「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

また石が出るか? 

2012年03月31日 20時17分32秒 | Weblog
 
 結石のために 血尿が出た話を 前に書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61264675.html

 最近 またその時と同じような 症状があります。

 (2年前と似た状態です。

 20年以上前にも 結石ができており、 その時は 激しい痛みに苦しみました。)

 先日は朝から かなり赤い血尿が出て、

 小さな (1~2ミリの) 血の固まりも 混ざっていました。

 石が 尿路の細い部分に入ったとき、 血尿が出るといいます。

 昼過ぎには、 右の下腹から骨盤にかけて 何だか痛みが出始めました。

 2年前の症状と 20年前の症状が 合わさったような状況で、

 一時はうんうん唸るほどでした。

 石が尿道に入ったような 気がしないでもなく、

 「石が出る前兆か」 とも考えました。

 もし 20年前と同じだとすると、 激痛に見舞われる可能性もあります。

 翌日の勤務があるので、 血圧を診てもらっている 診療所へ行くことに。

 ドクターは、 結石の可能性が 高いと思うが、 医者の立場としては、

 泌尿器科に紹介状を書いて 検査をしなければ 結論は出せないということでした。

 (ごもっとも。)

 でも僕としては、 多分結石で そのうち石が出るだろうと 思っているので、

 泌尿器科へ今 行くつもりはなく、 翌日のために 痛み止めだけ欲しいところです。

 それで 採尿で迅速検査をし、 血液が混ざっていたのを確認して、

 座薬の痛み止めをもらってきました。

 座薬はボルタレンという、 心子も使っていたものです。

 僕は 座薬を使うのは初めてで、 うまく入らず困りましたが  (^^;)、

 挿入後 1時間ほど眠り、 すっかり痛みも取れた次第です。

 翌日から血尿は止まって 5日、 石はまだ出ていません。  (^^;)
 

熱狂, 性的なこと, 浮気 -- 心子の場合 (3)

2012年03月30日 21時17分10秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 それから、 浮気ではありませんが、 心子は僕の他にも 恋愛の対象がいました。

 僕との間で傷ついたとき、 救いを求める相手です。

> 彼らは見捨てられることを恐れ、 置き去りにされたときのために、

> 浮気相手を作っておくのです。

 という記述に当てはまるのでしょう。

> ボーダーの人が浮気をしても、 それは不安と障害が原因

 だということは、 僕は理解していたつもりです。

 ランディさんは、

> 皆さんか愛人か、

> いずれかが第1のパートナーで、 いずれかが第2のパートナーということも

 あると書いています。

 僕が第1で、 もう一人が第2と言えるかもしれません。

 さらに、 第3と言えるかもしれない 存在も口にしていましたが、

 その人が実在していたかどうかの 確証はありません。

 一方、 僕の “浮気” は認めませんでした。

 これも浮気ではないのですが、 僕は10才年上の 女性の知り合いがいました。

 当然 恋愛対象などでは全くありませんが、

 この人と日帰りのバスツアーに 行ったことがあります。

 心子は阻止はしなかったものの、 すっかり機嫌を損ねてしまったものです。

 以上のように、 心子は恋愛に関しては、 ボーダーの特徴も持ってはいましたが、

 よく言われるボーダーのパターンと 必ずしも同じではありませんでした。

 とにかく ピュアであったと言えるでしょう。
 

熱狂, 性的なこと, 浮気 -- 心子の場合 (2)

2012年03月29日 23時08分23秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 性的なことに奥手だった僕に対して、

