「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

銭湯の歩き方

2014年08月25日 20時54分00秒 | Weblog
 
 夏は水風呂に入って、 暑気を吹き払っている σ (^^;)です。

 仕事が休みの日の昼、 炎天下に銭湯へ行って、

 水風呂で 体を芯まで冷やせば、 その後も心地よく過ごせます。

 初めて水風呂に入ったときは、 冷たくて我慢できなかったものですが、

 慣れると 全身とっぷり浸かれるようになります。

 長く入りすぎたときは、 その後ぬるい湯船に入ると、

 無茶苦茶に気持ちがいいことを、 先日知りました。

 お湯の温度が 冷たい体に じわじわ~っと染み入ります。

 また新たな楽しみを 見つけました。  (^^)

 でも今年の猛暑も もう終わりのようですね。

 夏は暑いのが好きな σ (^^;)は 残念でなりません。

 露天風呂・ 岩風呂などは これからも年中堪能できますね。

 露天風呂といっても 都会の真ん中の風呂屋ですから、

 隣がマンションだったりもするし、 周囲は塀などで覆われています。

 ほとんど屋内のような所や、 ごく狭い所もありますが、

 きのうの記事の写真のように 結構な露天も味わえます。

 サウナは、 大半の銭湯が 別料金で有料ですが、 無料の所もあります。

 僕は サウナは特に好きではないので、 無料のときだけ入ります。

 あと、 電気風呂は苦手で入れません。  (^^;)

 檜風呂, 打たせ湯, 歩行湯, プールその他、

 特徴的な浴槽などがある湯屋は また一興ですね。

 東京都浴場組合が発行している回数券があり、 都内の銭湯にどこでも入れます。

 有効期限が間近になると、 新しい期限の回数券に 交換してくれるので便利です。

 ちなみに、 このページで浴場を探しています。 σ (^^;)

http://onsen.enjoytokyo.jp/sentou/tokyo/

 皆さんもよかったら、 たまには外風呂もいかがでしょうか? 
 
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銭湯巡りが趣味に  (^^)

2014年08月24日 22時15分45秒 | Weblog
 
 銭湯巡りが すっかり趣味になってしまった σ (^^;)です。

 ネットで 良さそうな銭湯を調べ、 あちこちへ自転車で行っています。

 去年 引っ越す前までの所では、

 銭湯は 自転車で10分くらいの範囲に 4軒しかありませんでした。

 でも今の所は、 その範囲に20数軒あります。

 昔ながらの造りの ひなびた銭湯もありますが、

 最近は、 ジャグジーやサウナ,  薬湯, ミルク風呂その他,

 様々な浴槽を据えた 新しい銭湯が増えています。

 小さなスーパー銭湯のような 趣向のある所もあります。

 自転車で行く守備範囲を広げて、 新しい銭湯を開拓したりし、

 それらを網羅していくだけでも楽しめました。

 その後、 よく行く映画館や、 職場へ通う道の近くにある 銭湯を探して、

 寄るようになりました。

 僕は露天風呂が好きなので、 露天風呂があるのを条件に 探しています。

 職場のデイサービスの 送迎途中にある銭湯も、

 最近リニューアルしたばかりの デラックスな所です。

 1500メートル掘削したという温泉や、 広い露天風呂などが魅力ですね。





 さらに最近は、 時折行く場所の 道すがらにある銭湯も調べて、

 趣味を拡大しています。

 現在総計で60軒くらいになり、 これから新たな湯屋へ行くのも 楽しみです。

 先日は、 心子の墓参りに行った帰りに、 素敵な銭湯に浸かってきました。

 とても銭湯とは思えないような、 しゃれた様式です。





 こういう工夫を凝らした銭湯が お客を集めるんですね。
 
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17年ゼミ (2)

2014年08月20日 21時18分35秒 | Weblog

(前の記事からの続き)

 はじめは 12~18年などの周期の セミもいましたが、

 異なる周期のセミが交配すると  「交雑」 となり、 子孫は滅亡していきます。

 従って 同じ周期のセミ同士が 交配する必要があります。

 そこで、 13, 17という、 比較的大きな素数が 重要な意味を持ってきます。

 13年と17年の最小公倍数は221年で、

 両者が同じ年に羽化するのは 221年に一度だけということになります。

 そうすると、13年ゼミと17年ゼミは 交雑することがほとんどなく、

 種を保っていくことができます。

 (以前は 種の保存と考えられていましたが、

 現在は 個のDNAの保存と考えられます。)

