私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

FMエア・チェックから生まれた名演 - (5)

2008-12-18 14:02:51 | FMエア・チェック
 「FMエア・チェックから生まれた名演」の第5回はエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード(現在サンクトペルブルグ)・フィルハーモニー交響楽団の演奏会ー1980年と1983年の演奏会ライヴからそれぞれ彼十八場番のチャイコフスキー交響曲第5番ホ短調作品64とショスタコーヴィチ交響曲第5番ニ短調作品47を選んでみた。私の記録によれば1988年3月24日東京FMでオン・エアされたものだがチャイコフスキーが1980年8月14日、ショスタコーヴィチが1983年5月26日レニングラード・フィルハーモニーで演奏されたものだ。テープの提供が「ソ連テレビ・ラジオ国家委員会」とあるのでいかにも当時のソビエトらしい。ムラヴィンスキーの演奏のコンセプトは早めのテンポで押しすすめ極端に強弱アクセントをつける個性的なのが特徴でこの演奏も例外ではない。彼自身は冷静沈着なのだが聴き手を興奮させその音楽の世界に誘いこんでしまう。チャイコフスキーのこの演奏で言えばフィナーレのコーダの部分は圧巻である。
 一方ショスタコーヴィチの第5番はムラヴィンスキー自身がこのオーケストラで1937年ロシア革命20周年の年に初演した作品だけに実に文句のつけどころがない凄い演奏である。私も彼が1973年5月初来日した際東京文化会館で同曲を生で聴いたが当時の興奮・感動を忘れられない。このテープの演奏でも特に第3楽章の最弱音と最強音の対比やハープ、チェレスタの音が美しい。フィナーレ第4楽章では1973年の東京でのライヴと同様にティンパニーをはじめとする打楽器群が目の覚めるような音で早いテンポの中迫ってくる。まちがいなく聴衆を圧倒する名演中の名演といってもよい貴重な録音だ。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
祝・一周年 (atman)
2009-11-08 20:11:35
ブログ開設一周年おめでとうございます。
毎日ほとんど休むことなく先生の人間味あふれるユニークな解説、そして貴重なジャケ写真豊富な先生のブログを拝見させていただき、奥の深さに驚嘆させられ通しです。
これからも先生ならではの楽しいブログを楽しみにしております。
返信する

コメントを投稿