 心子のほうから 恥じ入りながら求めたことはあっても、

 積極的なものではありません。

 心子も性的なことに対しては 堅い人間です。

 恋人として付き合い始めて やっと結ばれましたが、

 心子とのセックスは 極めて魅力的なものでした。

> 頻繁に 情熱的に 大胆に

 であったこともありますし、 優しくソフトだったこともあります。

 でもトラブルがあると、 心子はまた僕から離れていき、

 その間は 性的な関係も絶たれますが、 元に戻るのは 常に時間の問題です。

 ランディさんは、 刺激的な時期は 数日から数年と述べていますが、

 心子は 1年半ほどで旅立って行ってしまったので、 その期間の比較はできません。

 ただ セックスを駆け引きの条件にしたり、 何かの手段や道具にすることはなく、

 心子にとってセックスは この上なく純粋なものでした。

 心子は、 愛し合うことを  「ひとつになる」 と表現し、

 二人の究極の一体感を求める 象徴だったのだと思います。

 また、 心子は キリスト教の教会に通っていましたが、

 ある時期から 洗礼を望みました。

 傷つき苦しむことが多く、 自分は罪深い人間だから と言って、

 限界のある 人間の愛ではなく、 神の際限のない愛を 希求したのです。

 「あたし、 神様の子供になるの」 と。

 けれども受洗をすると、

 夫以外の男性と 肉体関係を持ってはいけないということです。

 心子はその覚悟のつもりで、 もしセックスがないために 別れるのだとしたら、

 それも仕方ないと言っていました。

 (が、 洗礼の前に 神に召されていきました。)

 心子が セックスを、 愛情を得るための 取り引きの道具にしていなかった 証です。

 しかし 誰よりも孤独に耐えられず、 密接な触れ合いを 欲していた心子が、

 愛し合わないことに 耐え忍べたのかどうか、 保証はありません。

(次の記事に続く)
 

熱狂, 性的なこと, 浮気 -- 心子の場合 (1)

2012年03月28日 23時09分44秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 の 記述に対して、

 心子の場合はどうだったかを 書いてみましょう。

 心子と初めて知り合ってから、 彼女が僕に告白するのに 時間はかかりませんでした。

> ボーダーの人の 熱烈な愛の告白は 本物なのでしょうか? 

> それとも 偽物に過ぎないのでしょうか? 

 心子は極めて純粋であり、 至高の愛を信じ 求めていました。

 それは 現実離れしたものではありますが、

 心子の愛は 刹那的でも即物的でもありません。

 当時 僕には他に 片思いの女性がいたため、

 心子と 深い関係になることはできませんでした。

 でも、 心子は 別の恋愛の対象に 走りはせず、

 僕の愛情が得られなくて どんなに苦しくても、

 僕の愛を求めたり、 友だちとして付き合っていくよう 自分を抑圧したりしました。

 一気に燃え上がっても、 一気に冷めてしまう 愛ではありません。

 そうしたなかで、 僕の僅かな言動に 深く傷つき怒り、

 僕をひどく非難して 去っていくのです。

 そして 忘れた頃になると 心子から連絡があり、

 また上記と同じことが 何度も繰り返されるのでした。

 心子は 僕への気持ちを いつまでも強く保ち続けたわけで、

 恋愛対象を次々と乗り換えて 刺激を求めるタイプとは 異なっています。

 そんなことが何回かあって、 6年あまりが過ぎました。

 心子と 恋人として付き合うようになって、 熱烈な愛情と共に、

> 「僕の靴下どこにあるの?」 というような 心が通い合う愛情

 も 同時に育んでいきます。

(次の記事に続く)
 

浮気 : 皆さんの, 私の, そして他の人の場合 (2)

2012年03月27日 20時01分44秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 浮気をすることで、 本来皆さんが得られるものの 幻を味わえるかもしれません。

 しかし 実際に手に入れるのは やはり無理なのです。

 この思いが、 深い悲しみを引き起こすでしょう。

 浮気は罪悪感を抱き、 自己像に矛盾します。

 何故皆さんは 浮気をする必要があったのか、

 その理由に 進んで目を向けてくれる セラピストに相談すべきです。
 

 次に、 ノン・ボーダーラインの人の話を紹介します。

・ ボーダーの人は、

  脳の科学的物質に由来する  「ハイ」 な気分を 求めているんじゃないか。

  性的体験は、 一時的に ハイな状態を作り出します。

・ ボーダーの妻は、 僕が浮気をしていると 非難しました。

  パーティで 僕に15秒ほど話しかけた 女性がいれば、 それで充分なんです。

  しかも、 突然それを言い出したのは 半年後でした。

・ パートナーとの危険な事柄に どう対処すべきか、

  浮気を通して 答を得ることができたんです。

  僕は 人生に変化を求めていたんですね。

  でも浮気は 自分を卑しめ、 消耗させます。

  僕は自分の行動を 正当化しようとしましたが、

  ボーダーの人と 同じことをしていると気づきました。

  浮気を打ち明けると、 妻は 元の鞘に収まることを 許しました。

  でも 全て僕が悪いということに なってしまうんです。

  もう一度同じことになったら、 もう彼女のもとに 留まることはないでしょう。

・ 別れたいと ボーダーの妻に伝えるのは、 究極的に難しいことです。

  でもきちんと話をしたほうが、

  浮気をしたり、  “ドアをピシャリと閉め” たりするより、

 結局早道だと 自分に言い聞かせています。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

浮気 : 皆さんの, 私の, そして 他の人の場合 (1)

