(前の記事からの続き)
② 対人関係が両極端で、 不安定である
ある人に対して、 信頼できる人だという気持ちと、
自分を裏切るに違いないという、
相反する気持ち (アンビバレンス) が 同居して、
両極端に見える 行動を取られます。
BPDの人は 親に見捨てられたと感じ、
「本当の親」 探しの 旅をしてきました。
現実に得られなかった 完全無欠の親、
100%の愛を 与えてくれる人を 見つけ出そうとします。
回復するためには、
いつか見捨てられるという 誤った確信を 克服する必要があります。
親を信頼できる存在として 受け入れるか、
それに代わる存在に 支えられながら、
親を求め続ける気持ちを 卒業していくかです。
ただ 常に別れを繰り返すのではなく、
一定の信頼が生まれると、 その関係を 大切にすることがあります。
気まぐれで 相手を取っかえ引っかえするのが、
BPDの本性のように捉えるのは 誤解に繋がります。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子は こんな手紙を 送ってきたことがあります。
「 母親を泣いて探す 迷い子のように、 心子はいつも 求めていました。
この世の中に 唯一絶対の愛があることを。
相手のためなら 自分が死ぬことさえ 笑って受け入れられるほどの、
強い愛が 存在することを。 」
心子は 恋愛対象は少なくなかったようですが、 僕と知り合ってからは、
トラブルがあって 別れていっても、 忘れたころになると 再び連絡してきました。
恋人として付き合うようになるまで 約6年越し、 別れと再会を繰り返しました。
付き合い始めた 初期の頃は、 毎日メールや電話をすることを 求められましたが、
ある時期から それは落ち着きました。
主治医の先生によると、 僕を信頼して
「試す」 必要が なくなったからだと言われました。
(次の記事に続く)