「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

用語解説 (6)

2015年09月08日 20時56分21秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
・ 自傷
 
 低機能BPが、 精神的苦痛に対処するために使う、 生き残りのメカニズム。
 
 自殺企図ではない。
 
 生きている感じを高め、 麻痺感と虚無感を抑制する。
 
 自己処罰や、 他人に感情的苦痛を伝えるため, 助けを求めるためのこともある。
 
・ 分裂
 
 子供時代に 虐待の被害者となった人は、
 
 虐待の責任を、 白か黒かの二項対立で概念化する。
 
 加害者が 「全て悪い」 か、 虐待された自分が  「全て悪い」 となる。
 
・ 試すこと
 
 相手の個人的境界を、 守られるかどうか確認するために 無視してみること。
 
 境界を超えさせてしまうと、 その人は境界を侵害し続ける。
 
・ 引き金
 
 過去の経験を思い出させる 感情のなだれを引き起こすような、
 
 でき事, 行為, 言葉, その他のもの。
 
 non-BPが知らないうちに、 BPの引き金を引いてしまうこともある。
 
・ 承認を与える, 有効化する環境
 
 自分の思考, 感情, 経験がOKだという メッセージを与えられる環境。
 
  「無効化する環境」 が BPDの原因の一部と言われる。
 
 感情が “正当” かどうかではなく、 承認することがプラスになる。
 
・ 有効化,承認
 
 信じられ、 価値を見出され、 信頼と認証を与えられたいという、
 
 人間の普遍的な要求。
 
 このプロセスで、
 
 自分は本物で、 根を張っていて、 価値があると感じられるようになる。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 
(以上)
 

用語解説 (5)

2015年09月07日 20時20分29秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
・ 低機能
 
 自傷行為や、 精神疾患と認められるような、 極端な行為を行なう人。
 
 低機能BPは、 頻繁に入院したり、 摂食障害や薬物乱用を行なう。
 
・ ノン・ボーダーライン, non-BP
 
 ボーダーの人によって 影響を受ける人。
 
 献身的なnon-BPもいれば、 虐待を加える人もいる。
 
・ 個人的境界の遵守
 
 人の希望を尊重する態度で 行動すること。
 
・ 人格障害
 
 ある個人の人生への対応を含んだ、 深層に及ぶ 「状態」 障害。
 
 (それに対して うつ病などは、
 
 一時的で、 人物の構造に不可欠とは言えない、 「症状」 障害。)
 
・ 外傷後ストレス障害 (PTSD)
 
 精神的な衝撃の大きい攻撃に、 継続的に曝露されることで生じる。
 
・ 激怒
 
 BPDでは、 でき事が引き金のこともあれば、 降って湧いたような場合もある。
 
・ 現実チェック
 
 ボーダーの人は、
 
 あなたのネガティブな特性でも、 操作的要求でも、 極度に強く主張する。
 
 non-BPは、 精神的に健康な友人から 情報を得て、 現実チェックをするべき。
 
・ スティグマ
 
 極度にネガティブなレッテル。 (烙印)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

用語解説 (4)

2015年09月06日 19時15分43秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
・ フーバーリング
 
