「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「境界に生きた心子」 ドラマ企画その後

2007年05月31日 20時54分11秒 | 「境界に生きた心子」
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47751954.html からの続き)

 先日、紹介していただいた Sプロデューサーが、

 「境界に生きた心子」と、僕の以前の作品を 読んでくれました。

 結果、Sプロデューサーが担当している ドラマの時間枠(2時間ドラマなど)では、

 取り扱ってくれる局がない ということでした。

 まぁ、最初から あまり期待しないで と言われていたのですが。(・_・;)

(TV番組は 主に、

 Sプロデューサーのような 制作会社のプロデューサーが 企画を作って、

 TV局のプロデューサーに持っていく という形になっています。

 僕のような フリーの物書きは、

 制作会社のプロデューサーに 企画案を提出するわけです。)

 番組は 作品個々のでき以前に、

 形式的な条件その他で 決まったりするものなので、やむを得ません。

 また 出直してやっていきます。
 

 
 ところで、話は別になりますが、

 ミクシィに 「境界に生きた心子」 のレビューの ページがあって、

 このところ 幾つか続けて 新しいレビューが 書き込まれています。

 何故か、割と続けて アップされることがあるみたいです。

 もし良かったら、参考までに見てみてください。

http://mixi.jp/view_item.pl?id=138247
 

光市母子殺害事件 差し戻し審(7)

2007年05月28日 23時54分21秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47867166.html からの続き)

 日本の裁判は 明治政府になった時、仇討ちを禁止して、

 その代わりに 国が被告を罰する という形になったため、

 応報刑の性質を帯びていました。

 もっともそれが、被害者を完全に 蚊帳の外に置いてしまう格好になり、

 長い間 犯罪被害者が一顧だにされない 問題を起こしてしまったわけです。

 そして 犯罪被害者支援の運動の黎明期に、

 本村さんの存在が与えた影響は 絶大なものがありました。

 下手な弁護士は叶わないほど 理路整然と、人の「心」に訴える 本村さんの言葉は、

 生き地獄を くぐり抜けてきた者にしかない、痛切な説得力があります。

 かくいう僕も、元々は 死刑制度廃止の立場でしたが、

 今は そう言い切れなくなっています。

 人々が 被害者感情の峻烈さを知るに及び、

 体感治安の悪化と相まって、厳罰化の方向へ 進んできています。

(僕はそれよりも、被害者の傷を癒すプログラム,加害者の矯正プログラムの

 研究・実践が、何よりも必要だと 考えるものです。)
 

 日本の判例主義は 以前から論じられています。

 死刑に関しては、1983年の永山判決で、

 次の厳格な条件を 満たす必要があると定められました。
 
 1:犯行の罪質

 2:動機

 3:事件の態様 (残虐性)

 4:結果の重要性 (殺害数)

 5:遺族の被害感情

 6:社会的影響

 7:犯人の年齢

 8:前科

 9:犯行後の情状

 今回の21人の弁護団は、近年これらの基準が なし崩しになり、

 本来 無期懲役である者が 死刑になってしまうとして、

 死刑の基準の厳しさを 取り戻さなければ、

 これから先も 更に死刑判決が出やすくなってしまう と主張しています。

 これに対して本村さんは、

 永山基準は 法曹界の運用のための基準であって、法律ではない、

 個々の事件や 時代によって 基準は見直されるべきだ と訴えています。

(4の 被害者の人数については、

 被害者が一人の場合は 死刑にならないという、形式的なものがありましたが、

 昨今 少女への性的暴行殺人などが相次ぎ、一人でも 死刑判決の例が出てきています。)
 

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48536162.html
 

光市母子殺害事件 差し戻し審(6)

2007年05月27日 23時15分30秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47825735.html からの続き)

 先ほどテレビで、21人の弁護人に インタビューをしたという 番組がありました。

 その中で 一人の弁護士が、匿名を条件に 本音を述べたと言っていました。

「 もし自分が 本村さんの立場だったら……、

 被告を殺しに行くと思う……。」

 これはショッキングでした。

 この弁護士は、自分の本心に 反することをしようとしている、

 ということなのでしょうか? 

 自分の感情や考えとは 異なる弁護を、

 自ら進んで 買って出ているというのは、どういうことなのか? 

