「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

焦点のシフト

2016年06月28日 20時49分41秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-3 焦点のシフト
 
 意識の流れにおいて、 焦点を当てているものを特定するものです。
 
 注意をあちこちに シフトさせるのに役立ちますが、
 
 感情と感覚の焦点のシフトを 区別するのに役立ちます。
 
 現在の瞬間の経験と、 感情的に内的に起きていることを 分離することによって、
 
 どちらに焦点を当てるかという 選択肢を与えてくれます。
 
 練習の前に、 現在どのように感じているかということを 見極める必要があります。
 
 人が完全に無感情であることはありません。
 
 次の指示を読んでください。
 
 レコーダーに録音しておいて、 流しても構いません。
 
● 指示
 
 10分間は邪魔されない部屋で、 落ち着いて座ります。
 
 注意をそらす音は消してください。
 
 ゆっくりと深呼吸を数回し、 リラックスしましょう。
 
 目を閉じて、 自分がどのように感じているか注意し、 感情に名前を付けてください。
 
 感情に形があったら どのように見えるか思い描いてください。
 
 〔以下、 焦点 (注意) をシフトさせるごとに、
 
 それを時間をかけて行ない、 ゆっくり深呼吸を続けます。
 
 シフトさせるごとに 1分間、 間を置いてください。〕
 
 目を開けて、 何かひとつの物に 焦点を当てましょう。
 
 形と色に注目し、 手にした感じや 重さなどを想像してください。
 
 その物について できるだけ詳しく表現しましょう。
 
 目を開けて、 自分の感情に焦点を戻してください。
 
 感情を表わしていると思う 音について考えましょう。
 
 騒音でも歌でも結構です。
 
 次は、 感情に関連した 行動について考えてください。
 
 感情への理解を深めるものなら 何でも構いません。
 
 ここで目を閉じたまま、 聞こえてくるどんな音にも注意しましょう。
 
 部屋の外や中から聞こえる音が、 何であるか留意してください。
 
 思考によって注意がそれたら、 焦点を聴覚に戻します。
 
 焦点を感情に移し、 感情の強度と特徴を描写しましょう。
 
 創造的になって、 必要なら比較してみてください。
 
 今度は、 嗅覚に集中します。
 
 何の匂いにも気付かなければ、 空気が鼻孔に入っていくのを 意識しましょう。
 
 焦点を感情に戻します。
 
 感情に関して抱いている 思考に注意しましょう。
 
 できるだけ具体的に、 その思考が別の感情でないことを 確認してください。
 
 最後に、 触覚に注意を向け、 何か物に触れましょう。
 
 どんな感じがするか留意しましょう。
 
 指先で感じる感覚に 注意してください。
 
 終わったら、 ゆっくりと3~5回深呼吸をし、 焦点を部屋に戻しましょう。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

感情の描写

2016年06月23日 20時51分03秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-2-4 感情の描写
 