 相手が引いたあとで、 関係を引き戻すために、 想像できる限りのことをする。
 
・ 過度の警戒状態
 
 過度に、 継続的に ガードを固めた状態。
 
 とてもビクビクしていたり、 突然の動きや雑音に 過剰反応することも。
 
・ 「私」 主語の文
 
 文を 「私が」 で始めることで、 防衛的な反応を 避けることに役立つ。
 
・ 自分の高潔性を尊ぶこと
 
 「自らの高潔性を 自分自身に向かわせる」 人々は、
 
 愛情と敬意をもって 自分を扱い、 自尊の価値観をしっかり守る。
 
 自分の高潔性を 汚してしまう人たちは、
 
 自分の行為を合理化したり、 価値観を変えるかもしれない。
 
・ 無効化
 
 その人の感情や経験, 視点が間違っているとか、
 
 有効でないという メッセージを与えること。
 
 ボーダーの人は、 無効化を受ける環境で 育てられた可能性があり、
 
 ノン・ボーダーの人に対して、
 
 ボーダーの人が正しく、 ノン・ボーダーの人が間違っていると 確信させるために、
 
 この手法を用いる。
 
 ノン・ボーダーの人が ここから抜け出すには、
 
 他の人たちに価値を承認してもらい、 自分で自分を承認し、
 
 ボーダーの人もノン・ボーダーの人も 自分の意見を持つ権利があると 認めることだ。
 
 承認 (有効化) されるというのは、 理解されたと感じること。
 
 承認は、 真実かどうかではなく、 相手の感情を認めることが重要。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

用語解説 (3)

2015年09月05日 18時50分35秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
・ 飲み込まれ / 見捨てられ
 
 BPは自分のアイデンティティを はかなく感じているので、
 
 感情的に近い人が 自分の人格を 「乗っ取る」 ことを恐れる。
 
 そこで、 例えば喧嘩をしかけて 相手から遠ざかる。
 
 これとコインの裏表なのが、 見捨てられ恐怖。
 
 相手が近く来てほしくないけれど、 同時に離れて行ってほしくないと感じる。
 
・ 融合化
 
 自分のアイデンティティがなくなるほどの、 相手との強烈な情緒的絆。
 
 どこまでが自分で、 どこからが別個人なのか 分からないとも言う。
 
 相手がすぐ近くにいないと、 喪失感を感じる。
 
・ FOG (霧)
 
 3つの強力な感情的武器、
 
 Fear (怖れ), Obligation (義務感),
 
 Guilt (罪悪感) の頭文字。
 
・ 混乱させること (gaslighting)
 
 映画 「ガス灯」 から取ったもの。
 
 自分のほうが 「狂気」 だと 信じるほどに、
 
 自らの正気を 疑わせようとするプロセス。
 
・ 高機能
 
 仕事をこなし、 社会的な人間関係を維持し、 大体完璧に 健康に見えるBP。
 
 BPが近い存在と感じ、 失うものがあると感じる人によってのみ、
 
 BPDの引き金が引かれる。
 
 セラピーを必要と思っていない。
 
 高機能BPと関わるノン・ ボーダーの人は、
 
 彼らだけがBPD行動に晒されるため、 多くの承認を必要とする。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

用語解説 (2)

2015年09月04日 20時54分01秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
・ 一貫性
 
 ボーダーの人と接する際は、
 
 毎回同じようにリアクションをする  「一貫性」 が最善策です。
 
・ 反撃
 
 変化することに対抗しようとする、 防衛的な反応。
 
 ボーダーの人は 自己主張を始めると、 自分が変化しないために、
 
 あなたが境界を本気で設定したのか 試そうとし、
 
  「望まれない行為」 や はったりをかましたりするでしょう。
 
 境界設定に反してしまうと、
 
 ボーダーの人は あなたが本気でないと学習してしまいます。
 
・ 防衛機制
 
 不快な感情に対する 代替策。
 
 抑制, 抑圧, 感情の否定, 投影,
 
 昇華 (感情を 受け入れられる活動に移行する),  合理化が 含まれる。
 
・ 否認
 
 明白な事実を否定すること。
 
 悲嘆過程の一歩にもなるし (家族が亡くなったことを受け入れられない)、
 
 継続的な防衛機制にもなりうる (亡くなった人を理想化する)。
 
・ 解離
 
 非現実感,  「頭が真っ白」 のような状態。
 
 ボーダーの人は、
 
 極度の苦痛を伴うでき事を 忘れたり、 全く違う形で思い出したりする。
 
・ 極度の落ち込み
 
 多幸感の反対語。
 
 うつ, 不安感, 激怒, 絶望感の混ざったもの。
 
・ 空虚感
 
 慢性的で 苦痛を伴う情緒状態。
 
 多くのボーダーライン行動の 発動源となる。
 
 セックス, 浪費などの 衝動的な活動で、 内的な虚無を満たそうとする。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