 自分の個人的な感情と、職業上の信条は別だ ということはないはずです。

 人の命に関わる 最も重要な問題を、

 自分の心に背く形で 決めることなどするべきではありません。

 「感情」というものは、人間にとって 重要な価値判断をする 心の機能なのです。

 自分が被害者だったら 殺すという被告人を、

 どうして弁護士として 弁護することができるのか? 

 または 死刑に反対することができるのか? 

 この弁護士の真意を 何とか知りたいものです。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47893251.html
 

光市母子殺害事件 差し戻し審(5)

2007年05月26日 01時19分41秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47801532.html からの続き)

 一審二審では、被告はひたすら反省している と述べることで、

 辛うじて更生の可能性を 認められてきました。

 ところが今回、一転して 殺意を否認する方針は、

 その反省は嘘だったのかと 裁判官に思わせることになります。

 今まで 極刑を免れてきたのに、殺意を認めず 反省がないとなれば、

 逆に これまで以上の罰 = 極刑になってしまうという、

 非常にリスクを負う 弁護方針だとのことです。

 一方で、差し戻されたことによって、従来と同じ方針では 死刑になるしかないため、

 新たな立証をせざるを得ず、窮余の策であるという 見方もありました。

 元少年は仮想現実の中で、ままごとや 死者を復活させる儀式を 行なったという、

 異常な心理状態だったのだから、精神鑑定が必要だ という理屈だそうです。

 しかしすでに、一審二審,最高裁で 強姦殺人は確定しており、

 この事実認定を 動かすことはできないということです。

 その上で、極刑を回避する 特段の事由があるのか 裁判をやり直し、

 それがないなら 死刑にすべきというのが、今回の差し戻し審の意味です。

 大弁護団の主張は、社会の常識を 納得させるには程遠く、

 余りに リーガルマインドに反するものでしょう。

 元少年を救うことにもならないし、

 これでは 死刑廃止論の理解も 得られないと思います。

 6月26日からの 次回公判では、被告人質問が注目され、

 むしろ 弁護団の論法と 本人の口から出ることが 食い違うのではないか、

 ということも考えられます。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47867166.html
 

光市母子殺害事件 差し戻し審(4)

2007年05月25日 00時28分42秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47784815.html からの続き)

 広島高裁で、差し戻し審が開始されました。

 事件の日、元少年は水道工事を装って 本村さん宅に侵入し、

 弥生さん母子を 殺害したわけですが、

 今回 弁護団は次のような 驚くべきというか、

 呆れて物が言えない 持論を展開しています。

 傍聴していた本村さんも、怒りを通り越して 失笑したと言っています。

「被告人は 仮想現実の中に入り込み、

 水道工事屋さんになって ままごと遊びをしていただけだ。

 ままごと遊びとは、母を投影して甘えることだった。

 被告人は母に甘えるように、弥生さんの後ろから そっと抱きついたところ、

 弥生さんが驚いて抵抗し 声を上げたので、

 右手で口を押さえ、過って 首が絞まっていった。

 夕夏ちゃんについては、泣き止まそうと、

 償いの意味で 首にリボンでチョウチョ結びにしたら、死んでしまった。

 被告人に殺意はなく、傷害致死に留まる。」

「 (死後に姦淫したのは)

 死者に生をつぎ込んで 復活させる、魔術とも言うべき儀式。

 被告人は 精子が死者を復活させる と信じていた。」

 1年前、弁護団は同様の主張して、最高裁に退けられました。

 そして最高裁は、特別な事情がない限り 死刑にするほかないとして、

 高裁に差し戻したわけです。

 差し戻し審は 最高裁の裁定に拘束されます。

 これについて本村さんは、会見で こう述べていました。

「弁護団は 『差し戻し審』 の意味が 分かっていない。

 弁護側の主張している “事実” は 最高裁で否定されている。

 それを差し戻し審で、もう一度 議論する意味が分からない。

 弁護側の主張に 新事実はない。」

 今回の巨大弁護団は 死刑廃止論者の集まりで、

(僕も死刑制度に 賛成するものではありませんが)

 上記のような 詭弁を弄するようでは、死刑廃止論の 説得力をおとしめ、

 信用を失わせることに なってしまうと思います。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47825735.html
 

光市母子殺害事件 差し戻し審(3)

2007年05月24日 10時00分10秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47777510.html からの続き)

