クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その74 マーラー 歌曲集「なき児をしのぶ歌」

2007年02月02日 | とっておきの名盤「声楽曲」
不世出の名歌手フェリアーと名指揮者ワルターは第2次大戦直後の46年に初めて会い、レコード史上に燦然と輝くふたつの名演奏を残した。
既にこのブログでも紹介した交響曲「大地の歌」、そしてこの盤がそれ。
フエリアーは41歳という若さで亡くなった為、活躍した時期は10年程の短い間だった。
しかし、その間に残した録音はどれも彼女の偉大な才能に満ち溢れたもので、これからも真に音楽を愛する人々に聴き継がれていくはず。
私も愛する音楽を聴き続ける限り、出来るだけ彼女の歌声に接して行きたいと思っている。
この盤、ウィーンのかぐわしい響きを引き出すワルターと高貴な歌声であっという間に聴き手を魅了するフエリアーの声は、マーラーにとってまさに理想的な演奏だったに違いない。
マーラーは、この曲の初演(1905年)の後、恋人アルマと結婚し間もなく生まれた二人の娘を相次いで亡くした。
運命の無慈悲さというものをひとしきり感じる。
ぜひ聴いて欲しいとっておきの名盤だし、この曲に関してはこの演奏以外に薦めたい盤は思いもつかない。
・キャスリーン・フェリアー、ブルーノ・ワルター指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 <EMI>