「アマンダと僕」監督作品。
ワシ、こっちも好き。
「サマーフィーリング」80点★★★★
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ドイツ・ベルリンの、ある朝。
サシャは目覚めると
シャワーを浴び、コーヒーを飲み、身支度をする。
ベッドでは
ボーイフレンドのロレンス(アンデルシュ・ダニエルセン・リ-)が
まだ眠っていた。
サシャは緑溢れる公園を横切って
職場に出かけていく。
が、平穏な1日を終えて、家へ帰る途中、
サシャは突然、倒れて帰らぬ人となってしまう。
病院に集まったサシャの家族とロレンスは呆然とする。
ロレンスは、サシャの面影のある妹ゾエ(ジュディット・シュムラ)の顔を
しっかり見られない。
そして1年後。
ロレンスとゾエは、それぞれに喪失と向き合っていた――。
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「アマンダと僕」監督がアマンダ~より前、
2015年に撮った作品です。
恋人を亡くした青年の喪失と回復を、穏やかに描き、
テーマも「アマンダ~」に重なる。
しっかし、ミカエル・アース監督はガチでうまいなあ。
日々のなんでもない世界の輝きを
緑と光いっぱいに描く。
そのなかで、突然の喪失がある。
それでも、世界は続き
残された人は、日々を生きていく。
喪失から時間がたっても、突然悲しみが「ぶわっ」と込み上げてきたり
突然、どうしようもない寂しさに襲われたり。
そんな人の心の動きを、繊細にやさしく描き、
誰の心にもあるだろう悲しみの傷や痛みに
そっと触れてくるんですよね。
目にする限り、インタビューなどでは明言していないようだけど
喪失、兄妹、子ども、人と人の距離――
同じテーマを繰り返すことには、
やはり自身の体験に、関係あるのだろうか、と思ってしまう。
そして「アマンダ~」の主人公ダヴィッドと同様、
常に手ぶらで、Tシャツにジーンズで
フラッと街を歩くロレンス。
スマホもいじらず、人と会話し、風に吹かれる彼は
なんだか「生きている」感じがするなあと、思う。
ロレンス役のアンデルシュ・ダニエルセン・リーは
ウトヤ島の事件を描いたNetflixドラマ、「7月22日」の記憶も新しい俳優。
この人、医者でもあるんだって!マジか。
ゾエ役のジュディット・シュムラは
「女の一生」(16年)の印象深いヒロイン。
同じ喪失を共有しつつ、別々に時間を進めていく。
この二人の距離感も、好きでした。
★7/6(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国で公開。