徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

タイガース、水彩画、鉄道などの、僕の気ままな”独り言”

映 画  「 楽園 」

2019年10月21日 20時47分08秒 | 映画・社会

映画の表題の ” 楽園 ” とは程遠い内容の映画でした。
だからこそ、楽園を目指すということなのでしょう。

最近の社会の事件を彷彿させるもので、今の日本の社会の縮図なのでしょうか・・・
それも負の世界に圧倒され、陰鬱な気分になりますが、これが日本の現実なのだと思わざるを得ません

まっとうな人間がまわりにつぶされ、未だに村八分が存在し、痛みと苦しみはすさましく、差別が歴然と存在するリアルさがすさまじしく伝わってきます。

      

 

話は、ある小さな町で一人の少女が行方不明になります。
その事件が解決しないまま12年間が過ぎ、再び少女が行方不明になる事件が起こります。

  
   この分岐点で少女の行方不明が・・・           一緒にいた紡と豪士

この集落で孤立する一人の青年中村豪士(綾野剛)に人々の疑いの目が向かいます。
前の行方不明になった事件が起こる直前まで一緒にいた湯川紡(杉咲花)は、祭りの準備最中に孤独な豪士に出会う。

豪士が容疑者として疑われ、追われてとある食堂で奇抜な行動に出ます。
なぜ、彼がこのように追い詰められなくてはならなかったのか・・・

     

  
   追い詰められて善次郎もその後奇抜な行動を・・・   
    


また、この集落の養蜂家の男 田中善次郎(佐藤浩市)が、ある出来事から村八分にされます。
愛犬と暮らす善次郎は村おこしのためと村のために役場に働きかけますが、それが村の重鎮の逆鱗に触れ村中の非難の的になります。
善次郎は、狂気に陥り、恐るべき事件へと発展します。

このように、辺境の世界では、多くの差別があり、人権とか権利とかいう以前の問題が起こっているのです。
地方と都会の差別、日本人と外国人の偏見、誰かを孤立化することで結束を保とうとする社会。
舞台の景色が美しい程、人間の醜さが浮き彫りされます。

楽園を知らない若者、楽園を探し求める少女。・・・そして、なぜ、人は罪を犯すのか、
そして、なぜ、まっとうな人間が壊れてゆくのか・・・・

この映画は、吉田修一の短編集の1部を「64-ロクヨン」シリーズなどの瀬々敬久監督が映画化したもので、幼女誘拐事件、少女行方不明事件、養蜂家事件の短編をまとめたもの。


映画 「 記憶にございません 」

2019年09月18日 12時33分54秒 | 映画・社会

三谷幸喜氏の長編映画監督8作目で、政界を巡るコメディーです。
いわゆる、政界の疑惑や黒い部分をより明確に皮肉を込めてアピールしています。
もちろん、ありえない話ではあるのですが、それがコメディーの本領発揮なのでしょう。

ともかく、軽く笑える内容で、一国の一番の権力者である某国の総理大臣の身に起こった出来事をこんな状態ならどうなるのだろうと仮想したものです。

  

 

史上最低の支持率の総理大臣(中井貴一)が演説中に投石を受け病院に運ばれ、病院のベッドで目が覚めたところから映画は始まります。

自分が誰だか、ここがどこなのかわからないと一切の記憶がなくなっています。
もちろん、自分がこの国の最高権力者だったことも分からず、石を投げられるほど嫌われているということも・・・

側近が迎えにきて、首相官邸に連れてゆかれ、自分が第127代内閣総理大臣であることを告げられますが、記憶がない状態であり、このことはトップシークレットとしておくことを秘書官3名のみの秘密として物語は進みます。

  
 

総理大臣を巡る多くの起こるであろう問題というより起こっているのではないかと思われる独断と偏見にみちた問題のオンパレードです。

つまり、他国の首脳、政界のライバル、官邸のスタッフ、マスコミ、首相の家族、とその夫人の不倫、子供の非行、国民、業者との癒着、愛人等々を絡めてのドタバタ喜劇・・・


 以上の内容と以下の多彩なキャストで話の内容を想像して見てください。
少々内容に矛盾があっても、どこか実際と重ねあってクスと笑うところがコメディーの神髄なのでしょうか・・・・

  

  


 

