「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

被災者の心

2011年04月25日 20時33分44秒 | 東日本大震災
 
 被災から一ヶ月半余り、

 避難所では 大人たちも怒りっぽくなったり、 不眠を訴える人が 多くなっています。

 子供は 急に甘えたり、 多弁になったりします。

 「地震ごっこ」 も、 言葉で表せない 内面の表現として 有名になりました。

 これらは、 異常な出来事に対する、 人間の正常な反応です。

 周りの人が それを理解して、  「大丈夫ですよ」 と 伝えることが大切です。

 被災者が 自然に力を回復するのを 見守り、

 「つながっている」 という 感覚を持ってもらうのです。

 うつ病やPTSD (心的外傷後ストレス障害) が 慢性化する心配もあります。

 どのように防ぎ、 どのように対処するかが 問われます。

 医師や臨床心理士など 心の専門家を増やし、

 彼らの連携による  「心のケア体勢」 を 地域に築くことが必要です。

 津波では、 人を助けようとして 犠牲になった例も少なくありません。

 喪失感に加え、

 自分だけ生き残ってしまった という罪悪感が、 人々の心を苦しめます。

 「津波てんでんこ」 という 三陸地方の言葉も、 よく知られるようになりました。

 「津波のときは 人に構わず てんでばらばらに逃げろ」 という意味です。

 この言葉によって 教訓を伝えると同時に、

 自責の念を和らげる メッセージにできないでしょうか。

 被災地が 力を取り戻し、 再建する長い過程を、 社会全体が後押しする。

 そのことが  「心の復興」 にもつながるでしょう。

〔 朝日新聞より 〕
 
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