2012年03月26日 19時39分39秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 ノン・ボーダーラインの人は、 浮気をしている人が 多いことが分かっています。

 ボーダーの人との関係で欠けている、

 身体的, 感情的な結びつきを 満たそうとしているのでしょう。

 一方、 浮気をしていないのに、

 浮気をしたといって告訴される ノン・ボーダーラインの人は、

 それに輪をかけて 多いことも確かです。

 これは ボーダーの人の自己評価の低さ, 見捨てられ不安が原因です。

 ボーダーの人も 浮気をすることがあります。

 彼らは見捨てられることを恐れ、 置き去りにされたときのために、

 浮気相手を作っておくのです。

 彼らは性的に求められると、 心の空虚感が 幾らかでも満たされるのでしょう。

 浮気は 自分をダメにする行為, または 自己嫌悪の表れとも考えられます。

 物質乱用や 衝動的な行動の結果、 浮気に走ることもあるかもしれません。

 これも 呑み込まれ/見捨てられ不安の 一端でしょう。
 

 浮気は 次のような点を示してます。

・ 結婚生活が困難な状況

・ 欺かれても 相手の浮気に 快く耐える人は、

  共依存について 知るべきかもしれません。

・ 言葉の微妙な意味合いに 気を付ける必要があります。

  ある妻は、 他の男性とセックスしたことは  「ない」 と言いました。

  ところが彼女は こう言うのです。

  「男性と寝たことはあるけれど、 彼はコンドームをしていたから、

  正確には 『触れていない』 のよ」

・ ボーダーの人が浮気をしても、

  それは 不安と障害が原因だと 是非理解してあげてください。

  彼らは浮気を 皆さんのせいにするかもしれませんが、

  そんな言葉を 真に受けないでください。

  不信感を抱かずに 問題を解決することも可能です。

  彼らは なぜ浮気をしたかも分かっていません。

・ 皆さんが浮気をしている場合、

  浮気は 一時的な対策に過ぎず、 根本的な解決にはなりません。

  いつか 夢から覚めるときが来るのです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

性的な事柄について 話し合いましょう

2012年03月25日 12時06分43秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 ボーダーの人との性的な関係は、

 最初に刺激的な時期が 数日から数年あり、

 頻繁に 情熱的に 大胆にセックスをします。

 それが過ぎると、 セックスの頻度は激減し、 機械的な作業と化してしまいます。

 セックスによって操作されているように 感じることもあります。

 ボーダーの人は 自分が傷つきやすくなると、

 自分が利用されているように感じるため、

 その心を 二人の関係をコントロールするために 逆に利用するかもしれません。

 あるボーダーの人の女性は 次のように説明しています。

 「私は受け入れられる実感を 求めていたんだと思います。

 セックスをしたがれば、 私のことを愛してくれると 考えたのかもしれません。

 でもその後、 彼が私を愛していると 確信して満足し、 セックスが減ってきました。

 セックスを通して、 愛してくれる人を 手に入れようとしたんじゃないでしょうか」

 熱狂は 一気に燃え上がる代わりに、 一気に冷めてしまうことがあり、

 軽蔑に変わることさえあります。

 パートナーは、 あなたがこんなことをしたから セックスはお預けよ、

 と言うかもしれません。

 あるノン・ボーダーラインの人は 述べています。

 「彼女は 前の夫を “罠に陥れ”、 わざと妊娠しました。

 子供がいれば 絶対に自分を見捨てないと 考えたんでしょう。

 セックスは 見捨てられ不安から解放されるための 手段なんです。

 でも僕は 経済的にも感情的にも、 子供を持つこと認めませんでした。

 彼女は罰として、 セックスを拒むようになりました。」

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

自分の感情的なニーズを満たすこと

2012年03月23日 19時16分53秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 ボーダーの人の 熱烈な愛の告白は 本物なのでしょうか? 

 それとも 偽物に過ぎないのでしょうか? 