 まず、 ひとつの感情を選んでください。
 
 できれば いま感じている感情を選びます。
 
 ただし、 その感情が 圧倒されるように自分を傷つけない場合です。
 
 そうでなければ、 最近感じた感情で 思い出せるものを選んでください。
 
 でき事や状況ではなく、 その状況でどう感じたか 具体的になりましょう。
 
 探求したい感情を特定したら、 それを用紙に書き留めてください。
 
 次に、 想像で、 その感情がどんな姿をしているかを 絵にします。
 
 例えば 幸せな気分なら、 太陽の絵かもしれません。
 
 次に、 その感情を表現する 音を考えましょう。
 
 例えば 悲しい気持ちなら、 ある歌が その感情を表現しているかもしれません。
 
 それを絵の側に書いてください。
 
 次に、 その感情にしっくり来る行動を 表現しましょう。
 
 例えば 内気に感じている場合、 逃げたり隠れたりすることかもしれません。
 
 それを絵の側に書きましょう。
 
 次は、 感情の強度を表わしてください。
 
 例えば、 とても神経質に感じていて その気持ちが強いなら、
 
 「ロックコンサートのドラムのよう」  と書いてもよいでしょう。
 
 あるいは 少し怒っているなら、
 
 「蚊に刺されたあとのようだ」  と書くのもよいでしょう。
 
 それが終わったら、 その感情がどんな感じかという 全体的な特徴を、
 
 簡単に説明してください。
 
 もし神経質に感じているなら、 「膝がガタガタ震えている」  かもしれません。
 
 怒り出しているなら、 「沸騰する直前の水」  のようかもしれません。
 
 最後に、 自分の感情によって生じる 思考を付け加えましょう。
 
 思考であって、 感情ではないことを はっきり理解しておいてください。
 
 思考と感情を分離することによって、 両方をより管理できるようになります。
 
 例えば 自信を感じているなら、
 
 思考は、 上司に昇給を求められる、 ということかもしれませんし、
 
 人生で自信や成功を感じた 他のでき事を思い出すかもしれません。
 
 傷つきやすく感じているなら、
 
 思考は、 これ以上の生活のストレスには 耐えられないと思っている,
 
 あるいは、 自分が強くならなければ 今後いかに苦闘するか、
 
 ということかもしれません。
 
 
※ あなたの感情を表現しましょう。
 
感情の名前:_______________________________
 
感情の絵を描きましょう。
 
それに関連した 行動を述べてください。
_____________________________________
 
それに関連した 音を表現してください。
_____________________________________
 
その感情の強度を 表現してください。
_____________________________________
 
その感情の特徴を 表現してください。
_____________________________________
 
その感情に関連した 思考を書いてください。
_____________________________________
 
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

思考を和らげる (2)

2016年06月22日 20時46分30秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
● 指示
 
 邪魔されない部屋で、 落ち着いて座りましょう。
 
 深呼吸を数回し、 リラックスして目を閉じてください。
 
 想像上で、 海辺, 小川の辺, 野原, 部屋の中で、
 
 自分の思考が やって来ては去っていくのを 見ていましょう。
 
 それから、 自分が抱いている思考を 認識しましょう。
 
 思考を止めようとせず、 あなたが選んだ方法で、
 
 思考が消えていくのを見ていましょう。
 
 思考を表わす イメージでも言葉でも、 効果的なものを使ってください。
 
 思考にはまり込まず、
 
 思考が生じ、 消えていくのを見るのに ベストを尽くしましょう。
 
 呼吸を続け、 アラームが鳴るまで、
 
 思考がやって来ては消えるのを 見ていましょう。
 
 終わったら、 ゆっくりと数回深呼吸をし、
 
 ゆっくり目を開けて、 焦点を部屋に戻してください。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

思考を和らげる (1)

2016年06月21日 19時59分52秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-2-3 思考を和らげる
 
 これは 「アクセプタンス・コミットメント療法」 (ACT) から
 
 取り入れた技法です。
 
 感情的な苦痛に きわめて有効です。
 
 苦痛に満ちた思考が繰り返されると、 それらにはまってしまいやすくなります。
 
 思考を和らげると、 思考にはまらず、 マインドフルに観察する助けになります。
 
 練習をすれば、
 
 焦点を当てたい思考と 手放したい思考を 選択する自由を与えてくれます。
 
 このスキルの目的は、 思考が害を与えることなく 漂うように去っていくのを、
 
 イメージか言葉で視覚化することです。
 
・ 野原で、 自分の思考が雲に乗って 去っていくのを想像する。
 
・ 小川のそばで、 思考が木の葉に乗って 流れていくのを思い描く。
 
・ 砂浜に思考が書かれ、 波がそれを消し去るのを観察する。
 
・ 車を運転していて、 思考が書かれた看板が 過ぎ去っていくのを見る。
 
・ 思考が頭を離れて、 ろうそくの炎で焼けるのを 想像する。
 
・ ドアがふたつある 部屋の中に立ち、 思考が ひとつのドアから入ってきて、
 
  もうひとつのドアから 出ていくのを観察する。
 
 これらのアイデアがうまくいかなかったら、 あなた自身のアイデアを考えましょう。
 
 この練習の目的は、 思考にしがみついたり、 分析したりせず、
 
 それらがやって来ては去っていくのを 視覚的に見ることです。
 
 徹底的受容を用いてください。
 
 思考をあるがままにし、 自分を批判しないようにしましょう。
 
 ただ思考を 行ったり来たりさせてください。
 
 慣れるために、 次の指示を読んでください。
 
 タイマーを3~5分セットし、 慣れてきたら 8~10分と延ばしていきます。
 
(次の記事に続く)
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

3分間の思考を記録する

2016年06月20日 20時03分10秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-2-2 3分間の思考を記録する
 
