「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

専門家のヘルプを見つけること

2015年08月30日 19時52分44秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 臨床家として、 BPの求めに応じる一方で、
 
 個人的境界を設定し、 BPが変化するように促しながら、
 
 自分を愛せるように助け、 依存させ過ぎずに 関係を深めることは、
 
 熟練した人物でなければできません。
 
 セラピストが 境界の違反行為に気付いて、 突然ルールを変えると、
 
 非常に破壊的な結果になります。
 
○ 臨床家を見つけるのが 難しい理由
 
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害治療の 充分な訓練を受けていない
 
・ 臨床家は一般に、 パーソナリティ障害患者を避ける
 
・ BPD患者を診ている臨床家の 国際的なデータはない
 
・ BPは治療することが最も難しい。
 
  (治療は長く困難だが、 治療の成功は それより一層深い満足感をもたらす)
 
・ 大学では パーソナリティ障害の教育をあまり受けていない
 
・ BPDの原因がまだ分からず、 セラピーの定説はない。
 
  (現時点では、 「DBT(弁証法的行動療法)」 が 最も効果的とされる。
 
  DBTは 患者にスキルを与え、 自己受容と変化のバランスを取る)  
 
○ 精神科医に尋ねるべき質問
 
・ BPDの治療をしていますか? 

  どのくらいの人数を治療しましたか? 

・ BPDをどのように定義しますか? 

  (ほとんどの臨床家は、 高機能BPの問題をよく知らない)

・ BPDの原因は何だと思いますか? 

  (多くの臨床家は、 BPDは親の虐待によると信じている)

・ 治療計画はどうなっていますか? 

・ BPDは改善すると信じていますか? 

  治療して改善したことがありますか? 

・ BPDと共に暮らすストレスを どの程度知っていますか? 

  (家族と共に治療に取り組んでいる 臨床家を探しましょう)

・ 高機能BPを治療したことがありますか? 
 
 
 自分の限界を認めない臨床家がいます。

 直感を信じてください。

 じわじわ続く違和感を覚えたら、 何かがおかしいのです。

 そのような不安を、 あなたに問題があるかのように 扱う臨床家なら、

 それ以上 時間を無駄にすることはありません。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

違うやり方で行動するために 決断すること (2)

2015年08月26日 20時22分47秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
【パート2】
 

 ここで  「今、 ここ」 に 注意を戻しましょう。
 
 話が展開する各段階で、 どう感じていたか 思い出してください。
 
 地下牢に ひとりでいる時の気持ちを、
 
 ノートに できるだけ上手に 言葉で表現してください。
 
 実生活で そのような気持ちになったことがありますか? 
 
 いつ、 どこで、 どんな状況でそう感じたか、 書き記してください。
 
 他の誰かが、 自分以上に苦しんでいると 気づいた時、 どんな気持ちでしたか? 
 
 誰かが地下牢に向かってきた時, 扉を開けてくれた時, 歩み出るよう誘った時は?
 
 どれか 慣れ親しんだものはありましたか? 
 
 そして、 自由の扉の前に立った時、 どんな気持ちでしたか? 
 
 時間をかけて、 その気持ちを言葉で書き留めましょう。
 
 
 人間は 自分の習慣や状況に適応し、 破壊的な物事に慣れてしまいます。
 
 「学習性無力感」 という状態になり、
 
 意識的・無意識的に、 ひたすらおとなしくして、 生き残るようにします。
 
 自分の状況をコントロールするのを、 恐れるようになるのです。
 
 ボーダーの人は、 周囲の人をコントロールすることで 安定を見出そうとします。
 
 しかし、 BPの誤った知識と努力は、 誰のためにもならないのです。
 
 不慣れで恐ろしいかもしれませんが、
 
 自分の人生のコントロールを 回復するのは可能なのです。
 
 BPと距離を取り、 防衛的でないコミュニケーションを使い、
 
 争いに引き込まれるのを 拒否するのが重要です。
 
 人間は 無限の愛する能力を持っていると、 BPに示すことです。
 
 状況をありのままに直視して、 あなた自身のニーズを持つ 努力をすることです。
 
 BPが虐待的であれば、 どのようなものでも合理化してはいけません。
 
 子供が巻き込まれているなら、 子供の安全が最優先です。
 
 BPは自分自身で選択しなければなりませんし、 あなたもしなければならないのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

