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「ジャパニーズウイスキー」の定義定まる

2021-06-07 13:10:48 | ブログ

近年、日本ウイスキーの評価が海外で高くなり、人気も急上昇しました。その反面ほんとうはウイスキーと呼べるかどうか疑わしい日本ウイスキーが市場に出回ってもいました。

その理由は日本の酒税法にありました。日本でウイスキーを名乗ることができるのは、『麦芽を糖化・発酵し蒸溜したもの=モルトウイスキー』か、『穀類を麦芽で糖化し発酵・蒸溜したもの=グレーンウイスキー』のどちらかが10%以上含まれていれば、それ以外はアルコール、スピリッツ、香味料、色素、水を加えたものでよいのです。例えば、甲類焼酎に10%のモルトウイスキーかグレーンウイスキーを加えれば、ウイスキーを名乗ることができます。しかも熟成期間の規定も無いので、蒸溜したてのニューポットでも構いません。こんなゆるゆるの法律です。

この度ようやく日本洋酒酒造組合の自主基準ではありますが、「ジャパニーズウイスキー」の定義が定まり、今年の4月から施行されました。主な要件は、①原材料としては、麦芽、穀類、日本国内で採取された水のみで麦芽は必ず使用すること。②製造としては、糖化、発酵、蒸溜は日本国内の蒸溜所で行うこと。③貯蔵としては、原酒を700ℓ以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること。④日本国内で40度以上のアルコール度数で瓶詰めするなどです。

ウイスキーの本場スコットランドに倣う基準です。

瀬戸内海をのぞむ兵庫県明石市の「江井ヶ嶋酒造」さんは1919(大正8)年に日本で最初にウイスキー製造免許を取得した老舗ウイスキーメーカーです。この年はマッサンこと竹鶴政孝氏がスコットランドで実習をしていた頃です。

さらに江井ヶ嶋酒造さんは、ウイスキー冬の時代といわれた1990年代から2000年代も毎年ウイスキーを造り続けていました。

そんな歴史あるメーカーにわがままをお願いして広島県瀬戸内の小さな酒蔵「榎酒造(華鳩)」さんから貴醸酒の貯蔵に使っていた樽を送ってもらい、フィニッシュ(後熟)に使ってもらいました。その樽で2年後熟したウイスキーを一滴も割り水せず原酒のまま強い個性丸ごと62%の高アルコール度でビン詰めしたのがこちら、

シングルモルトジャパニーズウイスキー「明石×華鳩5年」です。

世界で唯一無二のこだわりにこだわったジャパニーズウイスキーです。

もう一つ、こちらの「シングルモルトあかし」は、モルト原酒をシェリー樽、バーボン樽等で貯蔵しヴァッティング。特徴ある味と香りがするモルト本来の個性をお愉しみいただくために、ノンチルフィルター(冷却濾過せず)、ノンカラー(着色せず)でビン詰めしました。

こちらのウイスキーは熟成年数の記載はありませんが、3年以上貯蔵したモルトウイスキーを使用しています。

どちらも正真正銘のジャパニーズウイスキー。

ジャパニーズウイスキーの真骨頂をぜひともご堪能ください。(O.K.)