仕事に 配属されたんじゃないかなと、内心思ってしまいました。

 見習いの人もいて かしこまっていましたが、

 毎回 死人の相手をする仕事を 担当させられて、

 楽しくないだろうなと 思ってしまったものでした。

 僕も こういう仕事に対する 理解がなかったんですね。

 納棺の儀式は 映画と同じではありませんでしたが、

 係の人に指示されて、遺族が一人ずつ 父の体を清める 所作もしました。

 初めてのことで 少し戸惑いましたが、僕は気持ちを込めて お清めをしました。

 でも僕の兄などは、かなり違和感を感じたようです。

 いきなり そんなことをさせられて、その場で断るわけにも いかなかったものの、

 あとで文句を言っていました。

 しかし 元々伝統的な 清拭の儀式だったんですよね。

 あるいは父は そういうことをされるのを、余り好まない 人だったかもしれません。

 また事前の説明もなく 費用に含まれてしまうことも、

 出費者の兄には不満だったでしょう。

 でも僕は、父と別れの儀式ができて、

 そういう形で 父に触れることもできて、とても良かったと思っています。

 都会の葬儀で こういうことがどのくらい 行なわれているのか知りませんが、

 習慣として 広まってもいいことだと思います。

(前もって説明は あったほうがいいかもしれません。)

 ところで、映画では 寝間着から白装束に 着替えていましたが、

 父の場合は 普段着ていた服に 着替えました。

 和服なら 寝たまま着替えさせることも 可能ですが、

 洋服だと それは難しいのではないでしょうか。

 その時だけ 家族は部屋の外に出されました。

 想像ですが、洋服の背中を はさみで切って着せたのか、

 遺体を起こして 着せたりしたのかもしれません。
 

 今回 この映画を見て、僕も納棺師の仕事に 魅力を感じました。

 自分もこの仕事をしようかと 思ってしまったほどです。

 なかには、この映画を観て 納棺師になる人も 出てくるのではないでしょうか。

 そうだとしたら、映画にとっても、納棺師にとっても、幸いなことでしょう。
 

「おくりびと」 (2)

2008年07月19日 21時17分22秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55184485.html からの続き)

 大悟は 妻の美香 (広末涼子) に 自分の仕事の内容を言えず、

 冠婚葬祭関係とごまかしていました。

 ところがある日、とうとう美香に 仕事のことがばれてしまい、

 美香は 「けがらわしい!」 と言って 実家に帰ってしまいます。

 友人からも 「まともな仕事に就け」 と言われ、

 内心反発しながらも、きちんと 言葉にできない大悟。

 人は誰でも 必ず死ぬ、死ぬことは 普通のことなんだ。

 納棺師は 悲しい別れを、優しい愛情で 満たす仕事なんだ……。

 美香は 妊娠したことが分かって 戻ってきますが、

 「自分の仕事を 子供に誇れる?」 という質問に、

 大悟はまだ 言葉に詰まってしまいます。

 しかし、知り合いの 銭湯のおばあちゃんが急死して、

 納棺式に立ち会った 美香は、厳粛な夫の仕事に 圧倒されるのでした。

 そして、生前おばあちゃんが 愛用していたスカーフを 首に巻いてあげる、

 夫の優しさに 心を打たれます。

 誰でもが 「おくりびと」 になるし、「おくられびと」 にもなるのです。

 でも 日常から死が遠ざかっている 現代人は、死を忌避してしまいがちです。

 映画は、旅立ちの静謐さを 改めて教えてくれます。

 それは本来、自然で穏やかに 迎え入れるべきものでしょう。

 故人の在りし日の 面影を取り戻し、送別のお手伝いをするのが 納棺師の勤めです。
 

 大悟の父親は、大悟が幼いときに 女を作って家を出て行き、

 大悟は父親の顔を 覚えていません。

 母親も2年前に 世を去りました。

 大悟は 父を憎んでいますが、そこへ突然、父の訃報が舞い込みます。

 父を引き取る気もない 大悟ですが、

 じわ~っと感動する クライマックスへと 話は進んでいくのです。

 大悟が奏でる チェロの音色、

 「石文 (いしぶみ) 」 と言われる、自分の気持ちを表した石を

 相手に渡すというエピソードも、映画のキーポイントになっています。

 監督は滝田洋二郎。

 「名作」 と呼ぶのに相応しい、

 ユーモアと感動に溢れた 日本映画が、新たに誕生しました。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55208477.html
 