違うやり方で行動するために 決断すること (1)

2015年08月25日 19時49分50秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 50
 
 想像の中に身を置くことで、 あなたの状況を見極めましょう。
 
【パート1】
 
 邪魔されない時間と場所を選び、 次のシナリオをかみしめてください。
 
 暗くてカビ臭い、 地下牢に閉じ込められていると 想像してください。
 
 何故ここにいるのか分かりませんが、 誰か権力者を怒らせたようです。
 
 あなたは怯えています。
 
 誰かが遠くで、 苦痛と孤独のせいか、 叫んでいる声が聞こえます。
 
 あなたに 同じ運命が降りかかったのかと、 恐怖に駆られます。
 
 外から足音が聞こえてきて、 扉の前で止まります。
 
 扉が大きくきしんで開き、 重いケープを身に付けた、 大きな男が現れました。
 
 見知らぬ男は黙って、 あなたを励ますように微笑み、 着いてくるように促します。
 
 あなたは怯えますが、 着いていくことにしました。
 
 ほの暗い廊下を 延々と歩いていき、 次第に空気が軽くなるようです。
 
 見知らぬ人に感謝を感じますが、 まだ何が起こっているのか分かりません。
 
 やがて、 鉄の門の所へ着き、 門の向こうには 日の光と緑の草が見えました。
 
 男は振り返り、 微笑んでから、 大きな錠を外して 鉄の門を開けました。
 
 「あなたは解放されました。 行っていいのです」
 
 あなたは外に出たいのですが、 まだ恐れています。
 
 「誰が何故、 私を地下牢に閉じ込めたのですか? 
 
 誰かが追ってきたら、 どうなるのでしょう? 
 
 あなたは誰ですか?  何故いま解放してくれるのですか?」
 
 彼は繰り返します。
 
 「もう行っていいのです。 自由なのです」
 
 あなたは混乱しますが、 暖かな日光の中に踏み出しました。
 
 ひどく喉が渇いているのを 思い出します。

 プールの中の噴水に、 水がほとばしっています。
 
 人々が 水差しを水で満たしながら、 泉のそばに 静かに穏やかに立っていました。
 
 まだ 何が待っているのか分かりませんが、 少なくとも暖かく、 快適で自由です。
 
 見知らぬ男が言った言葉は、 あなたのターニングポイントでした。
 
 もし恐れて 外に踏み出さなかったら、 どうなっていたでしょう? 
 
 奇妙な混じり合った感情が 心を流れ抜けていきます。
 
 誰かが カップを手渡して言います。
 
 「お飲みなさい。 ここは水がたっぷりあるのです」
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

BPがあなたの親である場合

2015年08月23日 21時45分23秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 これは最も複雑な関係です。
 
 あなたが小さな子供の時に、 影響を与えたのです。
 
 あなたがBPDの親に会いたいか、 許したいか、
 
 そして自己主張するかの決断を 援助します。
 
※ アクション・ステップ 49
 
 決断の際の恐怖に 対処するものです。
 
【パート1】
 
 深呼吸してリラックスしてください。
 
 BPに関する 最大の恐怖を考えてください。
 
 シナリオ全体を 心の目で詳しく描き、 数分間維持してください。
 
 そうしたら、 「今、 ここ」 へと 自分を引き戻してください。
 
【パート2】
 
 今の心の映像を 言葉で表現してください。
 
 想像のシーンのどれが、 実際に起こりうる可能性が高いか、
 
 そのリストを作ってください。
 
 多分起こらないシーンの 別のリストも作ってください。
 
 両方のリストを見て、 どのでき事が、
 
 実際の経験からよりも、 恐怖から作られたか、 書いてください。
 
 これで、 3つのリストができました。
 
 現実的でき事, 非現実的でき事, 恐怖から生じるでき事です。
 
 論理的側面と想像的側面の 両方を対話させることで、
 
 論理的側面が恐怖を除去する 可能性が高まります。
 
● BPがあなたの子供である場合
 
 青少年は、 親が本気で心配しているということ,
 
 けれども行為の結末というものは 存在するということを、 理解する必要があります。
 
 子供たちが自分の人生に 精力を注ぐ以上に、 親が投資をしてはいけないのです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

治療はどうなのでしょう? 

