エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬の夕焼

2017年01月06日 | ポエム
冬の夕焼けは、不思議に心を打つ。
物悲しいのでは無い。
裏寂しいのでもない。

ただ、ひたすらに人恋しいのである。
いまなお生を享受する人々であり、故人となった人たちである。
父であり母であり、そして愛した人々である。



とりわけ、人里から眺める冬の夕焼は思いを募らせる。
そうしたものである・・・。







「魔が時は人を恋ふ時冬夕焼」







棚引くように、一筋の雲が赤く染まった。
そこが、結界でもあるように。



内なる結界よ!
より赤味を増し、鮮明化せよ!

冬の夕焼よ。



     荒 野人