3人の首相を取り巻く秘書官には、井坂(ディーン・フジオカ)事務秘書官 番場のぞみ(小池栄子)
                秘書官補(追田孝也) 
 官房長官 鶴丸大吾 (草刈正雄)、首相夫人 (石田ゆり子)、官邸の料理人(斎藤由貴)、
フリーライター(佐藤浩市)、野党第2党首(吉田 羊)アメリカ初の日系女性大統領
(木村佳乃)、
元小学校教師(山口 崇)、職務熱心な警官(田中 圭)、石を投げた大工(寺島進)、

建設会社社長(梶原善)夜のニュースキャスター(有働由美子)ETC・             ・・・

 


映画 「 引っ越し大名 」

2019年09月05日 15時38分54秒 | 映画・社会

バラエティ、コメディー、どちらでも良いのですが、クスクス笑うところもあり、人情や涙もあり、楽しめる映画となっています。

  
                        芸達者な脇役たち 
 

 

”引っ越し大名”の話の主は、江戸時代前期、越前大野藩主松平直基の長男と生まれた松平大和守直矩のことで、実際に存在した大名です。

父直基は出羽山形藩主だったが、播磨姫路に国替を命じられるが、封地に赴く途中で死去し、この映画の主人公直矩は5歳で家督を継ぐが、幼少の直矩は不適当と判断され、越後村上藩に国替えとなる。
成人した後再び姫路藩主として復帰します。

  
   毎日、書庫で読書に耽る片桐春之助    引っ越し奉行を命じられ抵抗する春之助 

 

 

映画は、ここから始まります。
主人公は、このあだな大名ではなく、姫路藩の書庫番として働いていた片桐春之助(星野 源)で、本の虫である春之助は、書庫に引きこもり、人とのコミュニケーションが苦手という困った侍でした。

ある時、幕府から、藩主の松平直矩(及川光博)に姫路から大分への国替えを言い渡されます。

国替えとは、平安時代の国司任地を替えることから、江戸時代は幕府が大名統制策として、大名の領地を他に移し替えることで、所替とか転封と同義です。

さて、この国替えは、当時の参勤交代以上に費用がかかり、その上、15万石から7万石への減封でお家の一大事です。

この減封は、親族のお家騒動に巻き込まれ一族を代表して調整を行うが、不手際を指摘されての処置なのですが、映画では柳沢吉保(向井 理)との軋轢(あつれき)が原因としていますが・・・

 

この超難関プロジェクトを成し遂げる白羽の矢が当たったのが、片桐春之助でした。
以前の引っ越し奉行は、亡くなり、書物に精通している春之助は色々な知識があるだろうという単純な判断からきめられたようです。

突然の大役に怖気ずく春之助は、幼なじみで武芸達者な鷹村源右衛門(高橋一生)や前の引っ越し奉行の娘於蘭(高畠充希)に助けをかりることで、引っ越しの準備を進めてゆきます。

ここでの難題は、資金調達です。 半分は勘定頭(濱田 岳)の知恵を借りるが、後の半分は、リストラをすることや、人足を減らし下士にその変わりをさせるなど、大ナタを振るいます。
また、リストラの侍には、今後加増なれば呼び戻すということを条件にして納得を得る努力をしてゆきます。

果たして春之助らはこの一世一代のプロジェクトを知恵と工夫で無事に成し遂げられるのでしょうか?
この状態は、現在に通じるところもあり、宮仕えの難しさ、会社経営の難しさと両面から問題提起されているようです。

  
 引っ越し行列の最中に起こった事件とは・・ 歌を歌いながらの行列も行き先に待ち受ける難儀が・・

 

ちなみに、この後の国替えは、豊後日田藩主、出羽山形藩主、陸奥白河藩主とかわり、陸奥白河で、前の石高15万石になり、姫路でリストラした藩士たちは、はたしてどうなったのでしょうか・・・

このリストラ藩士に、話題のピエール瀧がでています。

他に、勤勉で将来有望な藩士、祐筆の山里一朗太(小沢征悦)、春之助を奉行に命じた国家老 本村三右エ門(松重 豊)、謎の多い次席家老 藤原修三(西村まさ彦)・・・・・・
多彩な芸達者な脇役で、一見平凡なドタバタ劇も考えさせられ、最後は納得させられるという映画の楽しさを味わえるものでした。

                                       表題のお城の写真は 今年3月 再建された 摂津国 尼崎城


映画 「 アルキメデスの大戦 」

2019年08月01日 16時35分05秒 | 映画・社会

1930年代 第2次世界大戦前の日本海軍の戦艦”大和”を巡る”机の上の大戦”が始まる様子を描いています。

映画を見に行く前からこの表題のアルキメデスの意味が何なのか分かりませんでした。

さて、この映画を見て分かったのでしょうか・・・
なお、後半にネタバレも含まれていますので、念のために・・・

              

