教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

教育そのものがリスク?

2008-10-15 09:23:30 | 
☆教育というコードとプログラムのシステム構造は、構造であるがためにパラドクスをあらゆるシーンで包含しているというのは、考えてみれば当たり前であるが、新鮮ではないだろうか。

☆人間教育の拠点が教育システムであるならば、シェークスピアを引き合いに出すまでもなく、人間なんてパラドクス、アンビバレンツの塊である。

☆子供の才能を引き出そうとファシリテータを演じていたと思っていたら、規範で抑圧する役を教師は同時に演じなければならない。

☆平等だといいつつ選抜システムが入学・卒業というイベントの中にはある。

☆評価はダメだというレッテル張りが意欲を作用する。

☆個性が大事だといっていると、個性を無視する事件が学内外で生まれてしまう。

☆常に予想不可能な文脈で、互いに役割を期待し、裏切られる。

☆このパラドクスによって引き起こされる現象をコントロールしようとしながら、その抑圧が不安をますます募らせる。

☆パラドクスというリスクをヘッジしたり解決しなければ、様々な病理が拡大するというのが本書で石戸教嗣さんが論じていることだろう。

☆ルーマンのシステム論でありながら、コミュニケーション・システム論が本位であるというのがまたまた興味深かった。

☆しかし、このルーマンの教育システム論を日本の公立学校の教育に重ねているために、なかなか難しいし、病理現象ばかりが配慮されている。そうならないように、パラドクスを引き受けている教育システムとして私立学校=≪私学の系譜≫があるというところには気遣いされていないのが残念である。



ルーマンの教育システム論
石戸 教嗣
恒星社厚生閣

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沖縄と秋田の教員交流 経済効果のトリガーになる?

2008-10-15 08:51:25 | 経済
☆学力テスト最下位の沖縄 秋田に教員の人事交流申し入れ(10月15日6時13分配信 河北新報)によると、

「成績トップのノウハウ教えて」。全国学力テストで小学校の全教科で2年連続1位だった秋田県に、2年連続で最下位に甘んじた沖縄県が、教員の人事交流を申し入れている。全国トップの好成績を生んだ秋田の指導方法を経験し、沖縄の学力向上に役立てるのが狙いだ。秋田県教委に打診があったのは9月。沖縄県教委の幹部から、小中学校の教員を1人ずつ相互に派遣したいと伝えられた。派遣期間は1年間で、3年間の継続を希望している。

☆よいことではないだろうか。沖縄と秋田だけではなく、全国の市町村に働きかけてみてはどうだろう。18,00弱の市町村から沖縄と秋田に1年間の研修として参加する人数が多ければ、両県の経済効果は向上するはず。

☆観光立国と教育立国の両方のコンセプトが協調し合うのはよいこと。開かれた学校づくりの拡大版でよいのではないかな。80億円ほどの経済の流れが生まれるはずだが、国家予算に比べたら、あまりに少ないかなぁ。