 他の周期のセミは 最小公倍数が小さくなるので、 交雑する機会が増え、

 その結果 次第に絶滅していったといいます。

( ex. 15年周期と17年周期の セミが交雑すると、

 子孫は 中間の16年周期になるかもしれず、

 16年周期は 他のセミと同期になりやすいため、 淘汰されていきます。

 ただし、 本当に 中間の16年周期になるのかということは、

 証明されていないそうです。)

 氷河期が過ぎて 地球が暖かくなっても、

 大量発生で捕食者から身を守る という性質は獲得されているので、

 この周期が保たれているということです。

 その後、 13年ゼミと17年ゼミの 生息地域が変化していって、

 両者が共生する 地域がなくなったと 考えられるのかもしれません。

 いずれにしても、

 やはり 生物の進化の戦略, DNAの力というものには、 本当に驚嘆します。

 17年ゼミの学名は  「Magicicada」 で、

 “魔法のセミ"  という意味だそうです。
 
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17年ゼミ (1)

2014年08月19日 20時04分15秒 | Weblog

 以前TVで、 17年ごとに大量発生する  「17年ゼミ」 というのを見ました。

 17年という素数の年にだけ 羽化するのは、

 生き残りのための手段だという話でしたが、 その理屈をよく覚えていませんでした。

 今回ネットで調べてみて、

 いくつかのサイトの記述を総合すると、 次のようにまとめられそうです。

 17年ゼミは昆虫のなかで 最も長生きするもののひとつで、

 その生物時計は驚くほど正確です。

 他に13年ゼミというのもあり、 素数ゼミと言われます。

 アメリカの 限られた数ヶ所かに生息し、

 各地域で 17年ごと, 13年ごとに、 何億匹と同時に生まれます。

 その地方では とんでもない騒音問題にもなるそうです。

 なお、 17年ゼミと13年ゼミが 共にいる地域はほとんどないとのことです。

 なぜ素数ごとの年にだけ 大量発生するのでしょうか? 

 当初は、 大量発生することによって、

 捕食されることから身を守る (食べ尽くされることがない)

 という学説がありました。

 しかしそれだけだと、 なぜ17, 13という素数なのか という説明はつきません。

 その後 日本の学者が、 氷河期からの進化に関係がある という説を発表しました。

 (「素数ゼミの謎」 吉村仁/文藝春秋)

 氷河期は、 セミの幼虫の栄養源である 木の養分が乏しくなり、

 セミの成長の速度も遅くなって、

 地上に出るまで 10年以上かかるようになりました。

 また個体数も減って、 地上に出ても 交配相手に出会える確率も 低くなりました。

 そのため 同時に大量発生することで 交尾の機会を高める、

 という進化の方向を辿ります。

(次の記事に続く)
 
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セミの生涯

2014年08月18日 19時51分37秒 | Weblog
 
 昨日の記事に続いて、セミの話です。

 セミは 何年間も地中でじっと過ごし、

 地上に出たら 約1週間だけ鳴いて息絶えていく、

 あっけない命のようによく言われます。

 でも、 セミは地中での生活が 本当の生涯なのだ、

 という意見を見たことがあります。

 我々は 地上のセミの姿を目にして、

 それが本来の 「セミ」 のように思っていますが、

 セミにとっては それは最後の一時期だけの 姿に過ぎないということです。

 例えば 鮭などは、 一生のほとんどを海で過ごし、

 繁殖のときだけ川を上って、 産卵して役目を終えます。

 鮭にとっては 海での生活が普通の姿であるように、

 セミも地中の生活が 元々の生き方だというわけです。

 地面に出てきて 交尾の相手を見つけるために鳴くのは、

 繁殖のためだけの 最後のひとときの姿ということになります。

 賑やかに鳴くのが 「セミ」 で、 それを儚いなどと思うのは、

 確かに人間の側だけの 感傷かもしれません。

 ちなみに、 セミが生涯の大半を終えて 地上に出てきたときは、

 人間にすれば よれよれの老人なので、

 あれだけ激しく鳴けば 1週間で死ぬのは当たり前、

 というコメントも 最近見ましたが、 これはジョークですね。  (^^;)
 
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セミの脱け殻が 超密集

2014年08月17日 13時34分15秒 | Weblog
 
 先日友だちが、 知り合いが撮った写真を 送ってくれました。

 ビックリです!!