 元少年の生い立ちは、確かに 不遇なものではありました。

 言うまでもなく、だからといって 許されるわけがないのであって、

 罪は償わなければなりません。

 ただ、理解する必要は あるだろうと思います。

 元少年は、同級生からは 明るかったと言われており、

 能天気で へらへら笑っていたそうです。

 反面で、父親からはいつも叱られ、殴られて 青あざを作っていたといいます。

 心のより所にしていた 母親が、中1の時に 自宅の玄関で 首吊り自殺。

 父親は通夜の日にも、少年を塾へ行かせました。

 もっと母親に 甘えたかったとも、元少年は言っているそうです。

 高校では 不良仲間と付き合ったが、心を許せる友人はいなかったのでは。

 ズボンに花火を入れられて ひどい火傷を負うなど、いじめにも遭いました。

 光市の事件を起こしたのは、そんな高校を卒業してから 2週間後のことでした。

 元少年の父親は、自分も事件の被害者だ と思っています。

 息子さえ あんなことをしなければ、と憎しみが沸いてくる。

 自分にとって 事件は二の次で、自分たちは(非難の中で)

 生きていかなければいけないので、開き直った と話しています。

 育て方は 間違っていなかった。

 息子は 罪を深く考えて 成長しているので、死刑でなく 生きて償わせたい。

 やはり親だから。

 そう語る父親は、この8年の間に、少年には 1回接見しただけだそうです。

 やはり、子供の健全な成長にとって、

 親の愛情が いかに大切であるかということが、嫌というほど思い知らされます。
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47795344.html
 

光市母子殺害事件 差し戻し審(2)

2007年05月24日 00時06分16秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47754682.html からの続き)

 二審の無期懲役判決が 最高裁によって 高裁に差し戻され、

 死刑判決の可能性が強くなりました。

 その時から、安田弁護士をはじめとする 新たな弁護団は、

 事件は殺人ではなく 傷害致死だと主張しはじめました。

 これは余りにも奇矯で、

 弁護団は本気でそれを信じているのか 問いただしたくなります。

 元少年が雇えるはずもない、21人もの弁護士が 付いたのは異常で、

 死刑制度に対して 挑戦しているかのようです。

 しかしそれは 立法や別の場で行なうことであって、

 法廷は 死刑制度の是非を 論じるところではないでしょう。

 「この裁判が、死刑の存廃の議論に 利用されることを恐れる」

 という、本村さんの言葉は その通りだと思います。

 差し戻しが決定したあと、本村さんに 元少年からの手紙が4通届いたのも、

 情状の材料にするための 弁護士の入れ知恵だと、本村さんは述べています。

 一方、少年に面会している 住職によると、

 少年は 自分が死刑になって当然だと 認識しており、

 反省して反省して 償いきったところで死にたい、と言っているといいます。

 近年の少年の日記には、

「しっかり罪を償いたい。

 二人を生き返らせるなんて 要求,反省は無理だけど、

 では どういう反省ができるのか。」

 と書かれています。

 もしそれが 事実からかけ離れていないものだとしたら、

 弁護団の方針は 少年の本心にも そぐわないものかも知れません。

 安田弁護士は会見で、元少年が涙ながらに 真実を訴えたと言っていましたが、

 公判を不当にボイコットするような、安田弁護士のやり方を 僕は信用しかねます。
 

 それにつけても この数年の、

 被害者感情を汲もうとする 世論の高まり,厳罰化の流れ。

(僕は もろ手を挙げて賛成とは 言えないのですが。)

 そこに果たした 本村さんの功績は、本当に深甚なものがあります。

 本村さんの存在なくして、犯罪被害者支援の運動も

 ここまで実を結ばなかったでしょう。

 以前の記事にも書いたように、

 まさに 『神が与えた被害者』 という言葉が 心に突き刺さります。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36588506.html

 神は時に、真実の成就のためには 実に残酷な生贄を生ませるものです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47784815.html
 

光市母子殺害事件 差し戻し審(1)

2007年05月23日 00時44分23秒 | 光市母子殺害事件
 
 光市母子殺害事件・差し戻し審の 第1回公判が、

 5月24日に 開かれることになったそうです。

 被害者遺族の 本村洋さんは、僕のブログでも トピックになっています。

 関連記事を紹介しておきます。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/29299802.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36556382.html
 
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47777510.html
 
 
ps. 今日はσ (^_^;)の誕生日です。
 

「境界に生きた心子」 ドラマ企画その後? 