用語解説 (1)

2015年09月03日 21時35分07秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
・見捨てられ恐怖
 
 ひとりでは生き延びられないという、 子供時代の信念から派生する。
 
・アクティング・イン (自分に向かう行動化)
 
 自傷することで、 苦痛に満ちた感情を 表現すること。
 
・アクティング・アウト (他者に向かう行動化)
 
 感情を、 大人らしいやり方ではなく、 劇的な形で表現すること。
 
・オール・オア・ナッシング (白か黒か, ふたつにひとつ)
 
 分裂を反映する態度。
 
・BP
 
 境界性パーソナリティ障害の人。
 
・境界 (boundaries), 個人的境界 (personal limits)
 
 人から どういう扱いを受けることを 期待するかという予想。
 
 人は、 あなたが自分自身を扱うやり方を見て、 あなたをどう扱うか学ぶ。
 
・共依存
 
 人の幸福に焦点を当てて 自分の人生を生き、
 
 自分自身の幸福や個人的境界を 無視する場合。
 
 必要とされることを必要としていて、
 
 相手を救済したり、 変えたりできると 考える人たちに惹かれる。
 
・認知行動療法
 
 非合理的な思考を変え、 異なる信念に導き、 行動変化をもたらす。
 
・認知の歪み
 
 白か黒かの思考,
 
 過度の一般化・ メンタルフィルター
 (些細なネガティブなことで、 全体像を見失う),
 
 ポジティブな面を打ち消す, 証拠のない読心,
 
 感情と事実が等価, レッテル貼り, など。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

専門家のヘルプを見つけること

2015年08月30日 19時52分44秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 臨床家として、 BPの求めに応じる一方で、
 
 個人的境界を設定し、 BPが変化するように促しながら、
 
 自分を愛せるように助け、 依存させ過ぎずに 関係を深めることは、
 
 熟練した人物でなければできません。
 
 セラピストが 境界の違反行為に気付いて、 突然ルールを変えると、
 
 非常に破壊的な結果になります。
 
○ 臨床家を見つけるのが 難しい理由
 
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害治療の 充分な訓練を受けていない
 
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害患者を避ける
 
・ BPD患者を診ている臨床家の 国際的なデータはない
 
・ BPは治療することが最も難しい。
 
  (治療は長く困難だが、 治療の成功は それより一層深い満足感をもたらす)
 
・ 大学では パーソナリティ障害の教育をあまり受けていない
 
・ BPDの原因がまだ分からず、 セラピーの定説はない。
 
  (現時点では、 「DBT(弁証法的行動療法)」 が 最も効果的とされる。
 
  DBTは 患者にスキルを与え、 自己受容と変化のバランスを取る)  
 
○ 精神科医に尋ねるべき質問
 
・ BPDの治療をしていますか? 

  どのくらいの人数を治療しましたか? 

・ BPDをどのように定義しますか? 

  (ほとんどの臨床家は、 高機能BPの問題をよく知らない)

・ BPDの原因は何だと思いますか? 

  (多くの臨床家は、 BPDは親の虐待によると信じている)

・ 治療計画はどうなっていますか? 

・ BPDは改善すると信じていますか? 

  治療して改善したことがありますか? 

・ BPDと共に暮らすストレスを どの程度知っていますか? 

  (家族と共に治療に取り組んでいる 臨床家を探しましょう)

・ 高機能BPを治療したことがありますか? 
 
 
 自分の限界を認めない臨床家がいます。

 直感を信じてください。

 じわじわ続く違和感を覚えたら、 何かがおかしいのです。

 そのような不安を、 あなたに問題があるかのように 扱う臨床家なら、

 それ以上 時間を無駄にすることはありません。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

違うやり方で行動するために 決断すること (2)

2015年08月26日 20時22分47秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
【パート2】
 

 ここで  「今、 ここ」 に 注意を戻しましょう。
 
 話が展開する各段階で、 どう感じていたか 思い出してください。
 
 地下牢に ひとりでいる時の気持ちを、
 
 ノートに できるだけ上手に 言葉で表現してください。
 
 実生活で そのような気持ちになったことがありますか? 
 