 散歩中に公園で見つけたそうです。



 こんなに脱け殻が密集しているのは 始めて見ました。

 ネットでも 幾つか脱け殻が集まっている 写真はありますが、

 ここまでのものは見当たりません。

 どうして1本の木に、 しかも、 ある部分に線を引いたように その上だけに、

 これほど集中したんでしょうね。

 たまたま この木に沢山産卵され、

 根元の地中にいた幼虫が 出てきたんでしょうか? 

 本当に不思議です。(?.?;)


 もう1枚、 同じ日の朝に撮ったという 写真を送ってくれました。

 これも とてもきれいな羽化ですね。


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他の方法/結び

2014年08月13日 21時31分37秒 | 「BPDファミリーガイド」より

o 手がかりに注目しましょう

 以下の兆候が見られたら、

 本人の気持ちを 紛らわせてあげられるかもしれません。

・ 緊張した顔の表情

・ そわそわする

・ 手を握りしめる

・ 唇が震える

・ 前かがみになる

・ 眉をひそめる

o 皆さん自身に 正の強化をしましょう

 自分自身に対しても 正の強化を用いることができます。

 できなかったときに 自分を責める代わりに、 できたときに 自分を褒めるのです。

 自分の感情を把握するために、 皆さん自身の手がかりにも 注意してください。

○ 称賛についての 「TIPS」

 ちょっとした進歩に報いてください。

 物事は完璧である必要はありません。

 TIPSは以下の頭文字です。

T: 誠実に (true)。

  人は、 受けるに値しない称賛を 見抜くものです。

I: 迅速に (immediate)。

  その行動が行なわれたときに 褒める。

P: 前向きに (positive)。

  その行動が再現される可能性が 高まります。

S: 具体的に (specific)。

  判断するのではなく、 観察したことを述べてください。

  「あなたは怒り狂う前に、 10まで数えて 喧嘩を避けたのよ」 のほうが、 

  「あなたが10まで数えたやり方が よかったと思うわ」 より良いでしょう。

  前者は 自己評価を築く助けになりますが、

  後者は 本人を皆さんの意見に 依存させてしまいます。


● 結び 「今日からスタートです」

 希望と奇跡は、 よく目を凝らせば、 皆さんの周りにあります。

 希望は自分自身で抱くものであり、 選択は自分自身で行なうものです。

 大切な人を変えることはできませんが、 皆さん自身を変えることならできます。

 必要なのは、 次の3つだけです。

1. 大きく、 胸いっぱいに深呼吸しましょう。

2. 「信頼に基づく賭け」

  BPDの人の行動を、 例え それが人を傷つけるものであろうと、

  個人的に受け止めないことです。

  境界設定や強化の 効果が見えないときでも、 信じて努力を続けましょう。

3. さあ、 皆さんのボートを 見つけに行きましょう。

(以上)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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望まない行動を訓練しない

2014年08月12日 19時42分28秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
o 「最も強化しないシナリオ」

 関心を引くことを意図した 不愉快なコメントに対しては、

 無表情なままでいる (頭から爪先までのポーカーフェイス) のが、

 「最も強化しないシナリオ」 です。

 どのような反応も 行動を誘発するからです。

 反応したいという衝動を、 自己コントロールする必要があります。

 ただし、 虐待的, 危険な行動に対して これを用いてはいけません。

o 相容れない行動

 BPDの人を止めるよりも、

 別のことに 彼らの関心を向けるほうが たやすいものです。

 望ましくない行動とは相容れない、 別の行動へと向けてあげてください。

 BPDの人は、 怒ることと笑うことを 同時にはできないのです。

 本人にとって大切なことを 褒めてあげると、

 怒っていたのが 話し合えるようになるかもしれません。

o 問題のある行動がなくなったら、 それに報いましょう

 BPDの人が文句を言っているときは、

 最も強化しないシナリオ (無視するのではなく見逃す) を用います。

 しかし 他の話をするときには、 熱心におしゃべりしましょう。

 BPDの人の多くは時に、 全く正常に行動します。

 これは他の行動を強化する 豊富なチャンスを与えてくれます。

 本人の好ましい点を よく考えてください。

 成功の鍵は、 好ましい行動が起こっているときに 強化することです。

・ 「あなたの……なときが好きなの」

・ 「君といるとすごく楽しいよ」

・ 「……してくれてありがとう」

・ 「あなたは本当によく頑張ったね」

 触れたり、 近づいたりすることで、 言葉を介さず 強化することもできます。

o 一般的な称賛

 本人のネガティブな点を 話すのではなく、

 彼らの長所を 伸ばせるようにしてください。

 ポジティブな対処行動に対しても、 報いてあげてください。

・ 「この前、 君は動揺したとき 物を投げる代わりに 散歩に行ったよね」

 しかし 子供に対しては、 褒めすぎないよう注意してください。

 子供は進歩すると、 親が 全て順調だと考えて 離れていくのではないかと恐れます。

 「本当によく頑張ったね。

 でも、 あなたにとって ストレスが大きくはないかと心配してるの」

 といったメッセージなら、 共感的で危険も少ないでしょう。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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消去バースト

