カール・シューリヒトのシューマン交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」のスタジオ録音正規盤は1953年「パリ音楽院管弦楽団(英デッカ・モノラル録音)」と「南ドイツ放送交響楽団(旧シュトゥットガルト放送響)」の1960年ステレオ録音がある。どちらも甲乙つげがたい名盤だが今回は後者のステレオ録音を取り上げてみたい。
写真のLP盤は一昨年パリ、パンテオン界隈の「古書・中古レコード店」で求めた「仏コンサート・ホール盤」だが「コンサート・ホール盤」廃盤後、国内盤としては「デンオン」からリリースされていた。(スイス・ミュゼクスポート原盤)どちらも余白に「マンフレッド序曲」が収録されている。
快速テンポで振るシューリヒトの演奏スタンスはどちらも基本的に大きな違いはないがこの「南ドイツ放送響」盤は幾分情緒的に聴こえる。きびきびとした無駄のないシューリヒトの指揮ぶりが十分に伝わる名演の1枚と云えるだろう。