 一般化して答えるのは 無理があります。

 しかも 人間の相性は不思議なもので、 他の人たちとは比べられません。

 人は 最初に惹かれるものがあると、 それを真の愛情と 勘違いしてしまいます。

 時を重ねて深まっていく愛情は あまり重視されません。

 境界性パーソナリティ障害の人たちには、 (意識的か無意識的かは分かりませんが)、

 ノン・ボーダーラインの人が こうあってほしいと望む通りの 人物のように

 振る舞う才能があります。

 ノン・ボーダーラインの人は たちまち 「恋に落ちて」 しまい、

 のめり込んでいくのです。

 ノン・ボーダーラインの人は口々に、

 パートナーには  「どうも妙に」 思われる節があった,

 でも深く考えなかった、 と言います。

 パートナーは どれほど 「本当の自己」 を さらけ出していたでしょうか? 

 本当の深い信頼関係が築かれるには 長い歳月がかかります。

 ボーダーの人の中には、

 「いとしい君を愛してる」 という 刺激的な恋愛感情の先にある、

 「僕の靴下どこにあるの?」 というような

 心が通い合う愛情に 進めない人がいます。

 最初の愛情が 徐々に冷めてきたころ、

 ボーダーの人は別の  「もっと刺激的な」 愛人へ 乗り換えてしまいます。

 無意識のうちに、 それまでの二人の関係を 壊そうとすることさえあります。

 もし皆さんに そんなことが度々起こるようなら、 皆さんは無意識に、

 より深い関係へ 進めそうにない相手を 選んでいるかもしれません。

 深い愛情で 結ばれていない関係など、 何の意味もありません。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

境界性人格障害は治るのでしょうか? 

2012年03月21日 20時42分53秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 境界性パーソナリティ障害の患者は 一人一人異なっています。

 ボーダーの人とノン・ボーダーラインの人の関係も、 それぞれみな異なっています。

 皆さんはパートナーに 彼らのやり方を変えてくれるよう 求めるわけですから、

 皆さん自身も 進んで自分のやり方を変えていくのが 当然と言えるでしょう。

 では、 パートナーは自分の行動を 変えていく気があるのでしょうか? 

 これには ふたつのステップがあります。

 第一に行動を、 次に感情を変えるという ステップです。

 例えば皆さんが、 復学したいとパートナーに言ったとしましょう。

 パートナーは 見捨てられた気持ちになるかもしれません。

 しかしパートナーは、 あなたが夜の授業に 出ている間、

 自分が子供の面倒を見ると 言うこともできるのです。

 次のステップは、 授業を受けたからといって、

 パートナーに対する あなたの愛情が減るわけではないと 気付くことです。

 このように変化するためには、 集中的な治療が必要でしょう。

 ボーダーの人が、 口では変わると言いながら なかなか変わらないときは、

 言葉ではなく 行動に着目してください。

 行動は言葉に勝るのです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

奇跡を期待しない

2012年03月20日 19時09分34秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 パートナーの行動を 改めるよう求めることと、

 彼らに幸せになってほしいと 願うことは別です。

 求めることは広がっていくでしょうが、 それを相手に 期待すべきではありません。

 皆さんだって、 境界設定やコミュニケーションの方法を 身に付ける練習は、

 できればしたくないでしょう。

 これまでのやり方を捨て、 不安を抱きながら、

 新しいやり方を 身に付けていかなければならないからです。

 しかし 投げ出す必要はありません。

 むしろ 期待していいと思います。

 自分の不安や 相手の反応を、

 「失敗」 か 「成功」 かの 判断基準にしないでください。

 何事にも時間が必要なのです。

 皆さんが 初めて親元を離れて 暮らし始めたとき、 色々な失敗をしたでしょう。

 でもそのために 自宅に舞い戻っていたら、 自分の失敗に縛られていたら、

 今頃どうなっていたでしょうか? 