2015年08月21日 21時45分15秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPが、 自分ではなく他の人が 問題を抱えていると 思い込んでいたら、
 
 注意しましょう。
 
 これに 下手なセラピストが組み合わさると、 致命的です。
 
 良い臨床家は、 過去の問題と、 現在変えなければならないことの、
 
 バランスをうまく取ります。
 
 パートナーが望むなら、 BPDの経験豊かな 精神科医の治療を受けましょう。
 
○ BPの見捨てられ恐怖が発動するとき
 
 あなたが関係を断とうとしても、 BPはあなたを引き戻そうとするでしょう。
 
 これを 掃除機に吸引されることに例えて、  「フーバリング」 と名づけます。
 
 BPが変わると約束し、 あなたが屈伏したら、
 
 BPは、 現実の行動ではなく 行動の約束で、
 
 あなたを操作できると 知ることになります。
 
 あなたは出ていくと言い、 また吸い戻されるという
 
 果てしない循環にはまってしまいます。
 
※ アクション・ステップ 44
 
 あの大きな吸い込み音を消しましょう
 
 以下は、
 
  「フーバーされる」 (引き戻される) ことに 立ち向かうためのアイデアです。
 
 気に入ったものに○をし、 引き戻されるそうな場合の 計画を立ててください。
 
_ 「記録」。 あなたが傷ついた 全てのことを書き出しましょう。
 
_ 「意見を知らしめる」 試みが 失敗するたびに、 自分の視点を書き留めましょう。
 
_ 「普通の」 人々と交際します。 そしてBPと対比してみましょう。
 
_ BPに会う前の 写真に目を通し、 どんなに幸せそうだったか、 見てください。
 
_ BPに関して、 BPDと無関係の 嫌なことは何がありますか? 
 
  病気だという理由で、 BPへの 「憐れみのレンズ」 を捨てることです。
 
_ 「共依存」 と 「依存的な関係」 に 関する本を読み込んでください。
 
  自分のどのような感情パターンが、 非相互的な関係に駆り立てるか、
 
  真剣に考えてください。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

決断するのを避けること

2015年08月20日 18時14分06秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 43
 
 以下のものは、 一部のnon-BPが 待ち続ける理由として挙げられるものです。
 
 似ていると感じたら、 ○を付けて、 ノートに 自分の考えを記入してください。
 
_ 「私には子供がいるのです」
 
  父親のnon-BPは、 子供の養育権が 母親に行きやすいということを、
 
  別れないための言い訳に使います。
 
  以下のような場合でも。
 
・ 法律や手続を知らない
 
・ 望むものを如何に手に入れるかを 学ばない
 
・ 離婚が子供に及ぼす影響は、 虐待の影響より悪いと 信じようとする
 
_ 「私はパートナーが良くなるのを 待っています」
 
  BPが否認したり、 積極的にセラピーを受けていないとしたら、
 
  これ以上よい状態にはならない という事実を、 受け入れていないということです。
 
_ 「私はひとりになりたくありません」
 
  これをあなたが恐れているとしたら、
 
  パートナーから何を得ているか 自問自答してください。
 
  ひとりになって得られるものを、 ノートに書き留めてください。
 
_ 「もしパートナーががんなら、 去ることはないでしょう。
 
  BPDだからといって、 なぜ去ることができるでしょう」
 
  BPが治療を受けていないなら、 これは見当外れな比喩です。
 
  がんは伝染しませんが、 ボーダー的思考と行動は伝染します。
 
  がんのパートナーは 治療のため一緒に努力するでしょうが、
 
  高機能BPは あらゆる非難をnon-BPに押しつけ、 がんのように扱います。
 
_ 「他に誰も 私を望まないでしょう」
 
  これは 現在の関係を今、 断つ必要があるという 確かなサインです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

BPがパートナーである場合 (2)

2015年08月19日 19時31分09秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
・ BPは問題に対して 責任を取りますか? 
 
