「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心から安心することができない

2009年10月26日 23時07分50秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 人との境界が 曖昧ということは、

 自己のアイデンティティを 絶えず外界から 脅かされやすいということです。

 基本的な安心感に乏しく、 居場所のなさを 覚えやすいのです。

 これは 自己と他者を切り離す 最初の段階

 -- 母子分離の段階での つまずきが影響しています。

 安心して母親の元から 離れて行けず、

 自分が独立することに 不安と恐れを感じます。

 このタイプの人は いつも安全や主体性を 脅かされ、

 人を心から信じることが できにくいのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕


 心子の手紙からです。

「 マー君は穏やかで 静かな空気を感じます。

 こんな優しく 平和な時間があるのか、 怖いくらいに 平和なときでした。

 けれど、 やはり足りないのです。

 心がどこか 悲しく淋しく、

 埋められない 大きな穴があいて、 私を苦しめます。

 マー君と心子では、 愛し方が違いすぎるのでしょうね……。」

 愛されていると感じながら、

 容易にそれを信じて 安心することができないのでしょう。

 心に大きな穴があって、

 ここが自分の居場所だと 感じられなかったのだと思います。
 
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