エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ラスコー展

2017年01月20日 | ポエム
今日は大寒の日。
風花が舞う中・・・。
ぼくは上野に出かけたのであった。
目的は「ラスコー展」。
国立科学博物館で開催中である。



二万年前、クロマニヨン人の描いた洞窟画である。
ぼくは、何かの啓示を得たくて出かけたのであった。
石器時代の先史にあたる。
日本では、縄文時代すら始まっていない。



ラスコー洞窟の壁画は、アルタミラ洞窟壁画と並ぶ先史時代の美術作品である。
これは1940年9月12日、ラスコー洞窟近くで遊んでいた近くの村の子供たちによって発見されたのである。







「風花の止んで視界の狭まれリ」







洞窟の側面と天井面(つまり洞窟の上半部一帯)には、数百の馬・山羊・羊・野牛・鹿・かもしか・人間・幾何学模様の彩画、刻線画、顔料を吹き付けて刻印した人間の手形が500点もある。

これらは15,000年前の後期旧石器時代のクロマニョン人によって描かれていたのである。
ラスコー展自体は、感動が少ない。

入場者をラスコーの現地に誘う工夫が、乏しいのである。
洞窟があって、この絵はこの場所にある・・・。
そんな風に説明しているにすぎない。

ラスコーの洞窟に入って鑑賞すると云う、その臨場感が全くないのである。
この展覧会なら、書籍を読んでしまえばそれで済む。

その程度の展覧会になっている。
残念である。

やはり、この会場で開催された例えばペルー地上絵展。
ただ、俯瞰する写真では無かった。
動画で、空中に連れていってくれた。
地上絵を空から俯瞰させるような工夫があった。

この展覧会も、そうした工夫が欲しかった。
ラスコーの洞窟に入って、洞窟画をみているような感覚を味わいたいではないか。



    荒 野人