2007年05月22日 23時06分32秒 | 「境界に生きた心子」
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47444788.html からの続き)

 「境界に生きた心子」を NHKではドラマにできないだろうか ということで、

 拙著を見ていただいた Fプロデューサーから、今日

 Sプロデューサーを 紹介していただきました。

 今日は ボーダーの説明をしなければと思って、一生懸命 準備をして行きました。

 ところが Sプロデューサーは 10年前、

 日本テレビで 「心療内科医・涼子」 (主演・室井滋) を手がけていたそうです。

 ボーダーのことを よくご存じで、説明をする必要が なくなってしまいました。
(^^;)

 そして Sプロデューサーは、何と 「心療内科医・涼子」 の中で、

 松島菜々子扮する 境界性人格障害の話を 作っていたというのです。

 10年前にすでに ドラマに出ていたとは……(・_・;) 。

 僕は このドラマは ほとんど見ていましたが、この話は 記憶にありませんでした。

 当時は 僕もまだボーダーのことを 知らない時で、

 印象に 残らなかったのかもしれません。

 もっとも その時の話は、恋人を振り回す ストーカー的な内容だったそうです。

 こういう題材を扱うと、必ず 各方面からの批判がある ということでした。

 「境界に生きた心子」 は愛情の話として 描いていますが、

 そういう切り口は 思い浮かばなかったと

 Sプロデューサーは おっしゃっていました。

 僕は、愛情の大切さを描きたい,ボーダーの人の魅力も強調したい,

 一番苦しいのは本人なのだ ということを理解してもらいたい,

 ということなどを 伝えました。

 Sプロデューサーに 拙著をお渡しし、読んで連絡する とおっしゃってくれましたが、

 やはり ボーダーを取り上げるのは難しい と言っていました。

 TVドラマは NHKと言えども、どうしても 視聴率から逃れられず、

 視聴率を取れないものは 作ることができません。

 Sプロデューサーは 個人的には 心の問題に 非常に関心があるそうですが、

 まぁ結果は期待せずに 待ちたいと思います。

(Sプロデューサーは 現在 撮影に入っている 作品があるので、

 本を読むのに 時間はかかるとのこと。)
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47960007.html へ続く)
 

母殺害し頭部切断した少年が 人格障害? (2)

2007年05月20日 09時16分09秒 | 凶悪犯罪と心の問題
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47666103.html からの続き)

 確かに、「スキゾタイパル・パーソナリティ障害」 と

 「シゾイド・パーソナリティ障害」 は 似ているところがありますが、

 それぞれの特徴は 次のようなものです。

 「スキゾタイパル・パーソナリティ障害」 の人は、

 奇妙で独特な 思考や感覚に影響されて、自分だけの世界に生きています。

 周囲とかけ離れているため、変人扱いされがちです。

 常識に捕らわれず、創意や直感に富んでいるので、

 研究者や芸術家として 大成することもあります。

 「シゾイド・パーソナリティ障害」 の特徴は、

 対人関係を嫌い、孤独を求めるということです。〔*注〕

 内面的な価値を重視して、自分の世界を守ることを 最優先します。

 異性にもあまり興味がなく、世俗的な欲もないので、

 修行僧のように 清貧な生き方をしたりします。

〔*注:境界性パーソナリティ障害や 自己愛性パーソナリティ障害,

 回避性パーソナリティ障害の人も、対人関係を恐れて 引きこもったりしますが、

 これは 深い関係を求めすぎて 傷つくのが恐いためで、

 本質的に孤独を好む シゾイド・パーソナリティ障害とは 根本的に異なります。

 何よりも愛情を求める ボーダーの人とは、対極にあると 言えるのかもしれません。〕

(参考文献:「パーソナリティ障害」 岡田尊司 [PHP新書])
 

 上記のように、パーソナリティ障害の特徴は 

 いい面も悪い面も あり得るものです。

 TVなどマスコミに 「人格障害」 という 言葉が出るのは、

 いつも凶悪犯罪や 少年の特異な事件が起きた時です。

 人格障害 = 事件,犯罪者という イメージが流布されてしまうのが、

 とても憂慮されます。

 特にボーダーなど 人格障害の人は、

 誰よりも自分自身が 生きづらさに苦しんでいるわけです。

 そのためにも、拙著「境界に生きた心子」の

 マンガ化やドラマ化を 求めているのですが。
 

[カテゴリー 「パーソナリティ障害がわかる本」 に、

「スキゾタイパル・パーソナリティ障害」 と 「シゾイド・パーソナリティ障害」の記事を、

 引き続いて 書いてみようかと思います。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48015317.html ]
 

