「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

低機能と高機能の 2つを組み合わせたタイプ

2013年12月31日 19時41分08秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○ 重複する特徴を持つBPD

 多くのBPDの人は、 低機能, 高機能の両方の特徴を持っています。

 配偶者や精神科医などには 感情をあらわにしますが、

 家族以外の人には 障害を持たない人として 振る舞います。

o BPDを持つ個人の ふたつの重複する分類

・ 対処技法

 低機能: 内に向かう行動化 (acting in)

 高機能: 外に向かう行動化 (acting out)

  対人関係が拙いというより、 無意識で、 自分の苦痛を 他者に投影して生ずる

・ 機能

 低機能: 自立した暮らし, 仕事の継続などが困難

 高機能: カリスマ的にさえ見えても、 裏では BPDの特徴を示している。

  キャリアを積み 成功していることもある

・ 援助を受ける意思

 低機能: 自傷や自殺傾向が理由で受ける。

  セラピーに関心が高い

 高機能: 脅されると セラピーを受けるかもしれないが、

  真剣に取り組んだり、 長続きすることは稀

・ 併存するメンタルヘルスの問題

 低機能: 双極性障害や摂食障害など、 医学的介入を必要とし、

  低機能の原因となる

 高機能: 物質使用障害, または 別のパーソナリティ障害 (特に自己愛性)

・ 家族への影響

 低機能: 親は極度の罪悪感を抱え、 感情的に圧倒されている

 高機能: 家族は自分を責め、 BPDの人の要求を満たそうとする。

  対立点の多い離婚や 親権争いが問題となる

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 

低機能の従来型, 高機能で 見た目には分からないタイプ

2013年12月30日 22時08分00秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 低機能の従来型の人は セラピーを求め、

 高機能のタイプの人は、 相手のほうが セラピーを受けるべきだと 挑発します。

○ 低機能の従来型のBPD

 典型的なBPDの人々です。

・ 自傷や自殺行為のような 自己破壊的な行動によって、 苦痛に対処する

  内に向かう行動化 (acting in)

・ 自分に問題があると認め、 必死にメンタルの援助を求める

・ 日常的に機能するのが困難

・ 摂食障害や物質乱用など、 重複する障害は深刻

・ 家族の課題は、

  治療を見つけること, 自殺企図など危機への対処, 経済的負担など

○高機能で 見た目には分からないBPD

・ 人間関係の問題は 他の人のせいである。

  相手のほうが BPDだと批難する

・ 援助を求めない。

  カウンセリングでも 自分の問題に取り組まない

・ 外に向かって激怒したり、 現実・ 想像の問題で 家族を批難することで、

  苦痛に対処する

・ 気が強い, 自信ある態度の裏に、 低い自尊心を隠し持っている。

  職場ではよく働き、 身近な人にだけ 攻撃的行動を示す

・ 他の精神障害がある場合は、 自己愛性パーソナリティ障害のような 高機能障害

・ 家族の課題は、 言語的・ 感情的・ 身体的虐待への対処。

  治療を受けるよう説得すること。

  他の子供への影響。

  自身と自尊心の喪失。

  境界を設ける試みと失敗。

 彼らは、 要求を満たし、 苦痛を避けるため、 何重もの防衛機制を作り出します。

 これは 不安定なアイデンティティに繋がります。

 人前では、 ボーダーの行動を見せない人を 完璧に演じます。

 自分をコントロールできると 本当に信じているため、

 そのパーソナリティに従って 行動するのです。

 しかし 人を永遠には騙せません。

 もう一方のパーソナリティが 刺激されると、 コントロールは失われます。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 

その他のBPDの特徴

2013年12月29日 22時14分57秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 本当のことを言わない

 BPDの人は 故意に、 無意識に、 あるいはその中間で、

 嘘をつくことがあります。

 なかには、 周到な嘘で始まり、 真実として思い出されるものもあります。

 嘘は ストレスの中で起きることが 多いようです。

 嘘は 次のような役目を果たす 可能性があります。

・ 羞恥心が強くなるとき、 それを払いのけてくれる。

 自分に価値がないと感じる人は、 状況をよくするために、

 どんな嘘でもつかなくてはならないと 思い込む。

 (自尊心が低いために、 自分で間違いを認めることができない)

