「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

怒りや感情の ブレーキが利かない

2009年10月11日 19時50分00秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
(前の記事からの続き)

④ 怒りや感情の ブレーキが利かない

 とても傷つきやすく、 些細なことで腹を立てて ブレーキが利きません。

 甘えを許してくれる人にだけ 出やすいのが特徴です。

 自分を守ろうとして、 または、

 分かってもらえない苛立ちから 居丈高になったりします。

 他のことは 頭から飛んでしまい、 TPOに関係なく 激しく反応してしまいます。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕


 このことは、 僕が心子に 最も苦い目に 遭わされたことのひとつです。

 心子は自分の痛みを 分かってもらえない悲しさが、

 怒りとなって 爆発してしまいます。

 それは 僕や母親など、 親しい間柄でのみ 起こることでした。

 二人は一心同体でありたいという 欲求がハイレベルなので、

 現実にはそれが満たされずに 爆発してしまうのです。

 怒りは、 傷ついても 自分が倒れずに、

 持ちこたえているための 感情でもあります。

 トラブルが起きるのは大抵 二人だけの時でしたが、

 心子は外でも 人目を憚らず 僕に食ってかかったこともありました。

 一方で、 苦しくて 電車の中で叫びたくなるのを、

 必死で堪えていたこともありました。

 人前では時によって 感情をコントロールできたのかもしれません。

 怒りや攻撃は 周囲が最も困惑することですが、

 一番苦しいのは 本人にほかならないのです。

(次の記事に続く)
 
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