 3分間に出てくる思考の数を 見極めます。
 
 いかに心が迅速に動いているかについて、 マインドフルになれるでしょう。
 
 タイマーを3分間セットして、 出てくる全ての思考を 紙に書いてください。
 
 思考を表わす 一言か二言の単語を 書き留めます。
 
 例えば この練習について考えたら、 「練習」 と書いてください。
 
 終わったら、 思考の数を数え、 それに20をかけて、
 
 1時間に どれだけの思考を抱く可能性があるかを 把握しましょう。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

内的 - 外的経験

2016年06月18日 22時25分16秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※練習 3-2-1 内的-外的経験
 
 身体的感覚や思考など、 内的に経験していることと、
 
 五感を使って 外的に経験していることに、
 
 マインドフルに、 集中して、 交互に、 注意をシフトする練習です。
 
● 指示
 
 10分間は邪魔されない部屋で、 落ち着いて座りましょう。
 
 気を散らす音は消し、 ゆっくりと数回深呼吸をして、 リラックスしましょう。
 
 まず、 部屋の中の ひとつの物に集中してください。
 
 色や形に注意し、 触れたらどんな感じか、 重さはどのくらいか 想像してください。
 
 その物について できる限り詳しく表現しましょう。
 
 深呼吸を続け、 焦点がそれても自分を批判せず、 ただ練習に注意を戻しましょう。
 
 [ここで1分間、 間を置いてください。]
 
 次に 身体感覚に注意し、 頭の先からつま先まで、
 
 自分の身体を 細かくチェックしてください。
 
 筋肉の緊張, じんわりとした刺激感, 他の感覚にも注意しましょう。
 
 深呼吸を続けましょう。
 
 [ここで1分間、 間を置いてください。]
 
 次は 聴覚に注意を向けてください。
 
 外から聞こえてくる音, それが何なのかに注意しましょう。
 
 今度は、 部屋の中の音に注意しましょう。
 
[1分間、 間を置いてください。]
 
 身体に焦点を戻しましょう。
 
 自分の身体の重み, 足の重み, 頭の重みを感じましょう。
 
 思考によって注意がそれたら、 それが何なのか認識し、
 
 身体感覚に注意を戻してください。
 
[1分間、 間を置いてください。]
 
 今度は 嗅覚に焦点を当ててください。
 
 よい香り, そうでない香りに注意しましょう。
 
 匂いがしなければ、 鼻からの空気の流れを 意識しましょう。
 
[1分間、 間を置きます。]
 
 再び 焦点を身体感覚に戻します。
 
 もう一度、 頭からつま先まで 細かくチェックしてください。
 
[1分間、 間を置きます。]
 
 最後に、 触覚に注意を向け、 何か物に触れましょう。
 
 ざらざらしているか滑らかか, 硬いか柔らかいか、 注意しましょう。
 
 指先の皮膚の感覚を 意識してください。
 
[1分間、 間を置きます。]
 
 数回ゆっくりと深呼吸をし、 部屋に焦点を戻しましょう。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

光の帯

2016年06月15日 20時39分27秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-1-3 光の帯
 