・ 真実が知られたら、 自分が拒否されるという恐れを 鎮めてくれる

・ 劇的な雰囲気を作り、 注意を引く

・ 本当の感情を覆い隠し、 強い外見を装う

○ コントロール欲求

 混乱した世界を 対処可能にするために、 状況や他者をコントロールしようとします。

 コントロール感を脅かすことに 強く抵抗します。

 ノン・ボーダーの人が 境界を定めたり、 挑発に反応したりするときに、

 頻繁に起こります。

 彼らは、 意図的に 先のことまで考えて やっているわけではありません。

 密かにやることもできません。

 単刀直入に 自分が必要なものを得ようとします。

 なかには 自分の行動を振り返って、 恥ずかしく思う人もいます。

 しかし 彼らの感情は非常に強く、

 次に同じような状況になると、 再び同じように 行動せざるを得ません。

 こうして 自己嫌悪のサイクルが続きます。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

BPDを説明する 統合的アプローチ

2013年12月28日 22時40分07秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 DSMの診断項目を、 思考, 感情, 行動をコントロールする特徴の、

 3つのグループに整理し直すことができます。

 思考, 感情, 行動は 次々に順番に起こります。

○ 思考の障害

 鍵になるのはスプリッティングです。

 思考が現実を形作り、 反応の仕方を決定します。

 それは自動的で 習慣性があります。

 「感情は事実に等しい」  という歪みです。

 認知の歪みには 次のようなものがあります。

・ 感情は事実に等しい: 感情は解釈に影響を与える

  現実とかけ離れた解釈をする

・ 早合点: 自分の考えと反対の事実を 退ける

・ 読心術: 他者が自分を 悪く思っていると思い込む

・ 破局視: 最悪の事態が起こり、 何もできないと考える

  自傷や自殺企図などにつながりかねない

・ 批難: 責任を他者に負わせる

  自分の考えと反対の事実を 打ち負かす

・ 肯定的な事柄の無視: スプリッティングと似ている

  望ましいことも無視する

・ 精神のフィルター: 自分への批判に反応し、 深い傷となる

  称賛は退けられる

○ 感情の障害

 激しい怒り, 不安定で苛立った気分, 見捨てられ不安,

 圧倒的で持続的な空虚感があります。

 自分は無力で、 価値がないと感じています。

○行動の障害

 自己にダメージを与える衝動性で、

 自殺行動, 自傷行為, 怒りの制御困難などです。

 他者を混乱させることや、 批判や脅しなどが含まれます。

 BPDの王様と言える特徴は、

 極端な理想化と 価値下げの間を行き来する 対人関係です。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

BPDの9つの特徴 (3)

2013年12月26日 20時56分46秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 診断基準6: 感情の変わりやすさ (不安定な情緒)

 感情の変わりやすさは 3つの要素からなっています。

・ でき事に対する 不釣り合いな激しい感情。

・ 感情が素早く浮き沈みする。

・ 元に戻るのに 長い時間がかかる。

○ 診断基準8: 極端な怒り

 BPDの人の激怒は、 恐ろしく、 衝撃的で、 説明しがたいものです。

 爆発前には空気が変わり、 明白に分かります。

 激しい怒りは、 助けを求める叫びであることもあります。

 でもBPDの人は 異なる言語を話していて、 それが伝わらないため、

 半狂乱になり、 声を荒らげ、 ますます激しく振る舞います。

 依存が 怒りを引き起こすこともあります。

 BPDの人にとって 他の人は、

 愛情を与えたり差し控えたりする 権利を持っています。

 他人の小さな言動によって 気分が乱調するのはそのためです。

○ 診断基準9: 解離

 解離する人は、 周りから分離しているように感じます。

 自分の身体を 外側から観察しているようなものです。

 解離を中断するには、 物理的な世界に 焦点を当てるのが役立ちます。

 (「青いコップの中に 氷が3つ入っている」 など。)

 あるBPDの人は こう言っています。

 「混乱状態にあると 現実世界が遠くなります。

 全く思い出せない期間もあり、 多くの時間を 空白の状態で過ごしています。」

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

BPDの9つの特徴(2)