  問題に前向きに見ることが、 他の何より 長期的な成功に繋がります。
 
・ 「待ち続けの罠」 にはまりましたか? 
 
  BPが変化するのを すでに5年待っているとすれば、
 
  あと2年や3年待つのが どうだというのでしょう? 
 
  しかし 3年が30年になり、 何も変わらないということになるのです。
 
・ BPが変化する期日を、 あなた自身に言い渡してください。
 
  それまでに変化しなかったら、 決して変わらない可能性が高いのです。
 
・ 行動は言葉より 声高に物語ります。
 
・ BPとの素晴らしい時間でさえ、 悪転する恐怖から、 限定してしまいますか? 
 
  悪くなるに決まっているので、 良い時間が怖いですか? 
 
・ BPがいなくなると寂しい という点を明確化できますか? 
 
・ BPは 「汚い闘い方」 をしますか? 
 
  パートナーシップより、 自分自身を優先しますか? 
 
○ 安心という要因
 
 関係自体より、 誰かとの関係の中にいることに 安心感を得る人は、
 
 次のような特徴があります。
 
・ 弱くて無力に感じる
 
・ パートナーが先に去るのを待つ
 
・ 出口がないように感じる
 
・ 配偶者がいなくては生きていけない
 
・ 将来が恐ろしく、 麻痺した感じがする
 
・ 他者の承認が得られないことが怖い
 
・ 関係に留まるための言い訳をする
 
・ 出ていくと決めても、 BPの怖れ, 義務感, 罪悪感の使用でくじけた
 
 安心を求めて、 BPとの関係に留まるのは、 不毛で 絶望的なことです。
 
 あなたが諦めようとしているものは 何でしょうか? 
 
 それを手に入れるための 別の方法はありますか? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

BPがパートナーである場合 (1)

2015年08月18日 21時37分02秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPとの関係で 選択肢を考察して決断するだめに、
 
 あなたが本当に欲するものを 追究しましょう。
 
 BPのパートナーは 態度を明確化することを 拒む傾向があるので、
 
 人間関係について決断を下すのではなく、 二人の関係を診断します。
 
 行動の方向性を明確化する 手がかりを探すのです。
 
※ アクション・ステップ 42
 
 関係を診断すること
 
 以下の質問の回答を ノートに記してください。
 
・ あなたのBPの 実際の人間性を求めていますか? 
 
  それとも、 BPが初期に そうであるふりをしていた 人物像を求めていますか?
 
・ アクション・ステップ16で作った、 インデックス・カードを見てください。
 
 (あなたがBPに 希望・要求するものの優先順位)
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64631170.html
 
 BPが満たせないような、 優先度の高いニーズは、 どのくらい重要でしょうか? 
 
 BPが 他のニーズを満たす努力をするのを、 どのくらい待つ意志がありますか? 
 
・ あなたや子供に対する 身体的暴力が2回以上ありましたか? 
 
  あれば 真剣に去ったほうがいいですし、
 
  まだなら 去る準備をしておいてください。
 
・ コインを投げて、 表なら留まり、 裏なら去ることにします。
 
  表であるふりをしてください。 どんな気分ですか? 
 
  裏だというふりをしたら? 
 
・ BPは あなたのニーズを 故意に避けようとしていますか? 
 
  それはあっと言う間に慢性化し、 親密さを破壊します。
 
・ 無視されたり、 辱められたりする段階にまで 進んでいますか? 
 
  自尊心が小さくなっていませんか? 
 
  そのような関係は有害です。
 
・ BPは習慣的な嘘つきですか? 
 