 いつ、 どこで、 どんな状況でそう感じたか、 書き記してください。
 
 他の誰かが、 自分以上に苦しんでいると 気づいた時、 どんな気持ちでしたか? 
 
 誰かが地下牢に向かってきた時, 扉を開けてくれた時, 歩み出るよう誘った時は?
 
 どれか 慣れ親しんだものはありましたか? 
 
 そして、 自由の扉の前に立った時、 どんな気持ちでしたか? 
 
 時間をかけて、 その気持ちを言葉で書き留めましょう。
 
 
 人間は 自分の習慣や状況に適応し、 破壊的な物事に慣れてしまいます。
 
 「学習性無力感」 という状態になり、
 
 意識的・無意識的に、 ひたすらおとなしくして、 生き残るようにします。
 
 自分の状況をコントロールするのを、 恐れるようになるのです。
 
 ボーダーの人は、 周囲の人をコントロールすることで 安定を見出そうとします。
 
 しかし、 BPの誤った知識と努力は、 誰のためにもならないのです。
 
 不慣れで恐ろしいかもしれませんが、
 
 自分の人生のコントロールを 回復するのは可能なのです。
 
 BPと距離を取り、 防衛的でないコミュニケーションを使い、
 
 争いに引き込まれるのを 拒否するのが重要です。
 
 人間は 無限の愛する能力を持っていると、 BPに示すことです。
 
 状況をありのままに直視して、 あなた自身のニーズを持つ 努力をすることです。
 
 BPが虐待的であれば、 どのようなものでも合理化してはいけません。
 
 子供が巻き込まれているなら、 子供の安全が最優先です。
 
 BPは自分自身で選択しなければなりませんし、 あなたもしなければならないのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

違うやり方で行動するために 決断すること (1)

2015年08月25日 19時49分50秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 50
 
 想像の中に身を置くことで、 あなたの状況を見極めましょう。
 
【パート1】
 
 邪魔されない時間と場所を選び、 次のシナリオをかみしめてください。
 
 暗くてカビ臭い、 地下牢に閉じ込められていると 想像してください。
 
 何故ここにいるのか分かりませんが、 誰か権力者を怒らせたようです。
 
 あなたは怯えています。
 
 誰かが遠くで、 苦痛と孤独のせいか、 叫んでいる声が聞こえます。
 
 あなたに 同じ運命が降りかかったのかと、 恐怖に駆られます。
 
 外から足音が聞こえてきて、 扉の前で止まります。
 
 扉が大きくきしんで開き、 重いケープを身に付けた、 大きな男が現れました。
 
 見知らぬ男は黙って、 あなたを励ますように微笑み、 着いてくるように促します。
 
 あなたは怯えますが、 着いていくことにしました。
 
 ほの暗い廊下を 延々と歩いていき、 次第に空気が軽くなるようです。
 
 見知らぬ人に感謝を感じますが、 まだ何が起こっているのか分かりません。
 
 やがて、 鉄の門の所へ着き、 門の向こうには 日の光と緑の草が見えました。
 
 男は振り返り、 微笑んでから、 大きな錠を外して 鉄の門を開けました。
 
 「あなたは解放されました。 行っていいのです」
 
 あなたは外に出たいのですが、 まだ恐れています。
 
 「誰が何故、 私を地下牢に閉じ込めたのですか? 
 
 誰かが追ってきたら、 どうなるのでしょう? 
 
