萬歳閣

2008-02-26 07:10:16 | 北関東3県 (茨城・栃木・群馬)



 旧松方正義別邸(明治36年築 1903)。 明治の元勲(げんくん)で2度の内閣総理大臣を務めた松方正義(1835~1924)。 日本銀行の創設に係わるなど、主に財政畑を歩んだ人だったそうですが、それだけにとどまらず農政にも積極的で、政府による殖産政策の一環として那須野ヶ原の開拓が推進されると、政府の高官や他の華族達と共に参入し、林業と牧場を主体に農場経営を図ったそうです。 
 この別邸は赤松林の中に在り、松方が新たに牧羊を手掛けるに当たって建設されたもので、当初は「松茂山荘」と呼ばれていました。 建設の翌年、塩原御用邸に滞在中の皇太子(後の大正天皇)の行幸を受けた際に、日露戦争の激戦地であった遼陽陥落の知らせを受け「万歳」を唱えた事から、「萬歳閣」と呼ぶようになったと云われます。
 
 建物は現在も松方一族による管理が行われているようで、敷地には立ち入れませんが柵越しにその姿を望む事が可能です。 建物は下見板張り、1階のファサード部分のみ大谷石が使われており、ガラス張りの大きなサンルームが特徴的。 秋には紅葉した樹木に包まれる素敵な姿が見られるそうです。  栃木県那須塩原市(旧西那須野町)千本松  千本松牧場内  07年12月下旬

 ※写真が一部大きくなります。