・ この関係を総じて、 プラスマイナス・ゼロと思うのは 現実的ですか? 
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

花屋さんは今月もいた

2015年08月16日 14時14分12秒 | 心子、もろもろ
 
 心子似の花屋さん (Nさん) が いなくなってしまうかもしれないという話を、
 
 先月書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64740805.html
 
 今月にも店を閉めるかもしれず、 その際には 連絡をくれると言っていましたが、
 
 まだ連絡はありませんでした。
 
 きのう、 心子のお墓参りに行く前に 花屋さんに電話をかけると、
 
 Nさんが出てくれました。
 
 今月中はいることになった ということでした。
 
 店まで行って話を聞くと、
 
 次のオーナー (買い手) が決まらず、 店を続けているそうです。
 
 買い手がつき次第、 今の店はやめるといいます。
 
 そして 今の店の別の支店に行くか、 花屋自体を辞めて会社勤めに戻るか、
 
 それはまだ 何とも言えないということです。
 
 別の支店は 通勤が大変で、 勤務形態が変わるので 難しいとも言っていましたが。
 
 年内は 今の店をやるかもしれない 可能性もあるそうです。
 
 何にせよ、 もう少しNさんと 会うことができるかもしれません。
 
 別の支店は お墓参りのとき、 遠回りになりますが行くことができます。
 
 Nさんも また来てほしいと言っていましたが、 どうなることかとても気がかりです。
 
 心子の引き合わせで 出会えたNさんと、 ずっと会いたいものです。
 

上級のコミュニケーション技術

2015年08月12日 20時28分00秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 もう少し複雑なコミュニケーションモデルを、  「PUVAS」 といいます。
 
 以下の頭文字です。
 
Pay : 注意を払う
 
Understand : 充分に理解する
 
Validate : BPの感情の価値を認める
 
Assert : 自分の現実を自己主張する
 
Shift : BPの感情・行動の責任を BPに返すか、 BPと責任を共有する
 
 BPのためのものである PUVと、
 
 あなたのニーズに働きかける ASの 2段階に分けられます。
 
 正しい順番で行ない、 どれも飛ばしてはいけません。
 
 BPが落ち着いているときに 行ないます。
 
P : 注意を払う
 
 本気で聞きましょう。
 
 何を言うかは考えないでください。
 
 BPが責めてきても、 防衛的になってはいけません。
 
 BPの感情を認め、 隠された気持ちを探すのに 役立ちます。
 
U : 充分に理解する
 
 穏やかに疑問を投げかけ、 具体的に話すよう頼んでください。
 
 問題の原因を見つけ、 BPが自分の誤認を 理解するのを助けます。
 
 自己防衛にはならないでください。
 
V : BPの感情の価値を認める
 
 BPの感情を評価したり、 否定したり、 矮小化するのはやめましょう。
 
 あなたの認識が正しいかどうか BPに尋ねましょう。
 
 (BPは どう感じているか言われたくないのです)、 
 
 庇護者ぶったり、 媚びへつらう感じは避けましょう。
 
A : 自分の現実を自己主張する
 
 事実を伝えてください。
 
 意見を反映するものもあります。
 
 論争はやめ、 自分の信じることを繰り返し、 意見が異なることを受け入れましょう。
 
 説明や口論の余地を 残さないようにしましょう。
 
 「私が必要としているのです」  と言ってください。
 
S : BPの感情・行動の責任を BPに返す
 
 BPをサポートすると知らせますが、
 
 究極のところ、 BPの気分を改善できるのは BP自身なのです。
 
(BPがどんな感情的になっても、 平静を保ちます。)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

自分の見方を認めさせること (3)

2015年08月11日 20時38分18秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
※ アクション・ステップ 41
 正しい対応を選びましょう
 
