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フリッツ・ライナー/シカゴ響 R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」

2008-12-17 22:07:26 | 管弦楽曲
 昨日に引き続きもう一つフリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団の名盤リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss/1864~1949)交響詩「英雄の生涯(Ein Heldenleben)」作品40を紹介したい。この録音は1954年3月シカゴ・オーケストラホールでされたものである。ライナー、シカゴ交響楽団音楽監督就任1年目の録音で同時期にもう一つの傑作「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30も録音されている。しかもどちらもオリジナル・ステレオ録音である。西欧諸国でステレオ録音が一般的になったのは1958年以降のことだからこれらの録音はステレオ最初期で画期的なことであったと言える。当時のRCAの録音技術のすばらしさを改めて感じさせるサウンドで色彩豊かなシュトラウスの世界が広がる。ライナーは元来R.シュトラウスを得意としておりどちらかといえば鋭角的な解釈で聴き手に迫って来る。聴き所は「英雄の伴侶」ヴァイオリン・ソロが美しく響く。続くこの曲のクライマックスでもある「英雄の戦闘」では金管楽器、打楽器群のめざましい活躍がステレオ効果を上げている。「英雄の業績」では作曲者の過去の作品ー「ドン・キホーテ」、「ドン・ファン」、「ティル・オイレンシュピーゲル」等の断片が次々と現れ英雄の業績を回想する。つまり「英雄」とはR.シュトラウス自身を指している。ライナーは実にたくみに手兵シカゴ響のサウンドを引きだしている。終曲の「英雄の引退」のコーダは静かに終わるがこの余韻が心に残る名演だ。


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