クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その24 ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調「新世界より」

2006年08月18日 | とっておきの名盤「交響曲」
この曲は、私が14歳の頃クラッシック音楽に入り込む切っ掛けとなった想い出の曲だけに愛着がひとしおである。
その後いろいろの演奏を聴いたが、生涯の友となったのがこの盤である。
50年代後半のベルリンフィルの音は最高だった。
引き締まって伸びやかに歌う弦、何ともいえないふくよかな管の響き、鋭く胸をつくティンパニの音。
指揮者フリッチャイは、晩年に白血病に冒され死に近ずくにつれ、演奏いや顔までもフルトヴェングラーに取って代わったようになった。
この盤は、遊びなどひとかけらもないフリッチャイの命を懸けた演奏が聴ける。
その意気込みをひしひしと感じさせる第一楽章、弦や管が心を込めて奏でる「家路」の歌の懐かしさ、郷愁を痛切に感じさせる第三楽章、新世界に熱い期待を寄せてそのときめきを高らかに歌う第四楽章。
ついつい表現が大げさになってしまう。
とにかく聴いて欲しい、タイトルにふさわしいとっておきの名盤である。
この曲のベスト・ファイブを挙げると、
・フエレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
・イシュトヴァン・ケルテス指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団 <DECCA>
・ラファエル・クーベリック指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
・クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮、クリーブランド管弦楽団 <DECCA>
・ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団 <CHESKY>