母殺害し頭部切断した少年が 人格障害? (1)

2007年05月19日 13時24分14秒 | 凶悪犯罪と心の問題
 
 福島県会津若松市で母親を殺害し、切断した頭部を持って出頭した

 17才の少年の事件。

 全く不可解で 戦慄するできごとですが、

 本人にとって 何か儀式的な意味があるのでしょうか? 

 今日TVで、ある精神科医が、

 この少年は 「スキゾタイパル人格障害」 だと言っていました。

 その特徴として、次のことを挙げていました。

・周囲から孤立している

・感情が平坦

・猜疑心が強い

・奇妙な信念を持っている

 しかしこの医師は、

 「スキゾタイパル人格 (パーソナリティ) 障害=失調型パーソナリティ障害」と、

 「シゾイド人格 (パーソナリティ) 障害=統合失調質パーソナリティ障害」を

 混同している、または、誤解を生む言い方をしていると思われます。

 特異な事件が起こると マスコミで、専門家という人物が 当人に面談もせず、

 簡単に人格障害と結びつける向きには 疑問を感じますが、

 基本的な情報までもが 誤認されるのは非常に問題です。
 

 米国精神医学界の診断基準 「DSM-Ⅳ-TR」 から 抜粋してみましょう。

○「スキゾタイパル・パーソナリティ障害」

・奇異な信念、または魔術的思考

・疑い深さ、または妄想様観念

・不適切な、または限定された感情

・親族以外に信頼できる人がいない

○「シゾイド・パーソナリティ障害」

・親密な関係を好まない

・孤立した行動をする

・親族以外に親しい人がいない

・情緒的な冷たさ、または平板な感情

 スキゾタイパル・パーソナリティ障害の 診断基準には、

 「孤立」,「平坦な感情」という 文言はありません。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47684951.html
 

今月の月命日

2007年05月17日 23時49分48秒 | 心子、もろもろ
 
 今日は心子の月命日、恒例のお墓参りに行ってきました。

 いつもの駅前の花屋さんに、新しい男性の店員さんが。

 2週間前の母の日から 勤めはじめたとのこと。

 いつもの女性の店員さんは 今日はお休みだそうです。
 

 お墓に行くと、新しい卒塔婆が 何本か立っていました。

 見てみると、心子の七回忌,心子のお父さんの三十三回忌,

 お兄さんとの三回忌,お義父さん(と言っていいのか)の七回忌でした。

(参考記事  http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/22626120.html)

 確かに 年数はちょうど合っていて、とても奇遇なことです。

 まとめて法要したようですが、何故この月にしたのかは よく分かりません。

(間を取ったのか(?.?;))

 法事は 前倒しすることはあっても、遅らせるのはよくないと されていますが、

 心子の祥月命日は1月です。(;_;)

 
 ちなみに今年は、僕の父親と祖母の七回忌でもあります。

 六年前 僕は1年間に3人を亡くしたのでした。

 母親はその3年前に 不帰の客となっていました。

 今あちらのほうでは 皆でにぎやかにしていることでしょうね。
 

今年も「母の日」

2007年05月15日 23時44分21秒 | Weblog
 
 1年前の母の日に、こんな記事を書きました。(^-^;)

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/34435654.html

 今年もカーネーションを飾りました。
 赤にイエローの入った花びらです。(^^)
 オカンと心子、時々オトンも(?)喜んでくれているかな?(^_^;) 
 

「無意識の彷徨」 (23)

2007年05月14日 20時49分51秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47496171.html からの続き)
 

