私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

国内盤未発売 - マルティノン&フランス国立放送管 ラロ/舞踊音楽「ナムナ」ほか

2012-11-11 00:00:06 | 管弦楽曲

 今日、紹介する写真のLPは国内盤未発売のジャン・マルティノン&フランス国立放送管弦楽団によるラロの舞踊音楽「ナムナ(Namouna)第1・第2組曲と「ノルウェー狂詩曲」を収めた仏グラモフォン盤である。(レコード番号はドイツ盤オリジナルと同じ「2530 106」)

 作曲者エドアール・ラロ(Edouard Lalo/1823~92)の作品といえばヴァイオリン協奏曲第2番「スペイン交響曲」を思い浮かべるぐらいで彼の存在は地味である。スペイン系フランス人の彼は「パリ音楽院」で学び当初ヴァイオリンやヴィオラ奏者として活躍、作曲家としては本国でも最初は地味な存在だったらしい。この舞踊音楽「ナムナ」は古代ギリシャを舞台にした美しい女奴隷ナムナの物語である。初演は1882年にパリのオペラ座で行われている。 また「ノルウェー狂詩曲」は1878年に作曲された「ノルウェー幻想曲」の改作(1879年)である。このフランス盤のジャケットには録音年代の記載がないための録音年月は不詳だが1970年前後と推定される。ラロの作品は異国情緒を漂わせるエキゾチックなものが多くこの二つの作品も例外ではない。因みにマルティノンはロンドン・フィルと前者の「ナムナ」(第1・第2組曲)を1950年代にモノラルで録音していた。

 


レオポルト・ルートヴィヒ&ハンブルク国立フィルの「悲愴」

2012-11-08 12:28:42 | 交響曲

 

 最近はまた1950年代後半から60年代初期の録音に改めて耳を傾けている。この時代、特にステレオ初期の演奏はそれぞれの指揮者の個性が強烈に感じ取れ味のあるものが多い。昨日紹介のエットーレ・グラチス指揮フェニーチェ劇場管によるメンデルスゾーンと並びこのレオポルト・ルートヴィヒ&ハンブルク国立フィルによる1959年録音のチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」も深い味わいを感じる。写真は2009年に「コロムビアミュージック・エンタテイメント」より「オイロディスク」のヴィンテージ・シリーズの1枚として発売されたCDだが国内盤LPとしては1970年代初期に当時のコロムビアの廉価盤「ダイヤモンド1000シリーズ」としても出ていたものだ。 (写真/COCQ-84625/ステレオ)

 レオポルト・ルートヴィヒ(Leopold Ludwig/1908~1979)はカラヤンと同世代の指揮者で古くは「ウィーン国立歌劇場」のほか「ハンブルク国立歌劇場」、つまりこのオーケストラの首席指揮者・音楽監督として1950年から1971年まで活躍した人である。

 

 

 


オペラ指揮者、エットーレ・グラチス&フェニーチェ劇場管による「スコットランド」・「イタリア」」ある

2012-11-07 18:34:23 | 交響曲

 エットーレ・グラチス(Ettore Gracis/1915~1992)は1959年から1971年まで足掛け12年に渡りヴェネツィアの「フェニーチェ歌劇場」の音楽監督を務めたイタリアのオペラ指揮者である。日本では彼の知名度はマイナーだがイタリア各地の歌劇場をはじめヨーロッパの歌劇場に客演1960年代、70年代を中心に活躍、ドイツ・オペラの古典ものも得意とした人である。今日紹介するCDは彼が「フェニーチェ歌劇場」の音楽監督就任直後に同歌劇場専属オーケストラ、「フェニーチェ劇場管弦楽団」とレコーディングしたメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」と第4番「イタリア」をカップリングしたもので彼の録音としては珍しい1枚である。

 ジャケットの記載によれば録音は1959年3月14日、15日の両日に「フェニーチェ劇場」におけるステレオによるセッションである。また音質も良好である。「スコットランド」では最終楽章のコーダにさしかかるところでテンポを「リタルダンド」気味に落としていくところが印象的であるに対し「イタリア」では溌剌とした速めのテンポで快活に推し進めていく演奏スタンスがいかにもイタリアの指揮者らしい。(写真/Accord - UNIVERSAL MUSIC FRANCE 476 9145)

 

 

 


ジュリーニの最初期録音、チャイコフスキー/交響曲第2番

2012-11-06 16:42:00 | 交響曲

 

 

  写真のLPは若きジュリーニのステレオ最初期の録音、フィルハーモニア管弦楽団とのチャイコフスキー「交響曲第2番ハ短調」である。(英EMIコロムビア、1956年録音)この作品は「ウクライナ」の民謡を多く用いているところから「ウクライナ(小ロシア)」と呼ばれている。続く「第3番<ポーランド>」ほどではないがチャイコフスキーの前期交響曲は全般的にコンサートで演奏される機会はそれほど多くない。 しかしジュリーニはこの「第2番」を好んで実演でも結構取り上げておりライヴ音源も残されているようだ。

 でも意外なことに彼のチャイコフスキー交響曲の公式録音はこの「第2番」のほかに「第6番<悲愴>」がこのフィルハーモニア管弦楽団(EMI-1959年録音)とロス・フィルとの1980年録音(ドイツ・グラモフォン)があるのみである。確かにこれらのレコードは発売当時それほど大きな話題にはならなかったと思うがいずれの演奏もつややかで潤いある趣きが彼の格調の高さを裏付けている。

 

  


シノーポリのエルガー「交響曲第1番・第2番」ほか

2012-11-03 12:03:54 | 交響曲

 エルガーの交響曲はとかく日本で敬遠されがちだがじっくりと聴きこんでいくとその巧みなオーケストレーションに魅力をそそられる。 レコードも古くはバルビローリ等の名盤があるが今回紹介するジュゼッペ・シノーポリ(1946~2001)がフィルハーモニア管弦楽団の音楽監督時代に遺した録音も忘れることができない。彼の演奏は作品の核心に鋭く迫り、時にだらだらしがちなところも聴き手を飽きさせないよう巧みにオーケストラをダイナミックに動かしている。

 写真のCD(2枚組)は彼がフィルハーモニア管と入れたエルガーの二つの交響曲と管弦楽作品から序曲「南国にて」と行進曲「威風堂々第1番・第4番」を収録したものである。(1987年~91年録音/DG国内盤POCG3934~35 1998年発売)因みに彼のフィルハーモニア管とのエルガーの録音にはこのほか「エニグマ変奏曲」やマイスキーとの「チェロ協奏曲」などがある。

 

 

 


アルゲリッチのショパン/「ピアノ・ソナタ第2番」

2012-11-01 23:05:17 | 器楽曲

 アルゲリッチのショパン「ピアノ・ソナタ」については以前に1967年録音の「第3番ロ短調」を紹介したがこれは彼女の「ドイツ・グラモフォン」へのショパン・アルバム第1集だった。 今回は1974年録音のその「第2集」となるLP、「第2番変ロ短調<葬送>」ほかを収めたアルバムを取り上げてみたい。(写真/独グラモフォン 2530 530)

 彼女はこの「第2番」でもさらにスケール感あるダイナミックな演奏を聴かせている。いつも思うことだが彼女のテクニックな面はもちろんのこと聴き手を魅了させてしまう彼女独特の「カリスマ性」を感じてしまうのは私だけではないだろう。LP第2面に「アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ作品22」・「スケルツォ第2番変ロ短調作品31」との組み合わせである。現在では先の「ソナタ第3番」も加えられCD化されている。