毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

動く居酒屋

2007年11月06日 00時58分22秒 | らくがき
 電車でもバスでもいい。ベンチ式の椅子じゃなくて、クロス式の椅子を見ると旅情を感じる。
 旅情を感じた上は飲まなくては。旅とは、そういうものであろう。
 初めて仕事先の旅行に行ったとき、出発の朝、電車の中ですでにアルコールが回されていたのに驚いたことがあったが、そんなもんは序の口。さんざん夜飲んだ明くる朝、朝食の席でビールがばんばん抜かれていたのには度肝を抜かれたものだ。
 二日酔いの身にさらにビールですか、と。それも朝っぱらからですか、と。
 そんな20代後半を過ごしているうちに、旅と酒は切っても切れない仲になってしまった感じがする。
 今は、移動する乗り物で飲むのが趣味、と言ってもいい。
 こないだ「むとう」で蕎麦を食べたあと、ぼくと友人は八重洲からリムジンバスで羽田へ向かった。バスにはぼくたち二人の他、客はもう一人だけ。大型の通行料は1400円だと首都高の入口に書いてあった。乗車賃は一人900円。つまり、このリムジンバスの収入は2700円。で、首都高代が1400円だとしたら、粗利は1300円。運転手の時給にもならないだろう。銭の花が咲かない寂しいバスである。
 で、ぼくたちはコンビニ(ほんとは大丸で買い物をしたかったのが、ちょうどこの日は大丸最終日。6時で終業してしまったのだ。逆だろう。こういう歴史的な日なんだから、いつもより遅くまで名残惜しんでやってます、お客様いつでもカモンです、と。それでこそ老舗だろう)で買ったつまみやビール、ウィスキーで飲んで楽しんだのだ、レインボーブリッジからの夜景などを見ながら。たぶん、お互い、異性と来ていたらこの情緒とは違った感じを楽しめるのになあ、などと思いながら、「あっちがヴィーナス・フォートの観覧車で、あっちは葛西の観覧車だなあ」などと言ったりしながら。
 自転車で遠くに行く楽しみの一つもこのへんにある(まあ、遠くたって、200km超えたことはないのだけれど)。
 帰りはタイヤを外して袋に詰めて電車に乗る。
 こないだは高崎から。昨日は宇都宮から。新幹線には乗らない。湘南新宿や快速RAPID、あるいは普通の高崎線やら宇都宮線。でも荷物が大きいからグリーン車に乗る。通勤ラッシュとは違うので、2人掛けの席の隣に誰かが座ったことは一度もない。ゆったりデジカメの画像を見たり、本を読んだり、ウォークマンで音楽を聴きながら(あるいは、すべていっぺんにやりながら)、今日の自転車旅を思いつつ電車で帰る。
 快楽。
 自転車であえぎながらも快楽物質が分泌されたりするが、旅を終えて電車に揺られながらビールを飲むのも快楽である。
 だから、ぼくはJRか西武線沿線のサイクリングが好き。
 だって東武東上線にはグリーンも指定もないんだもん。帰りまで忍耐の旅はちょっとイヤだな。
コメント
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