 あなたは誰ですか?  何故いま解放してくれるのですか?」
 
 彼は繰り返します。
 
 「もう行っていいのです。 自由なのです」
 
 あなたは混乱しますが、 暖かな日光の中に踏み出しました。
 
 ひどく喉が渇いているのを 思い出します。

 プールの中の噴水に、 水がほとばしっています。
 
 人々が 水差しを水で満たしながら、 泉のそばに 静かに穏やかに立っていました。
 
 まだ 何が待っているのか分かりませんが、 少なくとも暖かく、 快適で自由です。
 
 見知らぬ男が言った言葉は、 あなたのターニングポイントでした。
 
 もし恐れて 外に踏み出さなかったら、 どうなっていたでしょう? 
 
 奇妙な混じり合った感情が 心を流れ抜けていきます。
 
 誰かが カップを手渡して言います。
 
 「お飲みなさい。 ここは水がたっぷりあるのです」
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

BPがあなたの親である場合

2015年08月23日 21時45分23秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 これは最も複雑な関係です。
 
 あなたが小さな子供の時に、 影響を与えたのです。
 
 あなたがBPDの親に会いたいか、 許したいか、
 
 そして自己主張するかの決断を 援助します。
 
※ アクション・ステップ 49
 
 決断の際の恐怖に 対処するものです。
 
【パート1】
 
 深呼吸してリラックスしてください。
 
 BPに関する 最大の恐怖を考えてください。
 
 シナリオ全体を 心の目で詳しく描き、 数分間維持してください。
 
 そうしたら、 「今、 ここ」 へと 自分を引き戻してください。
 
【パート2】
 
 今の心の映像を 言葉で表現してください。
 
 想像のシーンのどれが、 実際に起こりうる可能性が高いか、
 
 そのリストを作ってください。
 
 多分起こらないシーンの 別のリストも作ってください。
 
 両方のリストを見て、 どのでき事が、
 
 実際の経験からよりも、 恐怖から作られたか、 書いてください。
 
 これで、 3つのリストができました。
 
 現実的でき事, 非現実的でき事, 恐怖から生じるでき事です。
 
 論理的側面と想像的側面の 両方を対話させることで、
 
 論理的側面が恐怖を除去する 可能性が高まります。
 
● BPがあなたの子供である場合
 
 青少年は、 親が本気で心配しているということ,
 
 けれども行為の結末というものは 存在するということを、 理解する必要があります。
 
 子供たちが自分の人生に 精力を注ぐ以上に、 親が投資をしてはいけないのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

治療はどうなのでしょう? 

2015年08月21日 21時45分15秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPが、 自分ではなく他の人が 問題を抱えていると 思い込んでいたら、
 
 注意しましょう。
 
 これに 下手なセラピストが組み合わさると、 致命的です。
 
 良い臨床家は、 過去の問題と、 現在変えなければならないことの、
 
 バランスをうまく取ります。
 
 パートナーが望むなら、 BPDの経験豊かな 精神科医の治療を受けましょう。
 
○ BPの見捨てられ恐怖が発動するとき
 
 あなたが関係を断とうとしても、 BPはあなたを引き戻そうとするでしょう。
 
 これを 掃除機に吸引されることに例えて、  「フーバリング」 と名づけます。
 
 BPが変わると約束し、 あなたが屈伏したら、
 
 BPは、 現実の行動ではなく 行動の約束で、
 
 あなたを操作できると 知ることになります。
 
 あなたは出ていくと言い、 また吸い戻されるという
 
 果てしない循環にはまってしまいます。
 
※ アクション・ステップ 44
 
 あの大きな吸い込み音を消しましょう
 
 以下は、
 
  「フーバーされる」 (引き戻される) ことに 立ち向かうためのアイデアです。
 
 気に入ったものに○をし、 引き戻されるそうな場合の 計画を立ててください。
 
_ 「記録」。 あなたが傷ついた 全てのことを書き出しましょう。
 
_ 「意見を知らしめる」 試みが 失敗するたびに、 自分の視点を書き留めましょう。
 
_ 「普通の」 人々と交際します。 そしてBPと対比してみましょう。
 
_ BPに会う前の 写真に目を通し、 どんなに幸せそうだったか、 見てください。
 
_ BPに関して、 BPDと無関係の 嫌なことは何がありますか? 
 