2013年12月25日 23時12分01秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 診断基準4: 衝動性

 BPDの人は 小さなことに強烈な感情を抱きます。

 脳は それを加減できなくなります。

 不安やうつは 衝動性を高めます。

 衝動性は、 DSMの他の特徴とも関連しています。

○ 診断基準5: 自傷と自殺傾向

 自傷は、 軽いものから深いものまで 広範囲にわたります。

 死ぬためのものではなく、 次のようなために自傷します。

 感情的苦痛から気をそらす, 自分に罰を与える, 感覚をなくす,

 ストレスを和らげる, コントロールを維持する,

 怒りを表現する, 苦痛を人に知らせる。

 切ることは、 幸福感を促す脳内物質 エンドルフィンを放出させるようです。

 自傷をする若者は、 他の人より敏感で、 物事を素早く感じ取り、

 元に戻るのに 時間がかかるといいます。

 人に傷を見られると、 言い訳をすることもあります。

 以下は 自傷行為を示す可能性があります。

 常に長袖のシャツを着ている, ストレスのあとでひとりになる, 物質乱用が増える,

 カッター, 消毒液, バンドエイドなどをためこむ。

 本当に死にたいとは思っていません。

 苦痛を和らげることに 必死なのです。

 あるBPDの人の女性は 次のように言っています。

 「信じがたいほどの絶望感で、 自分を消したくなりました。

 自分を懲らしめ 破壊しなければという、 圧倒的で不合理な要求がありました。

 空虚感と孤独は 耐えがたいものだったのです。」

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕

(次の記事に続く)
 

BPDの9つの特徴 (1)

2013年12月24日 20時52分48秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 診断基準1: 見捨てられ不安

 BPDの人は、 現実あるいは 想像上の脅威にも反応します。

 彼らは想像力に富んでいます。

 見捨てられるということは、 愛情そのものの喪失です。

 それは感情的な距離, 「一体感」 における 大きすぎる隙間です。

 BPDの人の場合、 大切な人との意見の相違は、 小さなことでも影響を及ぼします。

 感情の距離は、 何によっても引き起こされます。

 BPDの人は この距離を拒否として感じ、 必死に防衛することになってしまいます。

○ 診断基準2: 理想化と価値下げを行き来する 不安定な関係

 この思考プロセスは  「スプリッティング(分裂)」 と呼ばれます。

 それは知らぬ間に起こり、 世界, 自分自身, 親密な関係に 影響を及ぼします。

 そのため ほとんどの問題の 裏に潜んでいます。

 BPDの人は、

 ある人に対する肯定的, 否定的な感情を 調和させることができません。

 そして自分の意見を 一瞬のうちに変えることができます。

 これまで違った感じ方をしてきたことは、 記憶から消えてしまうのです。

 あるいは、

 反対に感じていたことを 思い出すことができても、 それが何故か分かりません。

 酔っぱらいのように、 馬鹿げたことをして 翌日目を覚まし、

 どうしてそんなことをしたか 分からないようなものです。

○ 診断基準3と7: 不安定な自己像と空虚感

 夫や母親などの 役割を果たすことで、 空虚感はいくらか満たされます。

 しかし子供の自立や 離婚の恐れなど、 役割が脅かされると 殻が崩れ始めます。

 実際にはBPDの人も、 中核的信念をひとつ持っています。

 「自分は価値のない人間だ」  ということです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕

(次の記事に続く)
 

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2013年12月23日 21時21分08秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 重要な原則