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

 BPDの妻をパートナーに持つ 知り合いの人は、

 離婚と、 子供をパートナーに奪われる 窮地に立たされ続けています。

 パートナーの理不尽な性向と、 父親に親権を認め難い 日本の司法の悪弊に苦しみ、

 あらゆる努力を否定され、 心身ぼろぼろになりながらも、

 自分を律して奮闘しておられます。

 その人の、 「奇跡は信じないが、 希望は失わない」 という言葉は、

 非常に胸を打ち、 力を与えられるものです。

 その信念の下に、 具体的になすべき行動を 続けておられます。
 

「PUVAS」 によって 自分の身を守る (2)

2012年03月19日 20時57分19秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ ボーダーの人の感情を 価値あるものと認める

  パートナーの感情は、 彼らの世界では 確かに意味があるのです。

  「あなたが そういう気持ちでいることは 理解できる」

  と言うだけでもいいのです。

  (ここで 相手の気持ちを繰り返してください。)

  相手の感情を否定せず、 正当かどうかということ自体、 問題にしないでください。

  皆さんが 彼らの声に耳を傾けていることを 示してください。

  お高くとまったり、 へりくだったりしていると 思われてはいけません。

・ 「自分にとっての現実を はっきりさせること」 で 自己主張

  「現実をはっきりさせること」 には、 事実に基づくものも含まれます。

  例えば、 何か焦げている臭いがする と言っても、

  パートナーの料理に 文句を言っているのではないということです。

  また、 皆さんの意見を 反映しているものもあります。

  例えば、 結婚していても それぞれの友だちと 会ってもいいということです。

  パートナーが 違う意見を持っている 可能性は高いでしょう。

  でも 言い争いは避け、 信じていることを繰り返し伝えます。

  そして、 皆さんとパートナーの意見が 一致しないという事実を

  受け入れてください。

  話し合うことで うまく解決するにしても、 妥協しないにしても、

  説明は不要です。

  相手に 付け入る隙を与えてはいけません。

  例えば次のようにいいます。

  「これは僕にとって 必要なことなんだ。

  僕たちは何もかも 同じというわけじゃない」

・ ボーダーの人の 感情と行動の責任を、 彼ら自身に戻す

  皆さんが彼らの力になれると 伝えるのは構いません。

  しかし結局、 彼らは自分自身の力で 気持ちを切り換えるしかないのです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

「PUVAS」 によって 自分の身を守る (1)

2012年03月18日 20時44分53秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 「PUVAS」 は、 投影, 非難, 批判的な責任転嫁, 法外な要求をする

 ボーダーの人に、 役立つテクニックです。

・ 注意を払う (Pay attention)

・ 充分に理解する (Understand fully)

・ ボーダーの人の感情を尊重する

 (Validate the BP’s emotion)

・ 「自分の現実をはっきりさせること」 による 自己主張

 (Assert yourself

 with“My Reality Statement”)

・ ボーダーの人の 気持ちと行動に対する責任を、 ボーダーの人に取らせる

  (Shift responsibility for the BP’s

  feeling and actions back to the BP)

  PUVとASの ふたつに分けて考えてみましょう。

  PUVは ボーダーの人に対してのもの、 ASは 皆さん自身に必要なことです。

  それぞれ 正しい順序で行なってください。

  どれひとつとして 省いてはいけません。

・ 関心を払う

  相手の言葉に 真剣に耳を傾けてください。

  何を言おうか 考えるのはやめます。

  ボーダーの人を 変えようとしてもいけません。

  そうすることで、 ボーダーの人の感情を より理解できます。

  また、 裏に隠れているかもしれない感情を、

  うかがい知ることもできるかもしれません。

・ 充分に理解する

  パートナーの言うことを 否定せず、

  穏やかに、 詳しく具体的な説明を 頼んでみましょう。

  責められても、 身構えて自己弁護してはいけません。

  何が問題の引き金になっているか、 正確な原因を 突き止めるのが目標です。

  また、 「いつも」 とか 「絶対に~ない」 という言い方は

 誤解を招くかもしれないと、 彼らに分かってもらう 手助けをするのが目標です。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

「DEAR」 : 相手に 変化を求めるための方法 (3)

2012年03月17日 19時54分44秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 冷静でいること、 それが大切です。