 以下のa, bのうち、 口論になる可能性が少ない方を 選んでください。
 
1.a) 「あなたは、 私があなたを嫌いだと言うのを 聞いたわけではありません。
 
  b) 「私はあなたが嫌いなのではなく、 愛しているのです」
 
2.a) 「私は仕事を楽しんでいて、 誠心誠意やれば報われると思っています」
 
  b) 「あなたは間違っています。 私は仕事ばかりはしていませんし、 
 
     もし仕事ばかりしているとしたら、 多分家に戻りたくないからでしょう」
 
3.a) 「私は プライバシーを守るのを好みます。
 
     だから家に来るときは、 前もって 電話をしてくれるとありがたいです」
 
  b) 「電話しないで来るのは無礼です。 これ以上しないでください」
 
4.a) 「私は、 あなたが 妹をそんなふうに扱うのを 拒否します。
 
     無礼であり、 配慮にかけています」
 
  b) 「私は母親として、 妹が安全で、
 
     不安がないようにする 責任を感じています」
 
【ステップ3】 認めること
 
 自分の立場を論ずるよりは、
 
 あなた方両方が 自分の感じ方や意見を持つ 権利があるのだということを、
 
 認めてください。
 
 以下は手本となる表現です。
 
・ 意見が異なることに 合意できると思います。
 
・ 二人とも独自の意見があるので、 争わないようにしましょう。
 
・ 分かりました。 あなたは○○○と感じ、 私は○○○と信じています。
 
  物事を見るのは、 いつも 最低2つの見方があるものです。
 
 
 --------------------------------------
 
 アクション・ステップ 41 の解答
 
1. b     2. a     3. a     4. b
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 [星和書店の許可の上掲載]
 

自分の見方を認めさせること (2)

2015年08月09日 19時50分33秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
【ステップ2】 応答すること
 
 自分の言いたいことを表明し、 かつ、
 
 自分には自分の見方, 意見, リアクションを持つ 権利があるのだと 
 
 自己確認することで、 自分の価値を裏付けることができます。
 
 発散できるように 話を聞いてくれる 友人の存在が大切です。
 
 「私」 を主語にしたセリフは、 論争の余地がないものです。
 
 「私はこう感じています」 と言えば、
 
 そのように感じていないと 言うことはできないのです。
 
 何を感じるべきか 命じることはできませんし、 命じるべきではありません。
 
 感情に、 正しい, 間違っているということはありません。
 
 ただただ 存在するのです。
 
 感情表現が、 「あなたは間違っていると思います」 という
 
  「意見」にならないようにしましょう。
 
 感情表現のあとに、
 
 意見を述べる 別の 「私」 主語の文を 続けることはできます。
 
 自分の見方や感情を表わすために、 BPを論駁したり 無効化する必要はないのです。
 
○ 感情と 「私」 主語のセリフ
 
 以下はその例です。
 
 ____ を語句で埋めてください。
 
・ 「私はそうは感じません。 私は ____ と感じています」
 
・ 「私は誤解されたように感じています。 私の意図は ____ でした」
 
・ 「私はその言葉に混乱しています。 どういう意味なのですか?」
 
・ 「私はそれについて 違うふうに感じます。 私の意見は ____ です」
 
・ 「あなたを傷つけるつもりだったと 思われたらごめんなさい。
 
   私が ____ と言ったとき、 私の意図は ____」
 
・ 「私は ____ を愛しているので、
 
   決して ____ なことは 意図的にはしません」
 
(次の記事に続く)
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

自分の見方を認めさせること (1)

2015年08月08日 20時52分03秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 多くのBPは、 ある時には 現実的な話し合いをすることができます。
 
 でもあなたが先に、 BPに耳を傾けることで、
 
 誠意を示さなければならないでしょう。
 
 以下は、 3段階の単純なテクニックです。
 
 (1)BPが言ったことを繰り返し、 (2)感情を込めて 「私」 主語で応答し、
 
 (3)ふたり別々の意見を 持っているのを認めることです。
 
【ステップ1】 繰り返すこと
 
 アイコンタクトをしながら、 BPの言い分を繰り返してください。
 
 これは、 同意をしているのではありません。
 
 単に聞いたということを示しているのです。
 
 話を聞いてもらえたと感じるとき、 人は気分がよくなるものです。
 
 例え相手が同意しなくても。
 
 BPに耳を傾けることに より努力すべきです。
 
 BPの言ったことを繰り返したあとで、
 
  「これが言いたかったの?」 と 尋ねましょう。
 
 違っていたら 繰り返してもらいましょう。
 
 BPの感じ方を尋ねて、  「感情の表現」 を付け加えましょう。
 
※ アクション・ステップ 40
 語句を繰り返すこと
 
 繰り返すとき、 ご機嫌取りのためにへりくだったり、 怒ったり、
 
 優位な立場から 面倒を見ているかのように 感じさせないことです。
 
 あなたの言っていることを しっかり聞いています」 と 語るトーンに努めます。
 
 以下の 役に立つ言い回しを 完成させましょう。
 
・ ________ を信じてると言っているのですか? 
 