 自分の身体的感覚に、 よりマインドフルになれる 手助けをしてくれます。
 
 以下の指示を 落ち着いた声で録音し、 練習の間に流してもよいでしょう。
 
 焦点がそれ始めても構いません。
 
 注意を練習に戻し、 自分を批判したりしないようにしましょう。
 
● 指示
 
 10分間邪魔されない部屋で、 落ち着いて座り、 気を散らす音は消しましょう。
 
 何回か深呼吸をし、 目を閉じましょう。
 
 細くて白い光の帯が 後光のように、
 
 あなたの頭頂部を 旋回しているのを想像してください。
 
 そこで感じる 身体的感覚に注意しましょう。
 
・ ゆっくりと、 光の帯が頭の周りから降りてきて、
 
  耳の上, 目, 鼻の頭を通っていきます。
 
  そのとき感じる、 どのような小さな感覚も 意識しましょう。
 
・ 頭頂部で感じるかもしれない、 筋肉の緊張に注意を向けましょう。
 
・ 光の帯がゆっくりと、 鼻, 口, 顎にかかってきたら、
 
  そこで感じる 身体的感覚に焦点を当て続けましょう。
 
・ 後頭部で感じるかもしれない 感覚に注意しましょう。
 
・ 口, 舌, 歯で感じるかもしれない、 あらゆる感覚に注意しましょう。
 
・ 光の帯が首のあたりに 降りてくるのを見続け、
 
  喉の中の感じ, 首の後ろの筋肉の 緊張を感じましょう。
 
・ 光の帯が広がっていき、 肩幅の広さで 胴体へと降りていきます。
 
・ 肩, 背中の上部, 上腕, 胸の上部で感じるかもしれない
 
  感覚, 筋肉の緊張, じんわりとした刺激感に注意しましょう。
 
・ 光の帯が 腕のあたりに降りてくるとき、
 
  上腕, 肘, 前腕, 手首, 手, 指で感じる感覚に 注意を向けましょう。
 
  それらの部分が感じるかもしれない
 
  じんわりとした刺激感, かゆみ, 緊張を意識しましょう。
 
・ 胸, 背中の真ん中, 銅の脇, 背中の下部, お腹を意識しましょう。
 
  どんな小さな緊張, 感覚にも注意を向けましょう。
 
・ 光の帯が 下半身へと下降し続けるにつれて、
 
  骨盤のあたり, お尻, 太ももの感覚を意識しましょう。
 
・ 足の裏に注意を払い、 そこのあらゆる感覚に 注意するのを忘れないでください。
 
・ 光の帯が下肢, ふくらはぎ, すね, 足, つま先のあたりへと
 
  降りていくのを見続けましょう。
 
  どんな感覚, 緊張にも注意しましょう。
 
 光の帯が下降を終え、 消えていったら、 ゆっくり深呼吸を数回し、
 
 心地よく感じたら、 ゆっくり目を開け、 焦点を部屋に戻しましょう。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

ひとつの物体に 焦点を当てる

2016年06月14日 20時23分15秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-1-2 ひとつの物体に焦点を当てる
 
 マインドフルでないことの 落とし穴のひとつは、
 
 注意が ひとつの物 (思考) から 次の物 (思考) へと
 
 さまよってしまうことです。
 
 その結果、 自分を見失ったり、 イライラしてしまいます。
 
 練習の間に注意が、 思考, 記憶, その他の感覚によって それてしまうでしょう。
 
 それでも構いません。
 
 ただ、 自分の心が さまよっていることを認識し、
 
 観察している物に 焦点を戻しましょう。
 
 焦点を当てる 小さな物を選んでください。
 
 机に置くことができ、 触っても安全で、
 
 好き嫌いや何か感情を 引き起こさないものを選びましょう。
 
 数分間 邪魔されない部屋で、 心地よい所に座ってください。
 
 その物を机に置き、 気をそらす音は消しましょう。
 
 タイマーを5分間 セットしてください。
 
 この練習を1日1~2回、 2週間行ない、 そのたびに異なる物を選んでください。
 
● 指示
 
 数回ゆっくりと深呼吸します。
 
 その物に触れずに、 ゆっくり観察してみてください。
 
・ その物の表面は どのように見えますか? 
 
・ 光沢がありますか、 ありませんか? 
 
・ 滑らかに見えますか、 ざらざらして見えますか? 
 
・ 柔らかそうですか、 堅そうですか? 
 
・ カラフルですか、 単色ですか? 
 
・ 他に ユニークなところは何ですか? 
 
 今度はそれに触れて、 様々な感触に注意しましょう。
 
・ 滑らかですか、 ざらざらしていますか? 
 
・ 突起した所はありますか、 平らですか? 
 
・ 柔らかですか、 堅いですか? 
 
・ 曲げられますか、 頑丈ですか? 
 
・ 感触が異なる部分がありますか? 
 
・ 温度はどうですか? 
 
・ どのくらいの重さですか? 
 
・ 感触について、 他にどんなことに気付きますか? 
 
 ゆったりと呼吸を続けてください。
 
 注意がそれたら、 その物に焦点を戻してください。
 
 アラームが鳴るまで、 それを続けてください。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

マインドフルネスの基礎を学ぶ - 4つの 「what」 スキル

2016年06月11日 20時48分27秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
※ 練習3-1-1
 
 現在の瞬間に よりじっくりと 焦点を当てる練習です。
 
 時間の感覚に マインドフルになるのを援助します。
 
 時間がとても早く過ぎると 感じる人々もいます。
 
 彼らは 物事を急いで行なったり、
 
 いつも 次にやることや失敗しそうなことを 考えています。
 
 時間がゆっくり過ぎると 感じる人々もいます。
 
 彼らは 時間があると思っているために、 しばしば約束に遅れてしまいます。
 
 この練習は、 実際の時間の過ぎ方に マインドフルになれるようにしてくれます。
 
● 指示
 
 [数分間 邪魔されない部屋で、 気を散らす音を 全て消してください。
 
 数を数えたり、 時計を見たりせずに、 ただ座っていてください。
 
 1分間が過ぎたと思ったら、 時計をチェックし、
 
 実際にどれだけ時間が過ぎていたか 確かめましょう。]
 
 1分間に満たなかった場合、 1分より長くなってしまった場合、
 
 この練習の結果は あなたにとって どのような意味があるのでしょうか? 
 
