蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

思い複雑ライブドアとホリエモン!ー一審実刑判決の怪ー

2007-03-16 23:53:15 | 時事所感
3月16日(金)晴れ。寒の戻りか終日寒し。

  朝、10時。この日特別に30分延長された、スパモニは法廷から走り出てきた男女三人のリポーターが、堀江ライブドア元社長、有罪です。実刑です。懲役2年6月です、と息せき切って告げてくれた。

 その詳報は下記のとおりである。
【視点】ライブドア事件 堀江被告に実刑 投資家“踏み台”に厳罰(産経新聞) - goo ニュース

 この判決を聞いて先ず感じたのは、随分、重いなということである。厳密な司法判断というよりは、一種の社会的リンチのように感じた。

 その背景にまざまざと浮かんだのは、フジTV会長だかの自社株を買い占められて、泣く泣く手を握らされてイヤイヤのしかめっ面である。
 彼は、今日の判決をどんな気持ちでお聞きになったのだろうか。
 「こんちくしょう奴、いい歳をしたこの俺様が、こんな兄ちゃん風情に手玉にとられて…悔しい!」というところだろうか。
 
 私は、半信半疑でライブドア株をなけなしのへそくりで弄び、大やけどした愚者の一人である。
 だが、それは自業自得と諦めている。

 がしかし、私にはどうしても納得できないことがある。
 昨年1月いきなり逮捕された男が、僅かその半年前には、大与党自民党の大幹事長閣下に「わが息子」と呼んで肩をだきすくめていたのである。
 小泉内閣の大参謀、竹中前大臣までが、若きチャレンジャーと誉めそやしたのである。
 与党自民党は、ホリエモン・ライブドア株を国民にご推奨になったのである。

 しかし、今日の判決では、詳しく読んだわけではないが、このことに一言もふれていないのではないか。

 今、問題になっている日興コーディアルのやったことも、ライブドア同様以上に悪質だと言われる一方で、早々とお咎めなしの方向へいこうとしている。
 その陰には同社の幹部が、今をときめく自ら最高権力者と自認されている方と極めて緊密な間柄にあると噂されている。

 こういうのを、世の中の常識では片手落ちというのではないだろうか。

 ところで、こうしてみると、ホリエモン氏は知らず知らずの内に、誰か、権力内の反対勢力の大物の虎の尾を踏んでしまったことが、運のつきということになったのだろうか。

 昨年の新興市場株の暴落は、ライブドア一社の粉飾云々ではなく、いきなり水をぶっかけた誰が仕組んだのかしるよしもない国策捜査のショックの方がはるかに大きかったのではないだろうか。

 現に捜査の中心にあった特捜検事(副部長)が、突如、職を辞してしまったのは何を物語っているのだろうか。

 彼は、朝日の記事の中で、「捜査情報が、事前に漏れたことにより手順が狂ってしまった。株式市場への影響を十分に配慮してやるつもりだった」と語っている。
 いつか、守秘義務の時効が成って、真実をお話いただくのを待つほかはないのだ。

 そして今、私に聞こえてくるのは、「目障りで生意気な小僧をたたきのめしてやった」という、どこかの、この国の権力者の一角にどっかと腰を据えた強欲爺さんの高笑いのような気がするのだが…。