 

この映画は、数学で戦争を止めようとした男の物語です。

数字で戦争を止めるとは・・どういうことなのでしょうか・・・

確かに、紀元前の古代ギリシャの数学者にアルキメデスがおり、「アルキメデスの原理」は有名です。
この「アルキメデスの原理」と関係があるのかと思ったのですが・・・・。

  

 

映画は、戦艦”大和”の壮絶な戦いの末、沈没する悲壮な様子が映し出されます。
話は、この戦艦”大和”が撃沈される十年ほど前に戻ります。
 

帝国海軍を象徴する大型戦艦の製造を目指す機運が盛り上がる中、第1航空戦隊司令官の山本五十六海軍少将(館ひろし)は、必要なのは大きな戦艦ではなく航空母艦であると考えていました。

そんな中、新型戦艦建造計画会議で発表された大型戦艦の建造の見積もりに虚偽があると気づいた山本は、この不正を暴くため、帝大数学家の学生にして数学の天才と言われている 櫂 直(かい ただし)(菅田将暉)を白羽の矢をたてます。


  

  櫂は、山本のもとに駆け寄る       実際より少ない見積もりを提出した平山海軍造船中将

 

新造戦艦の決定会議は2週間後でその間、資料は国家機密として開示されず、資料のない中、その見積もりの疑義を証明すべく奔走します。

資料のない中、同じ形態の戦艦長門に乗船し、寸法を測り、ボルトの数まで手当たり次第測り、これをもとに戦艦の設計図を作り上げました。

戦艦にほとんど知識のない櫂は、専門書を読破し、あらゆるツテをたどり見事に作り上げます。

この会議では、櫂の見事な数字での疑義解明を、見積もりを提出した平山忠道 海軍造船中将(田中庇)を推す嶋田繁太郎海軍大将(橋爪 功)などは、負けを認め、山本が推す空母を造ることになるのですが・・。

  

   山本五十六と永野海軍大将(国村 隼)    櫂の部下 田中少尉(柄本 佑)
  平山見積もりと対峙する両人        当初、固い軍人だったが、櫂に感化され協力者となる


しかし、その後、この誤った見積もりには、平山中将には、それなりの理由があったのです。
実際より少ない見積もりには、この戦艦を造ることによって、多くの国民の戦意を高揚させると同時にこれが撃沈すれば、国民の戦意が喪失し、終戦を早くすることが目的だったと櫂に証した。

軍部上層部は、日本人の一人残すことなく戦争を続行されるに違いない。 早く終結する手段であると・・・

   左 嶋田海軍少将(橋爪功)
                         右 平山海軍造船中将(田中庇)

この物語は、もちろんフイックションですが、これでいとも簡単に戦艦”大和”が撃沈され、海軍全体が戦争反対であったということを言いたかったのかも知れません。

なお、アルキメデスという名前は案外 櫂のモデルなのかも知れません。
古代ギリシャのアルキメデスは、数学、物理学のあらゆる発明もしていますが、中でも機械の設計も秀でて、戦争の武器も考案したと言われていますので・・・・あくまで僕個人の所見ですが・・・

 


映画 「 居眠り磐音 」

2019年05月21日 20時17分32秒 | 映画・社会

時代小説で知られる佐伯泰英の人気シリーズの映画化。

このシリーズ初めての映画化で、松阪桃李が時代劇初めての主演であり、今後のシリーズ化が期待されます。
しかし、この映画は、ピエール瀧の代役で話題を呼んだ作品でもありました。

さて、時代劇につきもののチャンバラは、この映画には、欠かせないシーンとなっています。
同時に時代劇にして、良くある話として、恋があり、人情があり、そして勧善懲悪で絶対的、強力な正義が存在します。

  
 

人情に厚く、さわやかな好青年の坂崎磐音(松阪桃李)は剣の達人ではあるが、日向ぼっこで居眠りする老猫のような剣術で、眠っているか起きているのか分からないようなことから”居眠り剣法”と呼ばれていました。

磐音と幼なじみの小林琴平(柄本佑)、河井慎之輔(杉野遥亮)は、江戸の佐々木道場(道場主 ・佐々木蔵之介)で腕を磨き、江戸勤番を終え、三年ぶりに故郷の国元、豊後関前藩に戻ります。