 パートナーからの投影, 非難, 脅しなどに 呑み込まれてはいけません。

 彼らは 皆さんが本気か確かめようと、

 皆さんを試し、 要求をエスカレートしてくるでしょう。

 動じることなく、 一貫した姿勢を 崩さないことが重要です。

 皆さん自身も 変わる必要があるのです。

 自分の考えを 明確に主張し、 それを最後まで貫いてください。

 アイ・コンタクトを図ることも 大切です。

 話は立ったままのほうが いいかもしれません。

 少なくとも、 相手より低く構えないことです。

 真剣な表情で、 説得力のある声で 話してください。
 

4. 強化

 今後、 こういうことを もっと強めていくつもりだと 伝えてください。

 最初に段取りを決めておくのが いいかもしれません。

 例えば、 決めた日時に お金を返さないなら 食事を出さない,

 さらに 1ヶ月たっても返さなければ 鍵を変える、 などです。

 何をしたら (何をしなかったら)、 どういう結果になるかを

 パートナーに理解させるのです。

 境界設定に対して、 パートナーは罵倒し 批判するに違いありません。

 従って、 予め答を用意しておいてください。

 パートナーが何と言おうとも、

 その多くは 彼らが彼ら自身について 感じていることなのです。

 それが分かれば、 その仮面の背後にある 本当の声に耳を傾け、

 彼らを理解できるでしょう。

 皆さんの境界を、 心の障害を持つ人に 決めさせてはいけません。

 境界を設定することは、

 彼らのためでもあるということを 心に留めておいてください。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

「DEAR」 : 相手に 変化を求めるための方法 (2)

2012年03月16日 19時12分23秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

2. 表現

 状況についての 皆さんの感情や意見を 明確に表現してください。

 自分の感情には 自分で責任を持ちます。

 例えば、 「あなたのせいで こんな気持ちになった」 などは禁句です。

 自分の感情を 正確に把握するには、

 前もって充分 考えておく必要があるかもしれません。

 例えば、 ボーダーの人との同居で この先 生活費をまかなっていけるか、

 「不安」 でいるという気持ちを 表現します。

 自分の感情を表現するのであって、 話の矛先を 相手に向けてはいけません。

 そのようなことをしたら 相手を刺激して、 修羅場と化すだけでしょう。
 

3. 主張

 自分の境界設定の主張です。

 境界は明確で、 分かりやすいものにしてください。

 そして、 何故それを求めるのか 説明します。

 それが正しいから, 普通だから、 という理由ではなく、

 皆さん自身がそうしたいから, そうしてくれると 自分の気分がよくなるから、

 そう説明してください。

 価値判断や 双方の立場の 「良し悪し」 をめぐる 議論は避けてください。

 そうするだけで、 言い争いの半分はなくせるはずです。

 必要ならば繰り返してください。

 境界を設定することの 利点を強調します。

 皆さんにとって必要なものを 得ることで、

 どんな良い効果があるかを パートナーに説明してください。

 状況によっては、 現状を続けていくと どんなデメリットがあるか、

 そして 現状を続けるつもりがないことを 伝えてください。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 

「DEAR」 : 相手に 変化を求めるための方法 (1)

2012年03月15日 20時56分53秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 「DEAR」 というのは、

 感情や問題を、 本来の持ち主である ボーダーの人の元へ 返そうという方法です。

 マーシャ・リネハン博士によるもので、

 描写 (Describe), 表現 (Express),

 主張 (Assert), 強化 (Reinforce) の頭文字です。

 パートナーが 今までと同じことをしても、 もう見返りを得られないようにします。

 そうすることで、 彼らが変わる可能性が 高くなります。

 皆さんの欲求不満が 解消される可能性も 高くなるかもしれません。

 皆さん自身も 行動を改める必要があります。

 言い争いをやめ、 相手を尊重し、 お互い対等であるように、 です。

 パートナーが機嫌がよいときに、 境界設定について話し合ってみましょう。

 せっかくのよい雰囲気を そのままにしておきたい衝動を、

 乗り越えなくてはなりません。

 セラピストの前で話せれば それがよいでしょう。
 

1. 描写

 まず、 誇張や批判をせず、 今の状況を そのまま描写してください。

 その状況にどのように感じたかは 説明する必要はありません。

 できる限り客観的に、 明確に描写します。

 都合よく事実を変えたり、

 ボーダーの人を見透かすようなことを 言ってはいけません。

 パートナーが 話をさせてくれない場合には、

 第三者が同席したほうが いいかもしれません。

 手紙を書くという 方法もあります。

 例えば、 ボーダーの人が失業して、

 あなたは好意で 自宅に彼を住まわせてあげたとします。

 でも、 余分な出費がかかることに 気付いたという、

 「事実」 をそのまま伝えます。

 パートナーがあなたに 負担を強いているなどと言ったら、

 たちまち喧嘩になるでしょう。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