 BPDを持つ人を助けるには、 皆さん自身を 最初に助けなければなりません。

 それは 皆さんの直感の逆かもしれません。

 人は問題を避けるために、 BPDの人を喜ばせることに 何年も費やしてしまいます。

 それが功を奏しても、 代償は高くつきます。

 家族は自尊心を失い、 うつ病や身体の疾患に苦しみます。

 彼らは 自分自身を大切にする能力を 失ってしまっているのかもしれません。

 長期的に 健全な関係を持てるかどうかは、 皆さんが自分の時間を過ごしたり、

 愛情をもって境界を設けたり、 BPDの人から離れて 自分の生活を築いたり、

 皆さん自身の要求を 大切にできるかどうかにかかっているのです。

 BPDの人が変わらなくても、 皆さんの生活を 改善することができます。

 練習が必要ですが、 皆さん自分の運命を コントロールすることができるのです。

 現在、 BPDの人が支配力を持ち、

 嫌なことをさせていると 思っているかもしれません。

 しかし、 自分自身の反応をコントロールし、

 自分自身に対して 誠実な決断を下すとき、 力関係は変わるのです。

○ 数で見るBPD

 表向きは アメリカ人の2%がBPDですが、 最新の調査では もっと高いようです。

 BPDは 統合失調症より一般的であり、 拒食症の2倍も起きています。

 うつ病より多く、 入院患者の20%がBPDです。

 自殺率は 一般人口の400倍です。

 自殺する若者の3分の1が、 BPDの特徴を有しています。

 BPDは他の病気と合併し、 ほとんどがうつ病も持っています。

 臨床家のほとんどは、 BPD治療の訓練や経験をしていません。

 BPDの人は自傷行為のために 身体の老化が進み、

 30才でも60才と同じ 医学的プロフィールを持っています。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」

2013年12月22日 21時33分05秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 本日より、

 ランディ・ クリーガー著 「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」

(星和書店) 〔監訳: 遊佐安一郎〕 の 内容を紹介していきます。

 後半では  「5つのパワーツール」 を紹介します。

 思考を整理し、 スキルを身に付け、 自分に自信を持ち、

 生活を改善するための 役に立つでしょう。

                   *

○ オズの国へようこそ

 皆さんの愛する人が、 次の質問の多くに当てはまるなら、 BPDかもしれません。

・ 皆さんのことを、 自分を愛さない憎らしい人,

  または 無条件の愛を与えてくれる人という、 どちらかの見方をしている

・ 皆さんを絶えず 勝ち目のない状況に追い込んでいる

・ 皆さんは 常に批判の的になっている

・ 理想化されていても、 何の理由もなく 全てが崩れてしまう

・ 怒りが、 執拗で悪意のある攻撃になる

・ その人に コントロールされているように感じる

・ 皆さんは 現実感を疑い始め、 家族や友人から孤立している

○ BPDとは

 BPDの人は、 全て良い, または 全て悪いと見なしたり、

 空虚でアイデンティティがないと感じたり、 瞬間的な気分変動を起こします。

 衝動的で、 自己嫌悪と見捨てられ不安のせいで 他人を批判します。

 自傷行為や自殺行動をする人もいます。

 この障害は 思考のプロセスを歪め、 異常な感情と行動を 引き起こすのです。

 相手を途方もなく持ち上げ、 今度はこき下ろします。

 自分自身に対しても、 小さな失敗で 自分を価値のない人間と 思ってしまいます。

 BPDを持つ ある女性は、

 「BPDは 身体, 心, 魂を浸食するガン」 だと言っています。

 周りの人は 彼女のことを、 才能があって 利口だと思っていますが、

 本人は 自分を落ちこぼれと考え、 人付き合いを避けています。

 孤独を紛らわすため、 知らない男性と 性的関係を持つこともあります。

 家族は常に 何かを試されているかのようです。

 しばしば 罪悪感, うつ, 孤立, 無力感などを経験します。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店) 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 

沖縄旅行 (6)

2013年12月20日 21時15分44秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 首里城内郭に入る  「漏刻門 (ろうこくもん)」 。

 やぐらの中に水時計があり、 場内に時刻を知らせたそうです。

 身分の高い役人も 国王に敬意を表して、 ここで籠を降りたといいます。



 首里城の正殿です。

 国王による 政治や儀式が執り行なわれました。




 右手前に見えるのは 大龍柱の阿形 (あぎょう) です。



 正殿の左側に構える 北殿。

 評定所と呼ばれる 政務の中枢機関であり、 中国の使者の接待もしました。



 外郭の北にある 「久慶門 (きゅうけいもん)」 。

 かつては通用口だったそうです。



 内郭と外郭の間の通り道で。

 右正面に見えるのは歓会門です。



 首里城をあとにし、 沖縄空港へ繋がる モノレールの首里駅。



 そして、 羽田への帰路に向かいました。

 3泊4日の沖縄、 本当に貴重で充実した時を 過ごすことができました。
 

沖縄旅行 (5)

