「パリ音楽院管弦楽団」を発展的に解消、あらたに「パリ管弦楽団」が創設されたのは1967年のことだった。シャルル・ミュンシュを音楽監督、セルジュ・ボドを常任指揮者に迎えミュンシュ門下のジャン=ピエール・ジャキヤ(Jean-Pierre Jacquillat)が当時副指揮者を務めた。今日紹介する写真のLPはおそらくジャキヤの「パリ管」デビュー盤と思われる。アルバムのタイトルは「LA MARSEILLAISE」(ラ・マルセイエーズ)で内容はフランス管弦楽名曲集である。タイトルのルジェ・ド・リール作詞・作曲のラ・マルセイエーズ」(フランス国歌)はベルリオーズ編曲版で演奏されアンドレア・ギオーのソプラノ、クロード・カレのバリトンに「パリ木の十字架少年合唱団」、「フランス国立歌劇場合唱団」が加わり壮大な演奏が魅力的だ。そのほか当時フルート首席を務めたミシェル・デボストのソロが印象的なドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」も素晴らしい。録音は1968年5月に行われている。このほか収録作品はシャブリエ/狂詩曲「スペイン」、デュカ/交響詩「魔法使いの弟子」、サン=サンース/「死の舞踏」、ラロ/「スケルツォ」が収録されている。指揮者のジャキヤは惜しくも1986年不慮の自動車事故で亡くなっている。(写真ー国内盤LP 東芝AA-8429、1969年発売)