 


3年前、磐音と言い かわした琴平の妹 奈緒(芳根京子)と祝言を控え、河合新之助が奈緒の姉の舞を留守中に不倫を働いたという噂を信じて切ってしまう事件が発生します。
それに激怒した琴平は、慎之輔を斬ってしまいます。

  
   国家老 宍戸文六(奥田瑛二)
 

藩の国家老 宍戸文六(ピエール瀧の代役に奥田瑛二)らは、噂を流したりして、三人を亡き者にしょうとする陰謀の一端として、磐音に上意討ちを命じ、打ち取りはしたものの、磐音は脱藩します。

奈緒の兄を斬った磐音は、一緒になれないと思い、この地にとどまることが出来ず、江戸に流れます。

 

 

  
   佐々木道場 佐々木玲圓(佐々木蔵之介)  両替商 有楽斎(柄本明)

 

 

以上、ここまでは、この物語の序曲で、江戸での生活は、用心棒として波乱万丈で新貨幣騒動から陰謀に巻き込まれ幕閣にまで影響を及ぼす事態となります。

話としては、あの事件後半年が経ち、用心棒としての磐音の活躍が痛快で、複雑怪奇な人間関係をも見どころです。

  


江戸では、浪人として、その日暮らしにも困るほどであったが、大家の金兵衛(中村梅雀)の世話で昼はうなぎ屋で、夜は両替商 今津屋(谷原章介)の用心棒として働きます。
腕が立つことから人々に頼られる存在となり、今津屋の女中で金兵衛の娘・おこん(木村文乃)からも好意を持たれます。


そこから新たな物語が複雑に絡んで、幾多の困難が待ち受けています・・・・

 

他に西村まさ彦、陣内孝則、ベンガル、五月女太一、財前直見、石丸健二郎など芸達者が物語を進めます。

さて、最後は、ハッピーエンドとなったのでしょうか・・・

 

     尚、カバータイトルの架空のお城は、映画の中で豊後関前藩の城として映し出されています。


映画 「 七つの会議 」

2019年02月05日 20時31分54秒 | 映画・社会

池井戸潤の同名小説を映画化した企業犯罪エンターテイメント。

ここ何年間、多くの企業犯罪が報道されていますが、その一つ改竄とか隠ぺいとかがいかにして起こるのかを描かれた映画です。

企業犯罪には公害、企業災害、買い占め、脱税、贈あい、粉飾決算、談合、偽装、汚職、インサイダー取引、不正融資、データー改竄、不正融資、リコール隠し等、多くあり、社会悪の権現とされています。

   

この映画では、パワハラを告白したことから会社内で起こる騒動で会社の浮沈にかかわる犯罪を暴いてゆく物語です。

都内のあるメーカー、東京建電(株)営業一課係長、八角(やすみ)民夫(野村萬斎)は居眠りのハッカクと呼ばれるぐうたら社員。

   火花散らす・・・

トップセールスマンの営業一課長・坂戸(片岡愛之助)から八角の怠慢ぶりを叱責されるが、それにもかまわず悠々とのんびりと毎日過ごしています。

絶対的存在の営業部長・北川誠(香川照之)が進める結果第一主義の方針の元部員たちは寝る間も惜しんで働いていました。

そのような中、坂戸がパワハラで訴えられ異動され、訴えたのが年上の八角。
パワハラ委員会では、北川の信頼が厚い坂戸が訴えられこの不可解な裁定に社員たちは戦々恐々となります。

  
   潰れた椅子が、問題を提起します。        ビルの屋上で首脳会議???

その折、たえず2番手に甘んじてきた営業二課長の原島(及川光博)が新課長として着任するが、成績は上げられず、場違いとすら感じるようになる。

以上は、一般会社でも良くあり、サラリーマンなら身近な出来事で、本来はこの辺りで何もなかったように終局に向かうのですが・・・
でも、映画は、ここから想像を絶する秘密が隠されていたのです。

企業犯罪とは、会社を守る意識が優先し、犯罪という意識が希薄になってゆくのですが、そこには会社を守るだけではなく、自分を守ることが優先する結果なのです。

七つの会議とは、七人の思惑が積み重なることによって、その結果が思っていようが思っていなくとも、違った方向に、つまり間違った方向に進むことで犯罪が成立するのです。

その七人とは・・・
東京建電
 営業係長 八角民夫    営業部長 北川 誠  
     坂戸の後任 営業二課長 原島万二    営業一課長 坂戸亘彦
ネジ六  三沢逸郎 (音尾琢真) トーメイテック  江木恒彦(立川談春)  
ゼノックス 徳山郁夫(北大路欣也)
 以上の七人の立ち位置は映画を見て確認してください。