2013年12月19日 22時33分21秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 11月30日 (土)。

 この日がリカバリートーク本番。

 無事に プログラムを終えることができました。

 その日は ホテルの大浴場に浸かり、 早めにベッドに入って 休みました。
 

 12月1日 (日)。

 学会が終わり、 帰京の日です。

 午前中に 首里城へ行きました。

 この日は 那覇マラソンが行なわれていたので、

 交通への影響を バスの運転手さんに聞いてみました。

 他の乗客はいなかったのですが、 運転手さんは 赤信号で止まったまま説明し続け、

 信号が青になっても、 また赤になっても、 話し続けてくれました。 (・_・;)


 1時間あまりで 首里城に到着。

 首里城は琉球王国の居城で、 14~5世紀から約500年にわたり、

 政治・ 文化・ 経済の中心でした。

 城内の多くが沖縄戦で消失し、 近年復元されたものです。

 今も改装工事がされていました。

 首里城内に入る最初の門が  「守礼門」 です。

 門には  「守礼邦 (しゅれいのくに)」 という 扁額が掲げられており、

 「琉球は礼節を守る国」  という意味です。



 首里城は  外郭 (外側の城郭)と 内郭 (内側の城郭) に囲まれているため、

 城郭をくぐる時などの 門が多数あります。

 外郭の第一の門が  「歓会門 (かんかいもん)」 で、 歓迎するという意味です。



 第二の門 「瑞泉門 (ずいせんもん)」 の脇にある  「龍樋 (りゅうひ)」 。

 この湧き水が 王宮の飲料水や、 中国の使者のために 使われたそうです。

 瑞泉は 「立派でめでたい泉」 の意味で、 龍樋にちなんで名付けられました。



(次の記事に続く)
 

沖縄旅行 (4)

2013年12月18日 20時55分55秒 | Weblog
 
(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/63784889.html  からの続き)

 11月29日 (金)。

 朝食はホテルのバイキング。  (^-,^)
 

 ホテルの隣が 学会会場の 「コンベンションセンター」 で、

 敷地の入り口に  「歓海門」 が立っています。

 

 次が リカバリートークをした 「コンベンションセンター」 外観です。

 他の講演やプログラムも 聴講しました。



 コンベンションセンターと同じ敷地内の、 海浜公園にあるトロピカルビーチ。

 季節はほぼ冬で 曇天でしたが。



 こんな荒波の場所もありました。

 波を見ていて飽きない  σ (^^;)です。



 波打ち際には 多数の珊瑚が打ち上げられていて、 色々拾ってきました。




 29日の晩は 学会の懇親会。

 ところが 開催の15分ほど前に、

 東京で現金を下ろしそこねていたのを 思い出しました。

 現金がないと懇親会に出られません。 (・_・;)

 ホテルのフロントで ATMの場所を聞くと、

 ATMがあるコンビニまで 歩いて15分かかると。 (@_@)

 開始に間に合わない。

 また小走りで行きました。(・_・;)

 懇親会は満員の盛況で、 沖縄の歌や踊り, 獅子舞など、

 色々なアトラクションも催されました。



 懇親会の終盤は、 ステージと参加者が入り乱れて 踊りまわりました。

 偉い先生も皆、 沖縄の人は 本当によく踊ります。

 僕も 琉球踊りの基本形を覚えました。

 カメラのバッテリーが切れて、 撮影できず残念。

(次の記事に続く)
 

花屋さんが 心子にクリスマスプレゼント

2013年12月17日 22時02分59秒 | 心子、もろもろ
 
 心子の月命日、 お墓参りに行ってきました。
 
 いつも会うのが楽しみな、 心子似の花屋さん。

 花屋さんの出勤日を 電話で聞いて、 墓参りに行くようにしています。

 ところが先月は、 花屋さんがその日 風邪で休んでいて、 会えませんでした。

 今日 行くと、

 花屋さんのほうから 先月のことを謝ってきてくれて、 恐縮しました。

 何でも 数年ぶりのひどい風邪で、 声が出なくなってしまい、

 結構 長引いてしまったそうです。

 さて 12月は、 毎年ポインセチアを買っています。

 心子と12月にデートしたとき、

 道に並んでいた ポインセチアの名前を 二人とも度忘れしてしまったのですが、

 しばらく歩いていてから 僕は急に思い出し、

 「ポインセチア!」 と 突然言ったことが、 記憶に残っているのです。  (^^;)

