クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その62 チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 作品64

2006年12月10日 | とっておきの名盤「交響曲」
第5番はチャイコフスキーが意欲的にペンを走らせた曲、独創的な発想が面白い。
クラリネット奏する「運命」の主題が弱音で始まるがこの暗さは作曲者独特のもの、この動機は全編に亘って各所で顔を覗かせる。
私の最も好きな第2楽章、ホルンの独奏する主旋律が何ともやるせない雰囲気をかもし出す。
そのメロディーの甘美なこと、哀愁と憧れを伴って面々と歌われていく。
続く楽章はチャイコ得意のワルツ、そのはかなさというか柔らかな旋律に引き込まれる。
フィナーレに向かって「運命」の動機が表に現れ、そして爆発する。
チャイコフスキーはR・シュトラウスと並んでカラヤンが最も得意とした作曲家。
たしかこの盤はこの曲の6回目の録音のはず、ベルリンフィルと大喧嘩した後ウィーンフィルに接近、晩年の思いをタクトに載せている。
この曲のベストファイヴは、
・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
・エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮、レニングラードフィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
・ピエール・モントゥー指揮、ボストン交響楽団 <RCA>
・レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨークフィルハーモニック管弦楽団 <Grammophon>
・レオポルド・ストコフスキー指揮、ニューフィルハーモニア管弦楽団 <DECCA>