(前の記事からの続き)
(12/23)
「 恋愛とは 何と不条理なものだろう!?
理性も価値観も、 何の役にも立たない。
人格は 恋愛に関係がない。
( 人格によって 人が愛されるなら、
この世に 愛される人間は 一人もいない。)
なんであんなものを 好きになってしまうのだろう。
自分と合わない、 うまくいかない条件が整っていると 分かっているくせに、
この感情はなんだ?
この苛立ちは何だ!?
何故あんなもののために 僕は苦しまなければならない!?
何故こんな弱い立場に ならなければいけないのだ!?
好きだという感情が 強ければ強いほど、 僕は弱いものとなる。
泣かなければならない。
人を愛するという、 この世で最も すばらしいはずであるものが、
どうしてこんな 苦しいものでなければならないのだろう。 」
( 「ジャン・クリストフ」 )
「 クリストフのような人物は、
自分のためになり得る者を 愛することはめったにない。
むしろ自分の 害になり得る者を 愛することが多い。
( 相反するものこそ 互いに引き合う。
自然は 自己の破壊を求める。
できるだけ長く 生きることではなくて、 最も強く生きることを 掟としてる、
クリストフのような 人物にとっては、 それが至当である。 )
恋愛は 互いに相いれ得ない人々を 一緒にする。
同じ種類の人々を 互いに排斥させる。
恋愛が破壊するものに 比べれば、
恋愛が鼓吹するものは ごくつまらないものである。
幸いにも恋愛は 意志を溶かす。
不幸にも恋愛は 心を破る。
いったい恋愛は 何のためになるのか?
そして、 そういうふうに 恋愛をののしっているとき、
彼の目には 恋愛の皮肉な、 また 優しい笑顔が見えた。
その微笑は 彼にこう言っていた。
『 恩知らずめ!』 」
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/57319763.html