クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その68 ウテ・レンパー Sings クルト・ワイル

2006年12月27日 | とっておきの名盤「声楽曲」
この盤のライナーノートに、「このウテ・レンパーの歌うクルト・ワイルのソングを聴いて、きっと彼の音楽を好きになる人がたくさんいるに違いない」という一文があったが、かくいう私もその一人で一時期この盤を夢中になって聴いたことをよく思い出す。
ヒトラーの足音が響く時代、その暗い政治背景を逃れアメリカに移住したワイル、暗いイメージで歌われてきたのがそれまでのワイルの歌だった。
だがウテ・レンパーの歌は違っていた。
聴く歌の一つ一つが新鮮、取立ての果物を噛み締めるかのような味わいがする。
彼女のはりのあるつややかな声と詞に対する鋭さは尋常なものではない。
この盤の最後にある魅力的な曲「スピーク・ロウ」を聴くとそのことが良くわかる。
聴くほどに味わいが深まる不思議な曲、いや彼女のしたたかとも言っていい歌いぶりに驚かされる。
これまでのワイルの暗いイメージを一新させてくれたとっておきの一枚。
・ウテ・レンパー、ジョン・モーゼリ指揮、RIASベルリン室内アンサンブル <LONDON>

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