  病気だという理由で、 BPへの 「憐れみのレンズ」 を捨てることです。
 
_ 「共依存」 と 「依存的な関係」 に 関する本を読み込んでください。
 
  自分のどのような感情パターンが、 非相互的な関係に駆り立てるか、
 
  真剣に考えてください。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

決断するのを避けること

2015年08月20日 18時14分06秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 43
 
 以下のものは、 一部のnon-BPが 待ち続ける理由として挙げられるものです。
 
 似ていると感じたら、 ○を付けて、 ノートに 自分の考えを記入してください。
 
_ 「私には子供がいるのです」
 
  父親のnon-BPは、 子供の養育権が 母親に行きやすいということを、
 
  別れないための言い訳に使います。
 
  以下のような場合でも。
 
・ 法律や手続を知らない
 
・ 望むものを如何に手に入れるかを 学ばない
 
・ 離婚が子供に及ぼす影響は、 虐待の影響より悪いと 信じようとする
 
_ 「私はパートナーが良くなるのを 待っています」
 
  BPが否認したり、 積極的にセラピーを受けていないとしたら、
 
  これ以上よい状態にはならない という事実を、 受け入れていないということです。
 
_ 「私はひとりになりたくありません」
 
  これをあなたが恐れているとしたら、
 
  パートナーから何を得ているか 自問自答してください。
 
  ひとりになって得られるものを、 ノートに書き留めてください。
 
_ 「もしパートナーががんなら、 去ることはないでしょう。
 
  BPDだからといって、 なぜ去ることができるでしょう」
 
  BPが治療を受けていないなら、 これは見当外れな比喩です。
 
  がんは伝染しませんが、 ボーダー的思考と行動は伝染します。
 
  がんのパートナーは 治療のため一緒に努力するでしょうが、
 
  高機能BPは あらゆる非難をnon-BPに押しつけ、 がんのように扱います。
 
_ 「他に誰も 私を望まないでしょう」
 
  これは 現在の関係を今、 断つ必要があるという 確かなサインです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

BPがパートナーである場合 (2)

2015年08月19日 19時31分09秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
・ BPは問題に対して 責任を取りますか? 
 
  問題に前向きに見ることが、 他の何より 長期的な成功に繋がります。
 
・ 「待ち続けの罠」 にはまりましたか? 
 
  BPが変化するのを すでに5年待っているとすれば、
 
  あと2年や3年待つのが どうだというのでしょう? 
 
  しかし 3年が30年になり、 何も変わらないということになるのです。
 
・ BPが変化する期日を、 あなた自身に言い渡してください。
 
  それまでに変化しなかったら、 決して変わらない可能性が高いのです。
 
・ 行動は言葉より 声高に物語ります。
 
・ BPとの素晴らしい時間でさえ、 悪転する恐怖から、 限定してしまいますか? 
 
  悪くなるに決まっているので、 良い時間が怖いですか? 
 
・ BPがいなくなると寂しい という点を明確化できますか? 
 
・ BPは 「汚い闘い方」 をしますか? 
 
  パートナーシップより、 自分自身を優先しますか? 
 
○ 安心という要因
 
 関係自体より、 誰かとの関係の中にいることに 安心感を得る人は、
 
 次のような特徴があります。
 
・ 弱くて無力に感じる
 
・ パートナーが先に去るのを待つ
 
・ 出口がないように感じる
 
・ 配偶者がいなくては生きていけない
 
・ 将来が恐ろしく、 麻痺した感じがする
 
・ 他者の承認が得られないことが怖い
 
・ 関係に留まるための言い訳をする
 
・ 出ていくと決めても、 BPの怖れ, 義務感, 罪悪感の使用でくじけた
 
 安心を求めて、 BPとの関係に留まるのは、 不毛で 絶望的なことです。
 
 あなたが諦めようとしているものは 何でしょうか? 
 
