蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

都知事選の幕上がるー見渡せば枯れ木の山の賑わいか!ー

2007-03-24 01:24:20 | 時事所感
3月23日(金)晴れ。朝から8度、日中は20度近くなる。暖。

  今朝のアサスパ。待ってました。都知事選の幕上げだ。蓋を開ければ候補者は、最多の14人とか。

 その内、朝日新聞で主な候補者とされた方々をと見れば、最長老は78歳、ドクター・中松氏。次が74歳の石原現職閣下。その次が閣下のご親友と自称なさる73歳の黒川一級建築士。そして一寸下ったところで、ぎりぎり50台の浅野前宮城県知事と吉田元足立区長さんということになった。

 何だか拍子抜けする、炭酸の抜けたサイダーかラムネみたいな顔ぶれではないか。首都東京の顔を争われるには、これまでに比べて、余りにも華がないとは言えまいか。
 
 アサスパのカメラが、先ず石原閣下を追った。最愛の息子か、伸晃議員から選挙カーの上で紹介を受ける。
 これまでのような石原軍団の大げさな襟巻きトカゲに包まれたような派手さはない。
 そして第一声を上げに向かった立川駅前。首都循環道路の整備をお訴えになる。結構な数の聴衆だ。次々に握手を求める御婦人達。まだまだ人気は衰えない。少々の税金での豪遊つまみ食いなど、さらさらお気になさらない鷹揚な方々ばかりなのだろうか。
 次に、現れたのが新橋駅前。そこから何故か?車を捨てたご一行は、改札くぐって山の手線の電車の中へ。閣下は憮然としてつり革におつかまりになって窓外を見やる。74歳のご老体に席を譲る乗客は居ないのだ。
 そこには、かっての倣岸不遜の面影はどこにもなかった。何だか気弱な、お人違いのような、ひたすらお詫び行脚の趣を見るは、山家の隠居の僻目だろうか…。

 これでは、「ご老体、週に3っ日といわず、知事なんかお辞めになって、毎日が日曜日と、晩節をまっとうされては」と、思わず諫言申し上げたくもなるではないか。

 ところで、ここでちょいと思い出すのは、同じご老体でも、当時の自民党は若造実力小沢幹事長に、こけにされてたまるかと、真っ向法体操で、日頃、鍛えしご老体をUの字に曲げて見せて、大向こうを唖然とさせた鈴木元知事の気迫振りとは、何と見劣りすることか。

 次に画面に飛び出されたは、浅野先生。こちらは、何が何でもあの都庁タワーによじ登らんとキッと見据えての選挙事務所前からの第一声だ。どうしたわけか聞いてる筈の聴衆が一人も映らない不思議さ。
 そして次は、築地市場を、握手してまくりの駆け足姿。せめてお爺いちゃま閣下とは、ここが違うかとの見せどころだろうか…。
 だが、どうだろうか。レッサーパンダが、眼鏡をかけて無理に笑顔をつくったような、あのお顔では、首都東京の看板になるだろうか…。

 三番手に映ったは、真っ白い箱のボディーにまん丸お窓を開けた選挙カーに、すこぶるご満悦顔の黒川一級建築士。銀座では、偶然出会った振りしての、若尾文子大女優奥様との仲良しツーショット。
 そして、お次は、隅田川か中川かを、ご自慢のクルーザーを自ら梶を握っての川浪蹴立ててのクルーズ姿。橋の上では道行く人がアングリアである。それをめがけて老青年は片手を上げて打ち振られる。
 何だか楽しくてたまらないお爺ちゃん坊ちゃまのはしゃぎようだ。

 さても、つくづく山家の隠居の遠目には、見渡せば枯れ木の山の賑わいに、花芽いずこぞ。

 これで4月の8日には、どんな姥桜が咲くのやら…。

 と、思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか。
 
ー追記ー

 忘れていました。今、読み返していましたら、吉田先生の丸い笑顔も見たような気もいたしました。
 こちらは、「反応いいです」とにっこり、いつもの一言だったようでした。