エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬の雲と裸木

2013年01月13日 | ポエム
冬の雲の下、裸木が聳える。
荒涼たる気配を醸し出す。



けれども、切実に荒涼を感じさせないのは何故だろうか。



シンメトリーが殊の外鮮やかである。
ぼくはそう思うのである。

飛行船の鮮やかさも、それに拍車をかけていると言えるだろう。







「雲遊べ雲遊べ裸木の空」







裸木は冬の季語である。
だがしかし、裸木も新しい年と共に赤味を増している。

春の準備に余念が無いのである。
命の連環。
命を繋ぐ逞しさが連綿と息づくのである。



雲は遊弋するのだけれど、冬の雲はノッペリと形を変える。



まるで・・・それは寓話を紡ぐかのようである。



昼の黒い雲が、太陽を小さくさせつつ厚みを増しつつあった。
あたかも邪まな意図でもあるかのように。



       荒 野人