エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

侘助の花

2013年01月25日 | ポエム
侘助・・・椿の種である。
椿は春の季語だけれど、侘助は三冬の季語となっている。
厳しい冬から春にかけて花開くのである。

名前が、優れて結構である。
結構と表現する場合、建物がその適用範囲だけれど、この花には結構を与えたいのである。
一重で、半開きの花であり、そのイマージュは堅牢であるからだ。



誠に結構である。
その赤さが際立つのである。



この赤さは、紅とは言えず赤色である。
そもそも紅は、赤の1範疇でしかない。



このピンクは「数寄屋侘助」である。
淡いピンクが優しさを演出してくれる。

そもそも侘助は茶花として珍重されている。
ツバキ(侘助)の木炭は品質が高く、昔は大名の手焙りに使われたという。

仄かに高貴な熱源が感じられるではないか。







「侘助の咲けとばかりのおちょぼ口」







侘助・・・茶花の女王である。
この日、鮮やかに月が輝いた。



高貴に輝いたのである。




あと何日かで満月になる。
朔太郎が眺めた満月である。

満月になったら、ぼくは月に吠えよう。



      荒 野人