 それを手に入れるための 別の方法はありますか? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

BPがパートナーである場合 (1)

2015年08月18日 21時37分02秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPとの関係で 選択肢を考察して決断するだめに、
 
 あなたが本当に欲するものを 追究しましょう。
 
 BPのパートナーは 態度を明確化することを 拒む傾向があるので、
 
 人間関係について決断を下すのではなく、 二人の関係を診断します。
 
 行動の方向性を明確化する 手がかりを探すのです。
 
※ アクション・ステップ 42
 
 関係を診断すること
 
 以下の質問の回答を ノートに記してください。
 
・ あなたのBPの 実際の人間性を求めていますか? 
 
  それとも、 BPが初期に そうであるふりをしていた 人物像を求めていますか?
 
・ アクション・ステップ16で作った、 インデックス・カードを見てください。
 
 (あなたがBPに 希望・要求するものの優先順位)
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64631170.html
 
 BPが満たせないような、 優先度の高いニーズは、 どのくらい重要でしょうか? 
 
 BPが 他のニーズを満たす努力をするのを、 どのくらい待つ意志がありますか? 
 
・ あなたや子供に対する 身体的暴力が2回以上ありましたか? 
 
  あれば 真剣に去ったほうがいいですし、
 
  まだなら 去る準備をしておいてください。
 
・ コインを投げて、 表なら留まり、 裏なら去ることにします。
 
  表であるふりをしてください。 どんな気分ですか? 
 
  裏だというふりをしたら? 
 
・ BPは あなたのニーズを 故意に避けようとしていますか? 
 
  それはあっと言う間に慢性化し、 親密さを破壊します。
 
・ 無視されたり、 辱められたりする段階にまで 進んでいますか? 
 
  自尊心が小さくなっていませんか? 
 
  そのような関係は有害です。
 
・ BPは習慣的な嘘つきですか? 
 
・ この関係を総じて、 プラスマイナス・ゼロと思うのは 現実的ですか? 
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

上級のコミュニケーション技術

2015年08月12日 20時28分00秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 もう少し複雑なコミュニケーションモデルを、  「PUVAS」 といいます。
 
 以下の頭文字です。
 
Pay : 注意を払う
 
Understand : 充分に理解する
 
Validate : BPの感情の価値を認める
 
Assert : 自分の現実を自己主張する
 
Shift : BPの感情・行動の責任を BPに返すか、 BPと責任を共有する
 
 BPのためのものである PUVと、
 
 あなたのニーズに働きかける ASの 2段階に分けられます。
 
 正しい順番で行ない、 どれも飛ばしてはいけません。
 
 BPが落ち着いているときに 行ないます。
 
P : 注意を払う
 
 本気で聞きましょう。
 
 何を言うかは考えないでください。
 
 BPが責めてきても、 防衛的になってはいけません。
 
 BPの感情を認め、 隠された気持ちを探すのに 役立ちます。
 
U : 充分に理解する
 
 穏やかに疑問を投げかけ、 具体的に話すよう頼んでください。
 
 問題の原因を見つけ、 BPが自分の誤認を 理解するのを助けます。
 
 自己防衛にはならないでください。
 
V : BPの感情の価値を認める
 
 BPの感情を評価したり、 否定したり、 矮小化するのはやめましょう。
 
 あなたの認識が正しいかどうか BPに尋ねましょう。
 
 (BPは どう感じているか言われたくないのです)、 
 
 庇護者ぶったり、 媚びへつらう感じは避けましょう。
 
A : 自分の現実を自己主張する
 
 事実を伝えてください。
 
 意見を反映するものもあります。
 
 論争はやめ、 自分の信じることを繰り返し、 意見が異なることを受け入れましょう。
 
 説明や口論の余地を 残さないようにしましょう。
 
 「私が必要としているのです」  と言ってください。
 
S : BPの感情・行動の責任を BPに返す
 
 BPをサポートすると知らせますが、
 
 究極のところ、 BPの気分を改善できるのは BP自身なのです。
 
(BPがどんな感情的になっても、 平静を保ちます。)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]