・ ________ と考えているように思われますが、 合っていますか? 
 
・ もし 私がこの権利を持てば、 あなたは ________ を望みますか? 
 
・ あなたの話を聞いていると 確認させてください。
 
  私に ________ してほしいのですか? 
 
・ ________ と信じていると、 あなたは言っています。
 
  それが言いたいことですか? 
 
・________ と感じているように聞こえます。
 
  当たっていますか? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

斬って捨てるような セリフや皮肉

2015年08月07日 20時33分47秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 皮肉は 遠回しに傷つける意図があるので、 対応が困難です。
 
 極力小さなことと受け止め、 皮肉に込められた重大性を 認めないことです。
 
○ 皮肉への対応
 
 自己防衛, 説明, 正当化, 反撃は、 全て口論になる元です。
 
 ただ引きこもるのは、 言葉の虐待を許すことになります。
 
 どちらもやめましょう。
 
 その代わりに、 以下のことを実行しましょう。
 
・ 意地悪な意図に 気づかないふりをしましょう。
 
 (さらりと受け流します。)
 
・ こちらが同意しなくても、
 
 あなたの批判者は 意見を持っていることを認識してください。
 
 (そして 自分の意見を変えないでください。)
 
・ BPが 皮肉や否定的なことを言ったら、
 
 当たり障りのない 曖昧なコメントをしましょう。
 
 BPの意見を気にしていないような、 気楽な感じで言ってください。
 
○ 心に留めておくべき、 最も大切な2つのポイント

・ あなたの対応が その場を去ることであっても、
 
 傷つけるコメントを 素通りさせてはいけません。
 
 小さな毒も蓄積すると、 非常に有害になります。
 
・ BPのしていることを 論じたり実行して、
 
 コメントをまともに受け止めてはいけません。
 
※ アクション・ステップ 39
  練習, 練習, そしてもう少し練習
 
1. BPの皮肉コメントを ノートに書き出してください。
 
2. 可能な対応 (心地よいと感じる応答) を書き留めてください。
 
3. ひとりで 声に出す練習をしましょう。
 
4. 想像されるBPの反応を 書き出してください。
 
5. 同じ表現を 繰り返す練習をしましょう。 (「壊れたレコード」 テクニック)
 
  穏やかで抑制を保っている あなた自身を思い描いてください。
 
  BPが何と言っても、 断固として 自分の応答を繰り返すのです。
 
  BPの挑発は ひたすら拒まねばなりません。
 
6. 友人にBPの役を演じてもらい、 練習してください。
 
  BPのあらゆる反応に、 確実に心の平静を 保てるようにしてください。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

不正確な憶測への対応

2015年08月04日 20時52分08秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 BPは自分の感情に捕らわれて、 誤った思い込みをします。
 
 以下の対応例を試してみましょう。
 
・ もし私が あなたを苦しませることを、 言ったりしたりしたら教えてほしい
 
・ 私がそれを言ったときに、
 
  〈悲しく/不安に/ストレスを受けたと/嫌がらせを受けたと/気が散らされたと〉
 
  感じたように見える
 
・ 〈怒り/心配/失望/混乱〉 を感じるのも 不思議ではない
 
・ 私があのことを 〈言った/した〉 とき、 全く悪気はなかったと 信じてほしい。
 
  でも私の言動が  〈苦痛/困難〉 を引き起こしてしまった
 
・ 許してくれることを望んでいる。
 
  そしてこのような 〈結末/問題/感情〉 を
 
  もたらすつもりではなかった という私の言い分に、 耳を傾けてほしい
 
・ このような問題を防ぐ方法があるか、 思い巡らせている。
 
  何かアイデアはありますか? 
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