 マインドフルネスの目的のひとつは、
 
 瞬間瞬間のあらゆる経験に対する より正確な認識を発達させることです。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

なぜマインドフルネス・スキルが重要なのか

2016年06月10日 20時20分04秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 マインドフルネス・スキルを学ぶのは、 3つの理由があります。
 
1. 現在の瞬間に、 物事ひとつずつに 焦点を当てるのに役立ち、
 
   圧倒されるような感情を 落ち着かせることができる。
 
2. 価値判断をしていることに気付いて、
 
   価値判断と実際の体験は 違うことを納得して 分ける。
 
   価値判断的思考は、 圧倒されるような感情を増幅させてしまう。
 
3. DBTで極めて重要な  「賢明な心」 を発達させるのに役立つ。
 
 懸命な心とは、 理性的な思考と 感情の両方を基に、
 
 自分の人生について 健康的な意思決定を下す能力です。
 
 思考の理性と感情の要求との バランスを取る 意思決定のプロセスです。
 
○ 本章で学ぶこと
 
 自分の思考と感情を より注意深く観察し、
 
 詳述するのに役立つ 初歩的なマインドフルネス練習を紹介します。
 
 これは  「what」 スキルと呼ばれます。
 
 焦点を当てているものに対して マインドフルになるという意味です。
 
 以下の4つの  「what」 スキルを学びます。
 
1. 現在の瞬間に よりじっくりと焦点を当てる。
 
2. 自分の思考, 感情, 身体的感覚を認識し、 それらに焦点を当てる。
 
3. その瞬間瞬間の 意識の流れに焦点を当てる。
 
4. 思考を 感情や身体的感覚と 別のものとして捉える。
 
 以下の練習は、 順番に従って 行なうことが大切です。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

マインドフルネス・スキルを 練習する前に

2016年06月09日 20時32分40秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
○ 「マインドフルでない」 状態の経験
 
 ほとんどの人は、 ぼーっとしたり、
 
 日常生活の大半を 無意識のうちに動いたりしています。
 
 結果的に、 物事が期待通りにいかないと、
 
 自分を見失ったり、 不安になったり、 いらだったりします。
 
 以下の、 あなたが経験したことがあるものに チェックを付けてみましょう。
 
□ 車の運転中、 自分の通った道が思い出せない。
 
□ 会話中、 相手の話を理解していないことに 突然気付く。
 
□ 会話中、 相手が話し終わる前に、 自分が次に言うことを考えている。
 
□ 読書中、 他のことを考えていたのに気付き、 読んだ内容が何だったか分からない。
 
□ 部屋に入っていきながら、 何を取りにきたのか分からなくなる。
 
□ 物を置いたあとで、 それをどこに置いたのか思い出せない。
 
□ シャワーを浴びながら、 次にすることを考えており、
 
  どこを洗ったか忘れてしまう。
 
□ セックスしながら他のことを考えている。
 
 圧倒されるような感情を持つ人々にとっては、
 
 不注意でいることが 破滅的な影響を及ぼしかねません。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

マインドフルネス・スキル: 基礎編

2016年06月08日 20時28分50秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 「マインドフルネス」 は、 瞑想としても知られますが、
 