「おくりびと」 (1)

2008年07月18日 21時42分08秒 | 映画
 
 納棺師 (のうかんし)。

 遺体を清めて 柩に納める仕事の 映画です。

 ちょっと辛気臭くて、敬遠されそうな職業のように 感じられてしまいます。

 しかし、親族の目の前で行なわれる 納棺の儀式は、

 静謐で、厳かで、死者に対する 敬意に満ちていました。

 故人の肌を 遺族に一切見せないように、遺体を清拭し、

 寝間着から白装束に着替えさせる 一連の手技は、一糸乱れぬ職人技です。

 生きていたときのように 死に化粧を施す指先は、

 何よりも亡き人への 愛情が溢れてます。

 遺族にも一人一人 清拭をしてもらいます。

 それが 旅立つ人と残される人の、最後の心の交流になるでしょう。

 合掌の仕方など、ひとつひとつの所作が 厳格に定められていますが、

 時には臨機応変に、個人的な心尽くしが 振る舞われます。

 ルーズソックスを履きたいと言っていた おばあちゃんのために、

 足袋の代わりに ルーズソックスを履かせたり、

 大往生のおじいちゃんの顔一杯に 娘たちがキスマークを付けて 送ったり。

 悲しみのなかに 微笑ましさが漂います。

 映画の舞台は田舎でしたが、東京では納棺式など あまり知られていないでしょう。

 納棺は、元々は親族が 行なっていたそうですが、葬儀屋が執り行うようになり、

 さらに納棺の業者が 下請けするようになったということです。
 

 主人公の大悟 (本木雅弘) は、「旅のお手伝い」 という求人広告を見て、

 旅行会社だと思い 面接に行きます。

 ところが、出てきた社長 (山崎努) は、「旅立ちのお手伝い」 の誤植だな

 と言って、大枚を差し出して 大悟を雇ってしまいました。

 大悟の初仕事は、孤独死した 老人の遺体。

 死後2週間経っていて、悲惨な現場は 大悟にとって余りにショッキングでした。

 でも大悟は、社長の納棺の儀式を目にして、

 次第に納棺師の仕事に 気持ちが傾いていきます。

 ある遺族は、死に化粧を施された妻が 「今までで一番きれいだった」 と言って、

 涙を流して 社長に頭を下げました。

 ときには 遺族の喧嘩に巻き込まれたり、

 女性だと思った故人が ニューハーフで “あれ” が付いていたり。

 悲喜こもごものエピソードを、映画はユーモラスに描いていきます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55197261.html
 

「クライマーズ・ハイ」

2008年07月17日 23時34分00秒 | 映画
 
 1985年、群馬県・御巣鷹山に墜落した 日航ジャンボ123便。

 死者540人を出した、史上最大 最悪の航空機事故。

 当時、奇跡的に助かった少女が 自衛隊員にしっかりと 抱き抱えられて、

 ヘリコプターに つり上げられていく映像を、僕もはっきり覚えています。

 でも その裏では、事故を連日報道し続けた 地元新聞社の中で、

 様々な人間関係が交錯する、もうひとつのドラマが 繰り広げられていたのでした。

 原作は、自身が新聞記者として この事故の取材に当たった 横山秀夫が、

 実体験を元に描いた 同名小説です。

( 他の作品に 「半落ち」 「出口のない海」 など。)

