クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その146 ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品83

2009年03月14日 | とっておきの名盤「協奏曲」
  
バックハウス、ベーム、そしてウィーンフィル、私などはこの組み合わせを見ただけで何かいつもとは違う心の高まりを覚えてしまう。
少しでも音楽を親しむ人なら、これから始まるに違いない”三者の真摯な魂のやり取り、そしてそれらが綾なすいぶし銀の音の響き”に期待の胸を膨らませるはず。
気持ちを高めた後、この盤をプレーヤーに置き、そっとスタートボタンを押す。
しばらくすると、やわらかいホルンが何かを呼びかけるように音を響かせる。
そして何気ないというような風情でピアノが答えを返す。
この出だしの音楽が醸し出す夢のような雰囲気をどう表現したらよいのだろう。
なんという渋いロマンティシズムの響き、これぞブラームスが心に描いた音の響きなのだろう。
バックハウスは、この録音から二年後に八十四歳の生涯を閉じたのだが、ブラームス特有の”人生の侘び寂を極めた調べ”をこれほど見事に表現してくれたことに感謝の気持ちで一杯になる。
この曲は、バックハウスが十九歳の時にデビューを飾った思い出の作品でもあり、その思い入れが入った味の深い演奏には、誰もがなるほどとうなずくのは当然のことといえる。
ベーム、そしてウィーンフィルのサポートも素晴らしいし、私がこの盤をとっておきの名盤に挙げる訳は、このブログを読む人にも充分納得してもらえるものと思う。
この曲のベストファイヴをあげると(但し、上位3枚は同列としたい)。
・ウィルヘルム・バックハウス<P>、カ-ル・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 <LONDON>
・マウリツィオ・ポリーニ<P>、クラウディオ・アバド指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
・ウラディミール・アシュケナージ<P>、ベルナルト・ハイテインク指揮・ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 <LONDON>
・スヴャトスラフ・リヒテル<P>、エーリッヒ・ラインスドルフ指揮、シカゴ交響楽団 <RCA>
・ハンス・リヒター=ハーザー<P>、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 <Disky>

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