2014年08月11日 20時01分45秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 状況は改善する前に 必ず悪化します。

 境界を試される段階は長く、 辛いものになるでしょう。

 BPDの人は状況を戻そうとして 一層行動化します。

 これは 「消去バースト」 と呼ばれます。

 消去バーストは、 行動が報酬が引き出さなくなったときに 起こります。

 BPDの人は 行動のレベルを上げ、 それでも境界が堅固だと、

 さらにレベルを高めます。

 重要なのは、 激しくなった行動を予測し、 なすがままにさせることです。

 強化を与えなければ、 行動は最初はゆっくりと、 やがて迅速に減り始めます。

 ただし、 境界を時々守らないと、 断続的強化を与えてしまいます。

 最初の数週間~数カ月間は、 最も困難になると 心に留めておいてください。

 BPDの人は、

 「以前はうまくいっていた。 もっと激しく行動したら またうまくいく」 と考え、

 より強い、 または別の不適切な行動を 取ることがよくあります。

 どれほど強烈に巻き込まれそうになっても、 断固として境界を守ると、

 行動化の時間はだんだん短くなり、 激しさも薄らいできます。

 やがてBPDの人は、 自分を落ち着かせ、

 そのあと話をすることができるようになるでしょう。

 ここに辿り着くまでには 何年もかかりますし、 何度も練習を重ねる必要があります。

 でもBPDの人は 自分に起こっていることに気付き、

 自分をよく理解するようになるかもしれません。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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強化

2014年08月10日 19時59分29秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 強化子と境界

 BPDの人が 境界を守らないことに対して、

 本人に正の強化をすることは 控えてください。

《正の強化子と 負の強化子を見つけましょう》

 境界がうまくいかないのは、 BPDの人が それを守らないからではありません。

 non-BPの人が 自分自身の境界を守らなかったからです。

 彼はBPDの人にとって  「迫害者」 から 「救済者」 になってしまいます。

 議論は強化になり得ます。

 重要なのは、 皆さんが何をするかであり、 何を言うかではありません。

 あなたが言うことが正しいとしても、

 BPDの人との言い争いには 対処していないのです。

 あなたの仕事中に電話をかけない という境界を設定したとします。

 BPDの人が 仕事中に電話をしてきたら、

 「帰ってから話しましょう」 と言って 受話器を戻し、

 BPDの人が電話をかけてくるたびに、 その行動がなくなるまで、

 これを繰り返します。

o 断続的な強化

 あなたが一貫して行動し、 仕事中は電話に出なければ、 BPDの人は学ぶでしょう。

 問題行動はそれが止まったときには  「消えている」 のです。

 もしある日、 仕事中に電話に出たら、 電話することを強化してしまいます。

 これは 「断続的強化」 と呼ばれます。

 断続的強化により、 行動は消えることが ほぼ不可能になります。

 よい例がパチンコです。

 パチンコは 時には儲かることがあるのでやめられません。

 境界を設定したら、 違反が起きるたびに 注意することが重要です。

 境界を遵守するのは、 最初はかなりエネルギーが必要です。

 小さなことから始める 理由でもあります。

 BPDの人は1年後2年後に 皆さんを試すことさえあるのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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パワーツール5 : 適切な行動を強化する

2014年08月09日 23時07分32秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 境界を設定したら、 それを維持することです。

 non-BPの人の 次のようなコメントがあります。

・ 「彼が境界を取り除こうとし、 私は弱気になってしまいました。

  もう耐えられないのに、 さらに耐えることになってしまったのです」

・ 「境界は設定されては壊されます。 その繰り返しなのです。

  まさに地獄と化したのです」

 BPDの人は 境界を何度も試すでしょう。

 重要なのは、 皆さんが何をするかであり、 何を言うかではありません。

 (BPDの人に境界を守らせる 説明や議論をするのではなく、

 あなたが境界を守ることです。)

