蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

どこまで本気?“弱者救済 国の関与強化”―安倍政権―

2007-03-26 23:28:13 | 時事所感
3月26日(日) 晴れ。暖。

 24日の朝日朝刊、4面に『半年の軌跡 安倍政権研究』なる記事が出ていた。
  この記事によれば、
『今、安倍首相は、支持率が低迷する中で、自らの原点に返ろうとしている。それは、若い頃、安全保障と社会保障を「ふたつの保障」として自らの政治課題に見定めた原点だという。
官邸内の今の雰囲気を、政府関係者は、「最低賃金をどう引き上げるか本気で議論している。まるで社会主義政権みたいだ」と語った。
  安倍首相が、その影を追い求めているかのような祖父の岸元首相はかってこう語ったと言う。
「放漫なる自由主義経済はね、弱肉強食、つまり勝手にやれというシステムですからね。だからそういうものではなしに、経済に一種の計画性とか、自ら越えてはならない制約というものを設けるという考えなんです」』と。

そしてこの記事は、
 『安倍首相は、「勝ち組重視」「格差拡大」との批判を浴びた小泉路線から距離を置き、経済分野でも国家の関与強める国家主義的な色彩の「岸の世界」に近づこうとしている』と記す。
 
このような思いに基づいてか、
 『首相は3月1日の国会でも、「最賃法については生活保護との整合性をまず念頭に、できれば高くなった方がいいと思う」と踏み込んだ。社会的弱者をどう支えていくのかー。残業代割増賃金の引き上げ、パート労働者の待遇差別の禁止…。今国会に提出された労働関係6法案には、こんな思想が貫かれている。』と、記事は続いている。

  日頃、安倍政権に点の辛いと言うか、もっぱら足の引っ張り役かの感を受ける、朝日の記事としては、どうした風の吹き回しと、こちとらとしては面食らう。

  とはいえ、云われてみれば、同紙の同日付け11面では、
 『下請けいじめ対策本腰 経産省 東芝子会社名を公表』
との見出しが目に止まった。

  この記事によれば、
 『経済産業省は23日、東芝子会社の照明器具メーカー東芝ライテックが、下請け13業者に計約3500万円の値引きを強要していたとして、下請け代金支払い遅延等防止法に基づき、公正取引委員会に措置を請求した。
  公取委は事実関係を調べ、値引き分の返済や再発防止策の策定を同社に勧告する。  「成長力底上げ」を掲げる政府として、下請けいじめの取締り強化をアピールする狙いがあり、大企業は取引の見直しを迫られそうだ。
  …甘利経産相は今月、日本経団連や日本商工会議所にも下請け取引適正化を求めている』とある。

  こうして見ると、安倍政権の格差解消策への取り組みは、少しは本気なのだろうか。
  本気だとすれば、近頃これほど結構な話はないではないか。

  だがしかし、美味い話には裏が有るとも言う。

  だとすれば、それは、念願の憲法改正への反対の声を上げる左巻きとかの度し難い輩を、分断するための飴ということだろうか。

  いずれにしても、物事の全ては結果のいかんだ。

  ならば、度し難い左巻きの一人としては、今しばらくは、高みの見物を決め込むしかないということだろうか。

  そして、今頃、同胞の日本人なんか、ネジの一つかとお思いの、御手洗経団連会長閣下は、自分らが綱を曳いてる積りの血統書付きのビーグルポチが、話が違う方向に行きそうなのを見て、おっとどっこいこりゃどうしたと、びっくり眼(マナコ)のホーホケキョだろうか。

と、思うこの頃さて皆様はいかがお思いでしょうか。