人との境界が 曖昧ということは、
自己のアイデンティティを 絶えず外界から 脅かされやすいということです。
基本的な安心感に乏しく、 居場所のなさを 覚えやすいのです。
これは 自己と他者を切り離す 最初の段階
-- 母子分離の段階での つまずきが影響しています。
安心して母親の元から 離れて行けず、
自分が独立することに 不安と恐れを感じます。
このタイプの人は いつも安全や主体性を 脅かされ、
人を心から信じることが できにくいのです。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子の手紙からです。
「 マー君は穏やかで 静かな空気を感じます。
こんな優しく 平和な時間があるのか、 怖いくらいに 平和なときでした。
けれど、 やはり足りないのです。
心がどこか 悲しく淋しく、
埋められない 大きな穴があいて、 私を苦しめます。
マー君と心子では、 愛し方が違いすぎるのでしょうね……。」
愛されていると感じながら、
容易にそれを信じて 安心することができないのでしょう。
心に大きな穴があって、
ここが自分の居場所だと 感じられなかったのだと思います。