クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その109 キョン・チョンファ "スーヴェニール"

2007年12月04日 | とっておきの名盤「室内楽曲」
ヴァイオリンの小品集といえども、取り上げるのは通俗的な内容に流れない珠玉の作品の数々、そして決して手を抜かずに意味深い真摯な演奏を聴かせるキョン・チョンファのとっておきの一枚。
彼女の演奏を聴いていて、ふと頭をかすめるのが韓国の伝統芸能であるパンソリ。
常に威敵の進入・支配に悩まされ、そして耐え忍んだ辛い歴史を持つ韓国人独特の心情”恨(ハン)”なしには、パンソリの歌唱の真髄は極められないとも云われている。
彼女の魂を振るわせるヴァイオリンの響きは”恨”、まさにパンソリの歌唱そのものの様に思える程だ。
脱線してしまうが、パンソリを知るには、4年ほど前の映画「風の丘を越えて」という作品を見るのが一番。
韓国では5人にひとりが見たと言われるほどの大ヒット作らしいが、パンソリを極める悲劇の女主人公をテーマにしたドラマで、唱者ひとりと鼓手ひとりが繰り広げる、いわば一人オペラに近い音楽(パンソリ)がとても良く理解できる。
何はともあれ、是非聴いてほしいとっておきの一枚。
・チョン・キョンファ<Vn>、イタマール・ゴーラン<P> <EMI>


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