 主人公の・悠木 (堤真一) は、

 社内の 抜いた抜かれたの競争から 一線を画した、実直な一匹狼の 遊軍記者。

 ワンマン社長 (山崎努) の鶴の一声で、

 未曾有の墜落事故の 全権デスクに抜擢されます。

 編集局の上司は、かつて 連合赤軍や大久保清の報道をした、

 過去の栄光にしがみつく “恐竜”たち。

 新聞記者は足で稼ぐものだという 時代錯誤の考えで、

 局内には 無線機さえ導入していません。

 悠木は キャップの佐山 (堺雅人) を、“丸腰で” 現場の山に送り込みます。

(当然、携帯電話はまだありません。)

 佐山たちは 救護隊の無線機や 民家の電話を借りながら、

 悲惨極まり事故現場の取材を 必死で行ない、記事を悠木に伝えます。

 しかし編集局長たちは 悠木に嫉妬し、佐山の記事が 一面に掲載される妨害をします。

 妬み、手柄争い、部下との板挟み、信念と利害のぶつかり合い,

 締め切り時間との 1分を争う闘い、編集局と販売局の 確執と権謀術数、仲間の死…。

 凄まじい緊迫感と 葛藤が渦巻いていきます。
 

 悠木は 記事を掲載するには、情報の裏を 確実に取ること、

 「チェック、ダブルチェック」 を 信条にやってきました。

 苦労の末、事故原因についての スクープを入手しましたが、

 100%確実とは 言い切れないものがあります。

 他社を出し抜くことを迫る 次長との言い争い、記事を掲載するか否か、

 悠木は究極の選択を 迫られるのでした……。

 実話を元にした話ですが、男同士の 互いの人格否定にも繋がる 激しい諍い、

 こういう激突のなかで 人間は錬磨されていくのだなと、思いを馳せました。

 当時のできごとと、主人公の 現在の登山のシーンが カットバックされて、

 効果的な物語を 紡ぎだしていました。
 

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (2) (個人療法)

2008年07月16日 23時02分58秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55145497.html からの続き)
 
 DBTは 以下の4つの要素で 構成されています。

(1) 個人外来精神療法

(2) 集団精神療法 (スキルトレーニング)

(3) 電話相談

(4) 治療者のコンサルテーション
 

(1) 個人外来精神療法

 患者の問題行動を扱い、スキルの強化を目指します。

 集団療法と並行して 行なわれますが、

 週1回の個人療法が義務づけられ、参加しない場合は 集団療法には参加できません。

 ダイアリーカードを使って、1週間の振り返りをします。

 自傷行為や自殺行為の 種類や頻度、怒りや悲しみなどが 出てきた回数、

 取り入れたスキルの 種類と回数などを報告し、治療者と話し合います。

 集団療法で学習したスキルを 復習しながら、不適切な言動をセーブして、

 適応性の高い言動に 置き換えられるようにしていきます。

 また、治療を妨げる 患者自身の 「問題行動の動機」 を明らかにして、

 解決していき、治療を続けていけるようにします。

 「行動連鎖分析カード」 を利用しながら、患者の弱さに影響する 環境因・直接因,

 問題行動,問題行動の結果,替わりとなる適応行動について、分析していきます。

 できごとの連鎖を分析し、原因と行動の連鎖を 断ち切り、

 行動と結果の連鎖を 断ち切るのです。

 
 治療においては、重要度の高い 問題行動から治していきます。

 まず第1ステージは、自殺行動,大量服薬など 命に関わるもの、

 その他 著しく生活を阻害する行動です。

 次に第2ステージは、性的虐待など 過去に受けた外傷体験や、

 未処理のトラウマについて 扱います。

 PTSDに有効とされる、リラクゼーションや行動的治療が 行なわれます。

 第3ステージでは、患者の自尊心の獲得を 目指し、

 患者が自分自身を信頼し、自分の感情や行動を 容認できる力を 確立していきます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55249062.html

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