クラシック 名盤探訪

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「もう一つの万葉集」 李寧煕

2007年02月19日 | 読書中
この本が発行されたのが昭和64年8月というから、今から18年も前になる。
韓国語によってまったく異相の万葉歌が浮かび上がるということで、当時かなりのベストセラーとなったもの。
作者の李寧煕女史は1931年生まれで終戦直前まで日本在住、前韓国女流文学人会会長や国会議員などの立派な経歴を持つ方。
ぶらりと立ち寄った古本屋で購入、夜に寝床で読み出したら面白いことこの上ない。
あっという間に時間が過ぎていく。
前のブログでも取り上げた、額田王「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」のこの本での解釈に驚く。
従来の解釈;あかねさす 紫野を行き 標野を行って 野守は見ているではありませんか あなたが袖を振るのを
真の意味 ;あかい股(さし)が 紫色の野原を行きます 標野<禁野>を行くのです 野守は見ていないでしょうね 貴方が私のはさみ<両股>をひろげるのを
ここに載せるのを憚るほど、何ともセクシーというか色っぽい。
謎と呼ばれる古代史、まだ真実が明かされていない事もたくさんあるに違いない。
彼女が何冊かの著作を通して日本の古代史に投げかけた衝撃の問い掛けは消えていないどころか、まだ暗闇の中で脈々と生き続けているのではないかとさえ思う。
何故か彼女の著作はすべて廃本になっているが、是非の復刻を望みたい。