 花屋さんは 何種類かのポインセチアを 色々紹介してくれました。

 そのなかから 鉢植えをふたつ選ぶと、

 花屋さんは クリスマスっぽくラップで包んでくれました。

 そして最後に、 小さな鉢をもうひとつ、

 心子へのプレゼントと言って、 袋に入れてくれました。  (^^)

 とても嬉しいことです。

 心子にも いいクリスマスプレゼントになったでしょう。

 (心子には、 お陰で 沖縄でいい発表ができたことも 報告してきました。)
 

沖縄旅行 (3)

2013年12月16日 22時24分31秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 平和祈念公園の資料館は、 残念ながら 時間の関係で見られませんでした。

 園内には霊域園路という、 全国各県の慰霊塔もあります。

 帰りのバスまでの時間、 地図を片手に、 霊域から展望台を見て回りました。





 それから バス停に向かおうとすると、

 地図で近道だと思っていた通路が 工事中で通れませんでした。 (@_@)

 ずっと大回りをして バス停まで行かなければなりません。

 1時間に1本以下のバスの時刻まで あと僅か。 (;°〇°)

 もう間に合わないかと 諦めかけました。

 タクシーで帰るしかないかと。

 でも とにかく走りました。

 そして、 何とか、 ぎりぎりで滑り込むことができました。(-。-;)

 それから 2時間あまりかけて、 宿泊先のラグナガーデンホテルへ。

 ところが ホテル前でバスを降りるとき、 バスが停留所を過ぎてしまいました。

 運転手さんに言うと、 バスは交差点の赤信号で止まり、

  「赤信号だから降りていい」 と。 (・_・;)

 しかも バスは真ん中の車線です。

 東京では、 いや他の土地では 考えられないですね。

 下が、 僕が泊まった ラグナガーデンホテルです。



 ホテルのラウンジには クリスマスのイルミネーションが飾られました。


 

(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/63787919.html に続く)
 

沖縄旅行 (2)

2013年12月15日 22時54分40秒 | Weblog
 
(前の記事からの続き)

 約1時間半で ひめゆりの塔に到着。



 下の写真は、 ひめゆりの塔の横にある 慰霊碑 (納骨堂)。

 手前の黒い穴は、 当時使われた土豪です。



  「ひめゆり」 は、 沖縄師範学校女子部と県立第一女学校の愛称です。

 200人あまりの生徒と教師が 看護要員として動員されました。

 しかし 現場は正に野戦病院で、

 悲惨な負傷兵の看護, 四肢の切断, 死体埋葬などに追われました。

 排泄物や血, 膿の悪臭が充満し、 土豪の中で 身の危険にさらされていました。

 米軍が迫りきて、 突然 日本軍による 無責任な 「解散命令」 が下り、

 彼女たちは戦場に放り出されて、 逃げ場もなく絶望し、

 136人が自決などで 命を絶ちました。

 沖縄は、 米軍の本土上陸を 一日でも遅らせるため、 日本軍を守るための

 「根こそぎ動員」 で、 12万人以上の住民が犠牲となったのです。


 ひめゆりの塔から またバスで、 摩文仁 (まぶに) の平和祈念公園へ。

 平和祈念公園には、 ひめゆりの女生徒たちが  「天皇陛下万歳」 と叫びながら、

 断崖から海へ飛び降りたという  「バンザイクリフ」 があります。





 (ただし、 TVでよく見る 投身の映像は、

 ここではなく サイパンのものだそうです。

 バンザイクリフは 硫黄島にもあるといいます。)


 身投げをした岸壁の横は  「平和の広場」 で、

 中央に 「平和の火」 が灯されています。



  「平和の火」 の後方に 並んで見えるのは、 「平和の礎 (いしじ)」 。

 沖縄戦などで命を失った 全ての人々の名前が、

 国籍, 軍人, 民間人の区別なく 刻まれています。



(次の記事に続く)