  



七つの意味は他に、色々言われていますが、その一つ、この映画に関する7つは、下記を参照してください。
  誰が会社を殺すのか?
駄目な経営者と危険な社風(七つの兆候) https://forbesjapan.com/articles/detail/19075

 いづれにしても、会社とは何か・・ そして働くこととは・・・・
 そして、働くことの正義とは・・・ 守るべきものは・・・
 働くことの信念とは・・・ 企業の矛盾、絆は・・・
 現代に生きる企業戦士に問いかけています・・・・・
  
  
 
       大阪駅西側のビル群  ここにも沢山の企業戦士が日夜戦っています・・・

 


映画 「 マスカレード・ホテル 」

2019年01月22日 19時28分11秒 | 映画・社会

東野圭吾の人気シリーズの映画化したミステリー。

ちなみに、”マスカレード”とは、舞踏会とか仮装大会という意味です。
これが、この映画の主題なのです。

なお、この映画の舞台のホテル名は ”ホテル・コルテシア東京”です。
では、実際のホテルはあるのでしょうか・・

     


連続殺人事件を解決するためホテルに潜入したエリート刑事 新田浩介(木村拓哉)と優秀なホテルマン 山岸尚美(長澤まさみ)が真相に迫ってゆく・・・

映画の序盤は、その捜査より、ホテルの客の人間模様の方が面白く、ミステリーであることを忘れてしまうほどでした。

都内で3件の殺人事件が起こり、すべての事件現場に残された不可解な数字配列から、事件は予告連続殺人事件として捜査されることになります。
その不可解な数字配列を解読し次の殺人事件の犯行場所はホテル・コルテシア東京であることを突き止める。

  

しかし、犯人の手掛かりは全くなく、警察は、ホテルでの潜入捜査をすることとし、新田をフロントクラークとし、ホテル側のフロントクラークには山岸が彼の教育係として任命されます。
ここに、新田、山岸のコンビがそれぞれの立場から対立しながら、徐々にお互いの仕事を理解し始めます。

お互いの信頼関係が徐々に出来上がってゆく中、事件は急展開を迎えます・・・

濱田岳、前田敦子、笹野高史、高嶋政宏、松たか子、菜々緒、生瀬勝久、宇梶剛士、さんまらが素性の知れない宿泊客として登場します。

この中に 犯人はいるのでしょうか・・・

しかし、さんまさんは、どこに出ていたのか分かりませんでした。
最後のキャスト紹介に堂々と名前は出ているのですが・・・
どうやらエキストラの一人として出ていたのではないでしょうか・・・

そして映画のホテルは実際にあったのでしょうか・・・ それも最後に協力ホテルの名前は、”ロイヤル パーク ホテル(東京 日本橋)”の名前がありますが、真実のほどは分かりません。
分からない方が良いのかも知れません。


映画 「ビブリア古書堂の事件手帳」

2018年11月08日 12時11分05秒 | 映画・社会

聖書(バイブル)の呼称はギリシャ語のビブリアに始まっているそうです。
ビブリアとは、ギリシャ語では他に「本」「書物」の意味でもあり、ラテン語では「本を愛する人」と言う意味もあり、ここではラテン語の意味でしょう。

  

三上延によるベストセラー小説を黒木華主演で映画化したミステリーです。
2011年に小説で出版され、TVドラマは2013年に放映され、この度は映画化と人気のほどがわかります。

物語は、鎌倉の片隅にたたずむ古書店を舞台に夏目漱石の本に記されたサインと太宰治の「晩年」の希少本にまつわる秘密を辿って解き明かしてゆくミステリーです。

 

 

 

古書店”ビブリア古書堂”に青年・五浦大輔(野村周平)がやってくるところから話は始まります。
亡き祖母の遺品の中から出てきた夏目漱石の「それから」に記された著者のサインの真偽を確かめに訪れます。
そこの店主篠川栞子(黒木華)は人見知りと思われたが、その本を取ると、豊富な知識があふれ出てきて、たちどころに洞察力と推理力によってこの本の秘密を大輔に話します。

この本は、大輔の祖母が死ぬまで守った秘密が隠されていると大輔に告白する。
その正体を探り始めた二人は、漱石と太宰の二冊の本に隠された秘密が、大輔の人生を変える一つの真実に繋がってゆくことを知ります。

