「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

介護施設での身体拘束 (2)

2011年04月26日 20時50分45秒 | 介護帳
 
 以前、 介護施設の身体拘束について 記事を書きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61338696.html

 上記の記事に書いたように、

 暴力がある利用者・ Bさん (女性) の 入浴介助をするとき、

 一時的に Bさんの手を抑えているのも 拘束です。

 さらに、 「~してはいけない」 と言って 利用者さんの言動を抑えることも、

 言葉による拘束 (スピーチ・ロック) になるということです。

 ただしこれらは、 倫理的に見た拘束であり、 法律的には 拘束にならないそうです。

 法律上の拘束は、 車椅子にひもで縛りつける,

 ベッドを柵で囲んで 出られないようにする,

 点滴の針を抜かないよう 指なしの手袋をはめる, 部屋に鍵をかける等々、

 器具を用いたものを言うそうです。

 ただし、 倫理的, 法的に見た拘束とも、

 次の3つの条件を 満たした場合には、 やむなく許されます。

1. 自傷他害の危険がある (切迫性)

2. 他に替わる方法がない

3. 拘束が一時的である

 そして 法的な拘束を せざるを得ないときは、 3つのことが必要です。

1. 一部のスタッフの判断ではなく、 施設全体の判断であること

2. 家族に説明し、 承諾を得る

3. 文書で記録を残す

 倫理上の拘束の際は 上記の限りではありませんが、 大切なことが幾つかあります。

 まず、 拘束をしているときは、

 「これは拘束である」 ということを しっかり意識しておくということです。

 「いま利用者さんに 嫌な思いをさせている」 と 意識することによって、

 もっと良いケアができないか、 常に模索することできます。

 その意識がないと、 拘束していることが 当たり前になって

 何も感じなくなってしまい、 それがエスカレートして

 さらに酷い拘束、 虐待的なことを してしまうようになりかねません。

(次の記事に続く)
 
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