過去に長時間収録国内盤LPをいくつか取り上げたことがあった思うが今日は海外盤から興味深い1枚を紹介したいと思う。写真は1970年前後にリリースされたフランス盤の長時間収録LPである。ジャケットに「Trimicron triple durée」とあるようにまさに超長時間カッティング・レコードである。ちなみにこのレコードにはチャイコフスキーの「交響曲第6番<悲愴>全曲と「弦楽セレナーデ」第1楽章が第1面に裏面には残り第2楽章ー第4楽章に加えて「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」全曲がおさめられている。参考までに収録時間第1面=56分44秒、第2面=53分14秒で合計109分58秒に及ぶ。私の長時間収録LPコレクションの中でも当盤が驚異的に長い。当時としてもLPの片面収録時間はせいぜい長くても25分~30分前後が一般的だった。詰め込めば詰め込むほど理論的にはダイナミック・レンジが縮小され音質も劣化することは当然のことだがこのLPは針が内周に進んでもほとんど音質に歪を感じさせないのがデジタル時代の現在も摩訶不思議である。
Trimicron33T triple durée, LS14 STEREO録音 演奏データ:
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74<悲愴>指揮:E. Lindenberg ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団 ・ 弦楽セレナードOp.48 指揮:A. Schulz 南ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 ・ ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35 指揮:O. Maga ニュルンベルク・フィルハーモニー管弦楽団 (録音年月日等 不詳)