今日、紹介する写真のLPは国内盤未発売のジャン・マルティノン&フランス国立放送管弦楽団によるラロの舞踊音楽「ナムナ(Namouna)第1・第2組曲と「ノルウェー狂詩曲」を収めた仏グラモフォン盤である。(レコード番号はドイツ盤オリジナルと同じ「2530 106」)
作曲者エドアール・ラロ(Edouard Lalo/1823~92)の作品といえばヴァイオリン協奏曲第2番「スペイン交響曲」を思い浮かべるぐらいで彼の存在は地味である。スペイン系フランス人の彼は「パリ音楽院」で学び当初ヴァイオリンやヴィオラ奏者として活躍、作曲家としては本国でも最初は地味な存在だったらしい。この舞踊音楽「ナムナ」は古代ギリシャを舞台にした美しい女奴隷ナムナの物語である。初演は1882年にパリのオペラ座で行われている。 また「ノルウェー狂詩曲」は1878年に作曲された「ノルウェー幻想曲」の改作(1879年)である。このフランス盤のジャケットには録音年代の記載がないための録音年月は不詳だが1970年前後と推定される。ラロの作品は異国情緒を漂わせるエキゾチックなものが多くこの二つの作品も例外ではない。因みにマルティノンはロンドン・フィルと前者の「ナムナ」(第1・第2組曲)を1950年代にモノラルで録音していた。