 世界の多くの宗教において 教えられてきた有益なスキルです。
 
 最近ではマインドフルネスの技法が、
 
 弁証法的行動療法 (DBT) などにも 取り入れられるようになりました。
 
 マインドフルネス・スキルは、
 
 大うつ病を低下させ、 不安症状や慢性的な痛み, むちゃ食いを減らし、
 
 苦悩への耐性やリラクセーション効果, 困難への対処を向上させてくれます。
 
 マインドフルネスは DBTの最も重要な 中核的スキルのひとつです。
 
 マインドフルネスとは、
 
 自分自身のことや、 自分の経験について 価値判断や比較, 批判をせずに、
 
 今このときにおける 自分の思考, 感情, 身体感覚, 行動を
 
 ありのままに捉えるための 能力のことです。
 
 「一期一会 (今このときは この瞬間しかない。 一時一時をを大切に生きる)」や、
 
 「日々是好日 (どんなことが身に起きようと、 その日一日を否定せずに
 
 「これでよいのだ」 と受け入れる)」 は、
 
 マインドフルネスになるということです。
 
 皆さんは、
 
 多くの異なることを考え、 感情を感じ、 身体的な状態を感じ、 行動しています。
 
 マインドフルになればなるほど、 自分の人生を より管理できるようになるのです。
 
 「ひとつひとつの 現在の瞬間において」
 
 意識していられるように 学ぶことが大切です。
 
 思考や感情, 感覚, 行動も、 それぞれの状況で 全く同じことはありません。
 
 瞬間瞬間において異なるものであり、
 
 自分の経験が いかに変化するかについて マインドフルになることが大切なのです。
 
 現在の瞬間における 自分の経験を充分に、 ありのままに捉えるためには、
 
 それを行なうときの自分自身, 自分の状況, 他の人々を、
 
 批判しないこと, 価値判断しないことが必要不可欠です。
 
 これを 「徹底的受容」 と呼びます。
 
 多くの人々は 多くの時間を、 過去の過ちや将来について 心配して過ごします。
 
 彼らは つらい過去や未来の中に 生きており、 人生が極めて困難に感じられます。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 

恐竜展2016 (2)

2016年06月06日 20時29分39秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)
 
ティラノサウルス (レプリカ)
1991年カナダで発見された 全長12mの 「スコッティ」。
2013年にクリーニングが完了し、 日本初公開のレプリカ。
 

 

 
カスモサウルスの赤ちゃん (実物化石)
世界で1体の 貴重な全身化石。
 

 
その頭部の実物化石
 

 
クリンダドロメウス
手足と尾がウロコ, 全身に羽毛が生えている。
全ての恐竜は羽毛があり、 恒温だったという仮説のきっかけになった。
 

 
化石のクリーニングの実演
完了するのに1~2年かかる。
 

 

恐竜展2016 (1)

2016年06月05日 21時59分56秒 | Weblog
 
 上野の国立科学博物館で開催中の (6月12日まで)
 
 「恐竜博2016」 を観てきました。
 
 恐竜の研究は 急速に進歩していて、 今までの常識を覆すような、
 
 下記のような発見や仮説が 次々と出され、 とても驚きました。
 
 恐竜の世界の最先端を 垣間見ることができました。
 
・ 恐竜には当初から羽毛が生えていて、 恒温だったのではないか。
 
・ 恐竜は初めは肉食だったが、 かなり初期から草食恐竜がいた。
 
(草食には 長い消化器官が必要で、 そのため徐々に 大型化したとされていた)
 
・ 史上最大される肉食恐竜スピノサウルスは 水中に進出していた。
 
・ 昨年中国で、 ムササビのように皮膜で滑空していた 恐竜が見つかった。
 
・ 赤ん坊の恐竜の骨は 柔らかくて化石として残りにくいが、 その貴重な全身骨格。
 
 また、 化石を傷つけないように、 細心の技術で岩の中から取り出す
 
 「クリーニング」 の方法も紹介されていました。
 
 作業には 膨大な人員と時間が必要で、
 
 そういうなかで 年々進んでいる研究に 脱帽です。
 
 
カマラサウルスの子供 (実物化石)
これだけ完全な全身骨格が 発掘されたとは驚異です。
 

  
スピノサウルス (化石のレプリカ)
全長15m。 史上最大の肉食恐竜。
4足歩行で 水中に進出していたと考えられるが、 背中の突起の役目は不明。
 

 
 
(次の記事に続く)
 

まとめ (3)

2016年06月02日 21時26分34秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
◎ 自分を力づけ、励ますコーピング思考を用いる
 
 □ コーピング思考を使うワークシート
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65155912.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65157273.html
 
◎ 徹底的受容
 
 □ 徹底的受容
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65164828.html
 
◎ 自分を肯定する言葉を用いる
 
 □ 自分を肯定する言葉のリスト
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65167612.html
 
◎ 新たな対処の仕方を構築する
 
 □ 苦痛な状況に対処するためのワークシート
 
 -他の人といるとき/ひとりでいるとき
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65171961.html
 
 □ 緊急時の対処計画
 
 -他の人といるとき/ひとりでいるとき
 
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/65177358.html
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
 [星和書店の許可のうえ掲載]