蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

参議院予算委員会国会中継を視る。ー活ける「鳥獣戯画」を見る如し!ー

2007-03-07 01:12:35 | 時事所感
 3月6日(火)晴れ。日中暖、日没より冷え込む。庭先の梅、漸く二分咲きか。北北西の風強し。

 昨日、今日、二日続けて、参議院予算委員会質疑国会中継を垣間見た。実に面白かった。時にいいかげんさに腹も立ち、イライラもした。
 最初からブログに書く積りならビデオでもとっておけばよいのだが、そんな面倒くさい道具はこの歳になると態々持つ気にもなれない。

 今朝の新聞(朝日)で、昨日の予算委員会の様子をどう書いてあるか見てみたが、こんなことだっかと思うほどのことしか書いてなかった。私の垣間見た印象とは随分違っていた。
 やはり、物事は自分の目を通して見ることがいかに大切かを、改めて感じた。

 ところで、私が目にしたのは昨日の午後、民主党の桜井充議員のところからだった。

 その直前、カメラが斜め上の方から安倍総理を捉えたが、その一瞬の表情、疲れきったたような、やれやれといった感じで伏せていた面差しを質疑席に向けたのが、先ず印象的だった。

 桜井議員の質問、興味を引かれたのは、規制改革についての質問に移ってからだった。
 桜井議員は、「地元仙台のタクシーが規制改革による新規参入で、従前500台だったものが洒落ではなく1000台になった。その結果、運転手さんたちの給料は30万円平均あったものがいまや15万円そこそこになってしまった。
 この規制改革とは、一体誰のためだったのか。規制改革委員会の委員長のリース会社の社長のためのものでしかなかったのではないか。これは、アメリカだったらお縄頂戴になるものではないか」と、厳しく政府を責めた。

 その答弁に総理をと求められているにも拘らず、前任者のお粗末で棚から牡丹餅、ここでお返ししなければとばかりに、のこのこしゃしゃり出た渡辺規制改革特命担当大臣の粗雑な答弁のお粗末さ。
 自分がいかにこけにされているかも、知らぬげの、お目目ばかりが、クリクリの栃木のお山の狸踊りのお披露目だ。

 そして、今日。朝から自民党議員のオンパレード。来る参院選を前に臆面もない自己PRの花盛り。挙句の果てが馴れ合い褒めあいのできレースだ。

 特に呆れ果てたのが、三浦一水議員のあら恥ずかしや大エールだ。
 「安倍総理とは昭和29年生まれの同い年同士として云々から始まって、歴代こんなに国民の一人一人に目配りされた優しい総理をみたことがない…」とまでのたまう始末。
とうとう最後に、「私は、安倍総理と運命をともにしたい」とまでおっしゃった。さすがにこれには議場に苦笑がながれ、どうぞご勝手にご心中くださいと、ひと言呈上したくなった。

 そして次は何方と思っているところに、思わぬ来客。地元紙に9条改定反対の署名広告出したいので、署名カンパのご依頼だ。日頃の付き合い断れない。用が済んだら直ぐにお帰りかと思いきや、どっかり腰を落ち着けて、先日の続きの四方山話。

 知人が帰って再び、TVの前に戻ってみれば、共産党の小池議員が、一転まさに決闘かとも思うかの「総理!総理!」と浅野内匠頭が吉良上野介に迫る勢いだ。

 何事ならんと、傾聴すれば、285万円の所得しかない人の国民保険税が45万円とか。これを「総理は、どう思うか。貧しい国民は死ねということか」と厳しい追及。

 これには、早速、女は産む機械発言で俄かに天下に名を売った柳沢大臣が「私も今一生懸命計算してみましたが…」と、答えにならないような生煮え答弁だ。

 確かにこれを聞いて山家の隠居も首を捻った。私も同じ年金収入、しかし、その半分ほどですんでいる。どうしてそんな額になるのか、事実とすればこれは脅威だ。

 この間、議場は静まり返り、シラーとした雰囲気が流れた。
 共産党の主張の常套手段か、どこで探してきたのか、よっぽど極端な例を持ち出してのヒステリックな追求は、それが正論であっても何か聞くものをして反発させるのは何故だろうか。

 これが、社民党の阿部知子議員なら、同じ材料を使っても、もっとやんわり、しかし厳しく、にっこり笑って人を切ったのではないだろうか。

 そして、本日の最終バッターは、尖がりお口の社民党は福島瑞穂党首だ。「米軍グァム移転費には6000億も支出しようとして、生活保護費は460億も削るとは何事」と、金切り声をおあげになった。
 ところがどっこい、「いやそんなことはありません。事実をまげてはいけません。全部支出項目を見直し改めただけで実質的にはかわっていません」と、安倍お坊ちゃま総理に軽く否されるお粗末さだった。

 最後に、「国会中継を終わります」と流されたなかで、性能が良いマイクが、拾った出席議員の何方かの捨て台詞。「いつも同じだなー」
 確り山家の隠居の耳に残った。そして目には、チョイの間カメラが捉えた、伊吹文科大臣の大あくび。

 質疑は、あらかじめ相互に通知しあってのこととは聞く。が、本番はやはり、それぞれどんなに隠してみても、高性能のハイヴイジョンレンズの前では、衣の下の鎧までもが透けて覗けるおもしろさ。

 これぞまさに国宝、伝鳥羽僧正の「鳥獣戯画」を見る思い。こんな楽しくためになる見ものがあったとは、現役時代にはついぞ知らなかった。
 山家の隠居の楽しみだけにしておくには、真に勿体無い代物ではないか。

と思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか。

ー追記ー
本文は、山家の隠居の豆腐頭で、メモなしの記憶だけで記しておりますので、聞き間違いや思い違いが多々あることをご了承ください。