○空

  高い空。
  白い雲。
  清々しい……。
  

○霊園

  広大な空間。青々とした木々。
  明るい花が咲き競う花壇。
  則子の墓石の前に裕司,なつみ,友辺。
  線香の煙が燻る。
  裕司、則子の墓に水をかけて手を合わせ
  る。
裕司「(墓石に)……この頃、お母さんのこ
 と、少しずつ思い出してきたよ……優しか
 ったお母さんのこと……」
なつみ「(目を細めて)よかったね、裕司く
 ん……」
裕司「(ゆっくり立ち上がり)……でも、母
 の事故の光景が目に焼きついて……(辛そ
 うに目を伏せる)」
なつみ「(思いを寄せる)……その強烈な記
 憶はもう消えることはないでしょうね…
 …」
裕司「……僕、考えたんです……もう、逃げ
 てたらいけないんじゃないかって……過去
 から目を背けていたら、僕はまた自分をな
 くしてしまうから……」
なつみ「9才の裕司くんは逃げるしか自分を
 守るすべがなかった。でも今のあなたは…
 …」
裕司「向き合っていくことが必要なんじゃな
 いかって思ってます、消されてしまった記
 憶と……」
なつみ「トラウマを克服するには心のケアが
 大切なの。でもそれは一人でできる作業じ
 ゃない。カウンセリングを受けながらじっ
 くり時間をかけていかなければ……」
裕司「……僕は、本当の自分になりたいんで
 す……」
なつみ「楽な道じゃないけれど、これを乗り
 越えなければ裕司くんの傷は一生消えない
 と思う……。裕司くん、本当にそれをやる
 気持ちがある?」
裕司「……はい(意思の強い目)」
なつみ「(頷く)その言葉を待ってた。カウ
 ンセリングは本人からその気にならなけれ
 ばできないことだから。いいドクターのい
 る病院、紹介するわ」
裕司「お願いします(頭を下げる)」
なつみ「私は警察の心理士だから、ここまで
 しかできないのが本当に残念……(裕司の
 手を取り、じっと目を見つめる)きっと裕
 司くんの心が癒されることを祈ってるよ…
 …(心を込めて)」
裕司「……本当は、恐いんです……でも、き
 っと母が、僕を守ってくれると思います…
 …」
なつみ「(感慨深く)裕司くん……」
友辺「………」
  初めて裕司に穏やかな笑顔が見られる。
  友辺、裕司の肩を叩く。
  裕司の手を握るなつみ。
  三人の姿を見守る則子の墓石、則子の顔
  が浮かんで重なる。
  大きな愛で裕司を慈しむような則子。
裕司M『……お母さん……』
  清爽とした裕司の表情。
なつみ「………(笑顔)」
  見上げる上空に鳥が舞う。

        (終)
 

「無意識の彷徨」 (22)

2007年05月12日 20時15分48秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47472651.html からの続き)
 

○街路樹

  
○警察署・心理課

  なつみと裕司。
なつみ「(書類を持って。明るい様子で)精
 神科医の鑑定結果は『健忘』ということに
 なりました。事件当時、裕司くんの精神は
 全く別の世界に行っていて意識はなかっ
 た」
裕司「………(複雑な思い)」
なつみ「あとは裁判所の判断だけど、もしあ
 なたが何かしていたとしても、有利な材料
 には違いないわ」
裕司「ありがとうございます……」
なつみ「事件当時のこともそのうち思い出す
 かもしれないし」
裕司「はい……(落ち着く)」
  ドアをノックする音。
なつみ「どうぞ」
  ドアが開き、友辺が顔を出す。
友辺「犯人が二人挙がった」
なつみ「え?」
友辺「ゴーグルの指紋からアシがついたんだ、
 前科のあった奴で」
なつみ「裕司くんはその仲間なの?(不安気
 に)」
友辺「犯人が言うには、現場に通りかかって
 被害者を助けようとした男がいたそうだ。
 その男に顔を見られたんで、追いかけたけ
 ど逃げられたと供述してる」
なつみ「(不安と期待が入り交じって)その
 男って……?」
友辺「男本人は何も覚えがないそうだよ、あ
 っはっは!(隠していた喜びを一遍に出
 す)」
なつみ「はぁ……! やったぁ!(裕司の手
 を取る)」
友辺「よかったな、西脇!」
裕司「……は、はい……!(浮足立ち恐縮す
 る)」
なつみ「(喜んで)裕司くんはきっと犯人に
 追いかけられた恐怖で意識をなくしたの
 よ!」
裕司「……あ、ありがとうございます……!
 (感慨)」
なつみ「よかった、裕司くん!(裕司に抱き
 つく)」
友辺「おい、あんまり抱きつくなよ!」
なつみ「んー!(構わず裕司をぎゅっと抱き
 しめる)」
  どぎまぎする裕司。
  
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47547133.html