 境界を有効にする行動を、 強化してください。

 境界を遵守するのです。

○ 強化

 「強化子」 とは、

 再びその行動をする可能性を 増大させるか、 低下させるかに

 作用するものをいいます。

o 正の強化子と 負の強化子

 繰り返し実行される可能性を 高める行動は 「正の強化子」,

 低める行動は 「負の強化子」 と呼ばれます。

《赤ん坊が泣く》

正の強化子:

 赤ん坊が抱き上げられる, ミルクを与えられる。

 これらの行動は、 赤ん坊が寂しかったり、 お腹が空いたときに、

 再び泣く可能性を高くします。

負の強化子:

 赤ん坊が無視される。

 孤児院の大人が 子供を見ないでいると、

 子供は頭をぶつけても 泣かなくなってしまいます。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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境界について話し合いましょう (3)

2014年08月03日 21時30分03秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○本人が 自分の立場を尊重されていると感じられるように 伝えましょう

 本人のニーズと願望を承認し、

 境界を定着させるか、 何度も繰り返し述べてください。

・ 「私たちのどちらかが正しいと 決めたいわけじゃないの。

  関係を最善のものにしようとしているのよ。

  私に必要なのは……」

・ 「僕は自分自身について、

  何ができて何ができないのか、 何を必要としているのか、 学んでいるんだよ」

・ 「僕は自分の気持ちに素直に、 誠実であろうとしているんだ。

  僕に必要なのは……」

・ 「僕たちが 物事を同じように見ていないのは 確かだよね。

  僕に必要なことは……」

○ 練習, 練習, 練習です

 BPDの人が目の前にいるつもりで、

 皆さんが言おうとしていることを 思い浮かべてください。

 もっとよいのは、 友人と一緒にロールプレイすることです。

○ ポジティブなセルフトークを試しましょう

 セルフトークとは、 ほぼ常時行なわれている、 頭の中での会話です。

・ 「自分の境界を設定するのは、 慣れるまでは違和感があって 馴染めないものさ」

・ 「私は恐れている…… でも、 自分の安全を守るために これを作ったのよ」

・ 「僕は彼女のことを とても大切に思っているんだ。

  彼女はそれが理解できないけど、 それはそれでいい」

・ 「長い目で見て、 彼のニーズに応えられるために、

  今は私自身の境界を 守る必要があるんだわ」

○ お子さんのために境界を設定しましょう

 BPDの夫を持つある女性は、 次のように言っています。

 「夫が息子たちに激怒し始めたら、

 子供に、 自分の部屋へ行っていてね、 と話します。

 子供たちが問題なのではなく、

 父親のほうが 自分の感情に対処する時間を 必要としていると、

 分かってもらうためです。

 子供たちには、 お父さんが怒っているときには、 お父さんのことは気にしちゃだめ、

 と言ってあります」

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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境界について話し合いましょう (2)

2014年08月02日 20時36分12秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○許可を求めたり 過剰な説明をしないでください

 言わないことは、 言うことと同じくらい重要です。

 自分の期待を述べる代わりに、 境界設定の許可を求めるというのは、

 最もよく見られる過ちです。

 言い争いに引きずり込まれないために、 本人の同意を得なければという

 強い欲求を手放してください。

 過剰に説明したり、 弁護してはいけません。

 質問に ただちに答える必要はありません。

 侮辱されても、 本人の心底からの気持ちと 捉えないでください。

 本人が言うほど 皆さんが悪い人間なら、 彼らは皆さんのそばにいないでしょう。

○ アサーティブに、 でも優しく

 やり取りの焦点が境界設定になると、

 通常は双方とも、 理解されていないと感じます。

 BPDの人が異常で 操作的であるように感じるでしょうが、

 本人は自分のほうが誤解され、 承認されていないと感じているのです。

 声の調子や表情などの身体言語は、 言葉よりはるかに多くを述べています。

 時には優しくしたいと思い、 時には有無を言わせず 断言したいと思うでしょう。

すべきこと:

・ アイ・コンタクトを用いましょう。

  誠実に、 しかし確固として。

・ 立っている場合は、 足を広げて、 姿勢を大きく見せると、

  しっかり自分を主張する感じになります。

・ 穏やかで、 落ち着いた、 優しい声色で話しましょう。

・ 速すぎない速さで話します。

・ 脅威を与えないよう、 近づきすぎないように。

すべきでないこと:

・ 指を差す

・ 大声を出す

・ 睨みつける

・ 卑屈な感じで下を見る

・ 腕を組む

・ 腰に手を当てる

・ 椅子に浅く腰かける

・ 相手に近寄りすぎる

・ ため息をつく

・ 両手を握りしめる

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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