明治中期から戦前まで3代に渡って高梨村長を務めた大地主・池田氏により建てられたルネサンス様式の私設図書館(大正11年築 1922)。 秋田県内で初めての鉄筋コンクリート(RC)造りの建物といわれ、室内の壁紙には金唐革紙が貼られるなど、東北三大地主の一人に数えられた池田氏の名に恥じない煌びやかな建物になっています。 秋田県大仙市高梨大嶋1 11年06月上旬
平成18年から22年にかけて行われた大規模復元工事により甦った塔屋ドーム。 モルタル洗い出し仕上げ。
御影石の基壇が廻る。
外壁タイルは復元工事により約2割が貼り替えられたもの。
窓ガラスは約7割が創建当時のものが残っているという。
建物の設計者は秋田出身で建設当時は東京在住だった建築家・今村敬輔。 どのような経歴を持つ人物だったのでしょう。 (※追記 今村敬輔は秋田工業学校建築科を卒業した後、矢留建築事務所~東京市土木局建築課第二営繕係)
玄関ポーチを支える柱はイオニア式。
イタリアから取り寄せたという白色大理石が使われる。
玄関の足元に貼られたタイル。
先日の大地震により庭園内の灯籠がズレるなどの被害があったそう。 この亀裂もその時のものでしょうか。
建物に足を踏み入れる。 正面は食堂兼音楽室。
左手は閲覧室。 2階には書庫を設け、村民にも建物を開放し地域の教育向上に寄与したという。
右手は階段室。 残念ながら2階は非公開。
階段親柱。 セセッション風?
見上げてみる。
一歩前へ。
館内には6種類もの金唐革紙が使われる。 2階食堂の物は国会議事堂の執務室で使われていたものと同一柄という(写真は1階の食堂兼音楽室のもので今回復元されたもの)。
食堂兼音楽室の隣りには玉突室(ビリヤード台は参考展示)。 来客をもてなす為の迎賓館的機能も持ち合わせた建物でした。
団体客が押し寄せてきたので外へ出ます。
玉突室の上はバルコニー。 晴天時には鳥海山の遠景も望めるそうです。
2011年は春(終了)・夏・秋の3回の特別公開でしか庭園内には入れません。
水辺に咲くカキツバタ。 調べるまでずっとアヤメだと思っていました。。。
店舗の方は国の重要文化財に指定されていますが、洋館の方は函館市の景観形成指定建築物になってるだけのようですね。
店舗の方も今はカフェになっていますし、建物が恒常的に使用されるうえでは
多少の改変は仕方ない事だと割り切るしかなさそうですね。
私が訪ねたときは、洋館は指定なしでした。
そのせいかドアが・・・。
まだ文化財指定ではないのかな。