物語は、祖母 五浦絹子の若い時(真帆)に働いていた食堂に田中義男(東出昌大)が訪れ、親密になってゆく様子など、過去と現在を織り交ぜて進んでゆきます。

謎の人物は果たして誰なのか、栞子を襲ったのは・・・そして、その本の行方は・・・


映画 「 散 り 椿 」

2018年10月05日 19時22分41秒 | 映画・社会

いわゆる、お家騒動の話です。
誰にも恥じない生き方を貫こうとする実直な武士たちの姿を描いています。
そこには、武士として、不正をただすと同時にそこには夫婦間の約束がありました。

  

話は享保15年、とある藩での出来事。
藩の不正を訴えたために、時の権力に負け、藩を追われた瓜生新兵衛(岡田准一)は妻を同行します。
追放後も連れ添い続けた妻・篠(麻生久美子)が病に倒れ、死を迎えようとする中、最後の願いを新兵衛に託します。
その願いとは、藩に戻って榊原采女(西島秀俊)を助けて欲しいというものでした。
そして、散り椿を見てきてほしいと伝言します。

  
     見所の一つは、岡田准一の殺陣でしょう・・
          最後の字幕に殺陣師の一人に岡田准一が・・・・


采女は、新兵衛の友であると同時に篠を巡る恋仇でもあり、妻の最後の願いをかなえるためとはいえ、その妻の真意を突き止めるため、また8年前の不正事件の真相を探る決意をする。

篠の妹・坂下理美(黒木華)とその弟・藤吾(池松壮亮)は、戸惑いを見せるが、新兵衛の一途な姿や不正をただそうとする生き方に共感する。

  
  新兵衛は、妻の妹の理美が好意を持っているのを知りながら・・・
     家老石田玄蕃(奥田瑛二)の悪だくみも若殿(渡辺大)のお国入りが契機に 
     露見するのか・・・



新兵衛は、采女から「篠はお主を死なせなかった、だからわしの事を助けてやれと言ったのだ。篠はお主を生かすために心にもないことを言わなければならなかったのだ」と。

紛争に巻き込まれた采女は非業の最後を迎えますが、その時采女は「散る椿は、残る椿があると思えば見事に散っていけるのだ」と・・・

 他に緒方直人、新井浩文、柳楽優弥、石橋蓮司などが脇を固めて、日本の四季折々の風景で物語を盛り上げていました。

 


映画 「 検事側の罪人 」

2018年09月04日 09時21分54秒 | 映画・社会

「検察側の証人」ならわかるのですが、「検察側の罪人」とはどういうことなのか・・・

「時効」がこの物語の着想の発端で、検事を作品の主題とした社会的司法ミステリーです。

物語は、初めは早いテンポで進み、後半は二人の検事の心の動きを丁寧に描いてゆきました。
なにしろ、急に大きな声や怒鳴り声が、耳に響き、これが検事の取り調べなのかと感心と驚きで見入ってしまいました。

東京地検の検事・最上毅(木村拓哉)と同じ刑事部に検察教官時代の教え子だった沖野啓一郎(二宮和也)が配属されてきた。

  


2012年4月、大田区で起こった老夫婦刺殺事件の複数の容疑者の中から最上は、既に時効を迎えている未解決事件の最有力容疑者の松倉重生(酒向芳)に狙いを定め、沖野はその松倉を取り調べることになった
その松重はかって最上が関わった女子中学生殺人事件の関係者でもあった。

既に時効となった未解決事件を執拗に追い詰める最上に対して、松重は犯行を拒否し続けます。
捜査が進むにつれ、新たな容疑者弓岡(大倉孝二)が浮かび上がるなど松倉犯人説は暗礁に乗り上げます。
沖野は、やがて、最上が松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないかと疑問を抱きます。

そして、二人の検事は、お互いの正義を掲げて対立してゆきます。

  

 主役の二人をも食う松重重生(酒向芳 さこう よし)の怪演ともいわれる好演



一つの犯罪に対して、検事は、他の事件の犯人をでっちあげる、つまり検事の思惑通りのストーリで罪人を作り上げる、このことが  ”検事側の罪人” というタイトルなのです。

いかに、他の事件の犯人と思われていても、これを他の事件の報復で犯人憎しで検事が起訴することは、それこそ正義の名の元出来るはずがないのですが、果たして現実にあるのでしょうか・・・・